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将来のため早期対応と日々のケア
小児期のアレルギーの特徴と対策

たかおか小児科

(松山市/松山市駅)

最終更新日:2022/12/07

たかおか小児科 将来のため早期対応と日々のケア 小児期のアレルギーの特徴と対策 たかおか小児科 将来のため早期対応と日々のケア 小児期のアレルギーの特徴と対策
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アトピー性皮膚炎や気管支喘息など、発症すると長く付き合わなければならないというイメージがあるアレルギー疾患。乳幼児期から症状に悩まされる日々が続けば、本人はもちろん、家族にとっても非常につらいこと。子どもをアレルギーから守るために、保護者にできることを正しく知っておくことが大切だ。「たかおか小児科」の高岡知彦院長は、日本アレルギー学会アレルギー専門医の資格を持つ。子どものアレルギー疾患への対応に力を入れ、生後2、3ヵ月から出現する症状を注視し、早期対応でその後の進行を抑えられるようにすることが肝心と語る。どのような症状が見られれば医師に相談するべきか、家庭でできる対策にはどのようなことがあるかなど、子どものアレルギーの特徴や対策について話を聞いた。

(取材日2020年6月4日)

大事なのは病名をつけることではなく、症状をなくすこと。皮膚と環境をきれいに保つことが対策の第一歩

Q子どもがかかりやすいアレルギー疾患について教えてください。
A
たかおか小児科 待ち時間の軽減のため診察室は2部屋設けている

▲待ち時間の軽減のため診察室は2部屋設けている

小児期のアレルギー疾患は、年齢によって出現しやすいものがあります。生後2、3ヵ月からアトピー性皮膚炎、6、7ヵ月から食物アレルギー、1歳前後から3歳までで気管支喘息、2歳からアトピー性皮膚炎、3歳から10歳まででアレルギー性鼻炎。このうち2歳からのアトピー性皮膚炎は単独で発症することもありますが、挙げたように病気が次々に行進するように進むことがあり、これを「アレルギーマーチ」と呼びます。生後2、3ヵ月で皮膚の荒れを見つけて落ち着かせることができれば、後に進むことを抑えられる可能性があるため、最初が肝心です。頰の皮膚の荒れから始まる場合が多いので、気づいたらぜひ早めに小児科で相談してください。

Qアトピー性皮膚炎とはどんな症状で、どうすれば防げますか?
A
たかおか小児科 感染する可能性が高い疾病の患者のために、隔離室も2部屋設ける

▲感染する可能性が高い疾病の患者のために、隔離室も2部屋設ける

アトピー性皮膚炎の診断基準は、湿疹、かゆみなどの症状が良くなったり悪くなったりする状態が繰り返されること。乳児なら約2ヵ月、それ以上の年齢なら6ヵ月くらいで判断します。でも重要なのは、診断し病名をつけることではありません。病名に関わらず、症状が繰り返すのは良くないことです。保湿剤だけで落ち着かずステロイドなどの塗り薬が必要なら、アトピー性皮膚炎の可能性を考えてフォローします。症状を抑えることが大切です。そしてきれいな肌をずっとキープしましょう。肌がきれいであることはとても大事です。荒れているとそこから食物や動物の毛など、アレルギーの要因が入り込みます。早い段階からバリアを作ることです。

Qきれいな肌を保つための日々の手入れ方法を教えてください。
A
たかおか小児科 血液検査など行う「処置検査室」

▲血液検査など行う「処置検査室」

まず洗うときは、せっけんをしっかり泡立てることが大切です。振っても落ちないくらいまで、泡立てネットなどで泡立ててください。ガーゼやタオルは使わなくていいので、優しく耳たぶや耳の溝も忘れずに洗いましょう。泡が汚れを包んで落とし、さっとすすげば泡は流れ、皮脂は残ります。ごしごしとこすったり日に何度も洗ったりせず、入浴時の1回で構いません。せっけんもごく普通のものや子ども用のものならたいてい大丈夫です。まれに小麦など含まれる成分にアレルギーを起こすことがあるので、使ってみて合わなければ変えてください。そして塗り薬はしっかりと、塗った直後はティッシュがくっつくくらいべたべたに塗りましょう。

Q離乳食の食べさせ方で気をつけることはありますか?
A
たかおか小児科 子どもが不安にならないよう天井や壁にもイラストが書かれている

▲子どもが不安にならないよう天井や壁にもイラストが書かれている

普通のことを、普通の時期にすれば大丈夫です。離乳食はアレルギーの有無に関わらず、生後5、6ヵ月で始めましょう。遅らせるのはかえって良くありません。そして日本人は洋風より和食のほうが良いと思います。パンがゆを最初にという人もいますが、米アレルギーの人はほとんどいませんので、炭水化物は米を中心にし、パンなど小麦は急がず9ヵ月くらいからに。9ヵ月になると腸が大人に近いくらい成熟してきます。アレルギーにはタンパク質が関係しますが、5、6ヵ月の未熟な腸ではそれが大きいまま体に入ることになり、異物だと見なしてしまうことがあるのです。9ヵ月の腸なら、多くの場合体に優しい状態にまで小さくすることができます。

Q気管支喘息は、どんな症状があれば医師に診せるべきでしょうか。
A
たかおか小児科 患者一人ひとりに丁寧に向き合う姿勢を貫く高岡院長

▲患者一人ひとりに丁寧に向き合う姿勢を貫く高岡院長

気管支が腫れて息を吐くとゼイゼイ、ヒューヒューと音がする状態が気管支喘息です。早ければ生後10ヵ月くらいで症状が出る人もいます。風邪の咳ならたいてい4、5日で治まるので、それ以上続くようなら医師に診せてください。1ヵ月に1度症状が出ることが2、3ヵ月も続くなら、喘息が疑われます。親御さんが喘息なら確率は高くなります。できれば3、4歳まで、あるいは小学校入学までには、喘息がない状態にしてあげたいです。3歳以上まで繰り返すと、気管支の腫れが戻らなくなることもあります。こちらも大事なのは、喘息だと病名を決めることではなく、症状を治めること。息をしても音がしない状態に早く持ち込むことです。

ドクターからのメッセージ

高岡 知彦院長

子どもの皮膚の荒れに気づいたら、なるべく早く医師に診せてください。将来のアレルギーを防ぐには、まず皮膚をきれいにすること。それが人生で必要な第一歩です。肌荒れや咳の場合、皮膚科や耳鼻咽喉科もありますが、それぞれ単独のことではない場合もあるので、小児科へ行くのが良いと思います。私たちも必要に応じて別の医療機関をご紹介します。そして日頃から家の中をきれいにしておきましょう。普段の掃除に加え、月に1度、家族全員の布団も掃除しダニ対策を。またタバコは百害あって一利なし。煙の有無も関係ありません。家族にも害が及び、子どもが誤って食べてしまうこともあります。家族のために、タバコはぜひともやめてください。

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