全国のドクター9,336人の想いを取材
クリニック・病院 158,521件の情報を掲載(2024年5月19日現在)

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 中野区
  4. 東中野駅
  5. 中野ひだまりクリニック
  6. 河原 正樹 先生

河原 正樹 先生の独自取材記事

中野ひだまりクリニック

(中野区/東中野駅)

最終更新日:2024/02/27

河原正樹先生 中野ひだまりクリニック main

東中野駅から徒歩約4分。たくさんの往来でにぎわう東中野銀座商店会のすぐそばに、小見山博光先生が院長を務める「中野ひだまりクリニック」がある。2020年に移転開業した院内は清潔で居心地が良い空間。そこで今年4月より月曜日、火曜日の診療を担当しているのが、物腰がやわらかく優しい雰囲気の河原正樹先生。消化器の分野で豊富な診療実績があり、関東中央病院で外科統括部長を務めたベテランドクターだ。同院で診療することになった経緯や医療に懸ける想いについて河原先生に話を聞いた。

(取材日2022年10月4日/情報更新日2023年4月17日)

町のかかりつけ医として、難しい消化器の病気の治療を

こちらではいつから診療をされているんですか?

河原正樹先生 中野ひだまりクリニック1

2022年4月から診療を開始し、現在は月曜日、火曜日の診療を担当しています。私は消化器外科が専門なのですが、最近では町のクリニックでも診断の難しい消化器系の症状を訴える患者さんが増えているということで、小見山院長から虚血性腸炎や潰瘍性大腸炎についてご相談いただいたのがご縁となりました。私自身もこれまで培ってきた知見を地域の皆さんのために生かしたいと考え、当院で日々の診察や内視鏡検査などを行っています。

患者さんからはどのような相談が多いのでしょう。

当院には若年層から高齢者まで幅広い患者さんがいらっしゃっていますが、高齢の患者さんですと排便障害のご相談が多いですね。高齢になると、がんやさまざまな病気の発生リスクが上がり、それらが影響している可能性もありますから、便秘といえども軽視することはできません。そのため、単にお薬を出すだけでなく、原因をきちんと検査することが大切です。また、排便障害に対する薬剤にもさまざまな種類があるため、一人ひとりに合った薬を丁寧に処方することも重要です。ストレスの少ない排便を促し、患者さんのQOLの向上につなげたいと考えています。

若い世代の患者さんについてはいかがですか?

働き世代の患者さんは過敏性腸症候群のご相談が目立ちます。過敏性腸症候群の症状の傾向は便秘をするタイプ、下痢をするタイプ、腹痛が生じるタイプと大きく3つに分けられますが、そのすべてがミックスされ腹痛と下痢、便秘を繰り返し日常生活に支障を来している人も多く見られます。発症の原因は、ストレスなど心因性のもの、腸内細菌叢、食生活などさまざまな要因があるとされています。近年少しずつ過敏性腸症候群が社会的に認知されてきていますが、まだまだ学校や職場などの日常生活で大変な思いをされている方も多くいるため、患者さんに寄り添ったサポートを心がけています。また一方で、20~30代の若年層は内視鏡検査で来院する方も多いです。内視鏡検査ではがんやポリープだけでなく潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患が見つかることもあります。潰瘍性大腸炎は今少しずつ増加しており、早期発見のためにも検査を積極的に受けていただきたいです。

潰瘍性大腸炎について詳しく教えてください。

河原正樹先生 中野ひだまりクリニック2

潰瘍性大腸炎は、大腸の内側の粘膜に炎症が起こる病気です。体の免疫が関与していることはわかっていますが、はっきりした原因はまだわかっておらず難病に指定されています。治療法は多岐にわたり、炎症を抑える薬、ステロイド、免疫調節剤、各種抗体薬など、症状によってアプローチの仕方が異なります。軽症のうちに発見ができれば、当院のようなかかりつけ医で投薬治療が可能です。通いやすい近隣のクリニックで治療できるほうが患者さんの負担も少ないですから、中等症までは対応できるようにしていますが、難治性あるいは重症化した場合には、近隣の大学病院や専門の医療機関と連携を取ります。ほかにも、消化管に慢性炎症を引き起こす疾患としてクローン病というものがありますが、クローン病も潰瘍性大腸炎と同じく指定難病で、自治体からの補助申請についての専門的なご相談にも応じられますのでご安心ください。

目の前の患者を救うため、できることに真摯に向き合う

診療で大切にしていることは何ですか?

河原正樹先生 中野ひだまりクリニック3

私の医師としてのモチベーションは、目の前の患者さんを何とかして苦痛から救いたいという想いです。困っている人がいるから助けると言葉で表現すればシンプルですが、「救済したい」というモチベーションがなくなれば医師は続けられないと思うのです。心の奥底から自然と湧き上がるこうした想いに突き動かされてきました。もう1つ大切にしているのが、院長と私の連携、そして看護師・看護助手とのコミュニケーションですね。医療はチームで提供するものですから、スタッフ同士で意思疎通を図れていることが、結果として患者さんにより良い医療を提供することにつながります。

医師を志したきっかけ、消化器外科を専門に選んだ経緯をお聞かせください。

子どもの頃からケガした人の消毒など手当てが好きで、自然と医師の道を志していました。私は東京生まれ東京育ちですが、大学は山形です。自然豊かで食べ物がおいしくて、穏やかな人柄の方が多かったですね。もともとは消化器内科の勉強にいそしんでいたのですが、手術の実習がターニングポイントになりました。手術の現場で自分が何もできない状況に、居たたまれないつらさがあって。ある意味トラウマのような感情だったのですが、医師として手術という関門を乗り越えなければと思いました。その後、素晴らしい外科の先生との出会いもあり、結局は消化器の中でも外科を専門とすることになりました。

最近、新たに学んでいる分野があると伺いました。

河原正樹先生 中野ひだまりクリニック4

実は、臨床倫理学を本格的に勉強し始めました。認知症、終末期、あるいは人工呼吸器を装着されているような重篤な状態で意思疎通が図れない患者さんなど、本人の真意がわからない中で今後の治療をどうするのか、医療の現場は倫理的な問題と隣り合わせです。非常に重要で深い問題なので、自分でも勉強して考えながら医療を提供したいと思い、学ぶことにしました。例えば、患者さんのご家族に「どうしますか」と尋ねても、それは単にご家族の希望です。ですからこの場合は「患者さん本人だったら、どういうふうに考えたでしょうね」と聞くのが正しいやり方なわけです。患者さんご本人の人生に思いをはせて判断するのが適切な倫理的配慮なんですね。

経験を糧に、地域医療の底上げをめざす

内視鏡検査にも力を入れているそうですね。

河原正樹先生 中野ひだまりクリニック5

内視鏡検査は、胃がん・大腸がんをはじめとした、さまざま病気の早期発見に有用な検査です。一方で、どうしても患者さんの負担が伴う検査でもあります。患者さんはつらい思いをすると、次から検査したくなくなりますよね。病気の早期発見には定期的な検診が大切ですから、なるべく苦痛やストレスの少ない検査ができるように、希望に応じて鎮静剤を適切に使用したり、胃内視鏡検査では一般的な経口内視鏡のほか鼻から挿入する経鼻内視鏡も採用したりと、クリニックを挙げてさまざまに工夫を凝らしています。もちろん、医師の技量による部分も大きいので、私自身が率先してスムーズな検査を実践していきたいと思っています。

内視鏡検査はどのようなタイミングで受ければ良いでしょうか。

胃がんは進行が早いものが多いので、胃内視鏡検査は40歳を過ぎたら毎年受けていただきたいです。一方、大腸がんの多くはゆっくり進行する傾向にあるので、3~5年おきで良いかと思います。ただしご家族に大腸がんの既往がある場合は2年に1回、大腸ポリープがある方は毎年受けることをお勧めします。胃のポリープはがん化することはほとんどありませんが、大腸ポリープにはがんへの移行リスクが高いものもあります。だからこそ、ポリープの段階で治療することが大切です。胃がんも大腸がんも早期に見つけることが重要な病気です。ぜひとも進んで検査を受けていただきたいですね。

これからクリニックでやっていきたい取り組みはありますか?

河原正樹先生 中野ひだまりクリニック6

消化器外科の専門家として積み重ねてきたキャリアを生かして地域に貢献したいと考えています。これまで町のクリニックでは難しかった診療にも取り組み、地域医療の底上げを図っていきたいですね。高齢化社会の中で、本人が希望する人生の最終段階における医療について前もって話し合い共有する、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)を臨床の場で実践していくことも考えています。また、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病といったご相談が増えていることもあり、火曜日の診療を消化器に特化した外来として強化していくことが決まっています。早期発見からのフォローアップ、専門の医療機関との連携まで、安心してご相談いただける体制でお待ちしております。

自由診療費用の目安

自由診療とは

上部内視鏡検査/1万7000円~、下部内視鏡検査/2万4000円~、ピロリ菌検査/2400円~、人間ドック/3630円~ ※費用の詳細はクリニックへお問い合わせください

Access