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永沼 卓 院長の独自取材記事

きたこしキッズクリニック

(越谷市/北越谷駅)

最終更新日:2023/01/26

永沼卓院長 きたこしキッズクリニック main

東武伊勢崎線「北越谷」駅から徒歩約6分。「きたこしキッズクリニック」は開業9年目を迎える小児科のクリニック。永沼卓(ながぬま・たかし)院長が、大学病院を中心にさまざまな医療機関で研鑽を積んだのちに開業した。院内は広く明るい空間で、手作りのキャラクターのポップが院内を彩り、優しいパステルカラーが患者の緊張しがちな気持ちを穏やかにさせてくれそうだ。待合室から診察室、帰りの動線は一方通行になっており、患者同士の接触をできる限り減らすよう工夫がされている。一人ひとりの患者とその家族に真摯に向き合う永沼院長は、その温厚な人柄や穏やかな語り口、柔和な笑顔で多くの人から親しまれる存在だ。取材では、診療のことや、永沼院長自身についてさまざまな話を聞いた。

(取材日2022年7月28日)

「何か違う」感覚を大切に注意深く診る

開業から9年目を迎えられたそうですね。

永沼卓院長 きたこしキッズクリニック1

正直、もう9年目かという感じで、あっという間でしたね。開業したのがまるで昨日のように感じます。大学を卒業後に入局したのが獨協医科大学越谷病院の小児科でしたので、この地域で小児科医療に携わる施設が足りていないというのがわかっていました。ですから、開業するなら少しでも地域のお役に立てるように、この越谷エリアでと考えていたんです。開業当初は、2階で病児保育も行う保育園の園長もしていました。私自身も保育士の資格を持っているんです。当時は、毎朝保育園で園児の子どもたちとふれあうのはとても貴重な時間でした。

院内は広くて明るい印象ですね。

待ち時間をゆったりと過ごせるように、待合室は広めにとってあります。乳児のために、逆隔離の意味で別室の乳児室を設けていて、そこでおむつ替えや授乳もしていただいて問題ありません。待合室から診察室、診察が終わってからの動線は一方通行にして、できるだけ行き会わないようにしています。少しでも院内感染のリスクを下げようと思ってのことです。また水痘など空気感染する疾患の患者さんには、隔離できる待合室や診察室を設けていて、来院時も別の専用玄関から出入りできるようになっています。

診療の際に大切にしていることは何ですか?

永沼卓院長 きたこしキッズクリニック2

病気の大きい小さいにかかわらず、自分の持っている力を100%出して、一人ひとり一生懸命診るように努力しています。そして、親御さんには、できる限り納得してもらえるような説明を心がけているつもりです。逆にわからないことはわからないとはっきり言って、他の専門の先生に診てもらうこともあります。また、保護者の方の、「いつもとは違う」という子どもに対する違和感も大事だと思っています。見た目は元気そうでも、何かが違うと思ったときは注意深く観察し、受診して良いと思います。診察して特に問題ないこともありますし、早目に受診してもらったおかげで大事に至らなかったケースもありますからね。

一人ひとりの患者に丁寧に向き合う診療

先生は、なぜ医師の道へ進まれたのですか?

永沼卓院長 きたこしキッズクリニック3

父と母を相次いで中学高校の頃に亡くしたため、高校卒業後はすぐに社会にでて就職するつもりでした。しかし親戚から大学進学を強く勧められまして、それなら思いきって遠いところに行ってみようと思い立ち、北海道大学に進学しました。そこでボランティアサークルに参加し、活動の一環として、高齢者の多い病院や、障がいのある方の家に夜間介助に伺ううちに、医師にしかできないことって結構多いんだな、と感じたのが、医学部進学を志したきっかけですね。ちょうど自分の進路に疑問を持っていた頃だったので、また一念発起して中退し、医学部を受験しました。

小児科の医師になられたのにはどんな理由があったのですか?

医学部在学中に児童養護施設にボランティアに行っていたんです。その時に、医学部の学生だからと、いろいろと頼りにされることが多かったんです。でも、その時の私はまだ新米医師以下の存在。それでも少しでも役に立てるなら、と頑張って勉強をするようになりました。その勢いのまま、小児科を志望しはじめたのが医学部6年生の頃でしょうか。当時は、今のようにさまざまな診療科をめぐるという研修制度はありませんでしたから、そこから小児科一筋ですね。小児科に入局してみて、あまりの忙しさにびっくりしました。生まれたばかりの新生児や気管切開のお子さん、寝たきりのお子さんもいます。ただ単に子どもをかわいがるだけでは小児科の医療は成り立ちませんし、時には子どもに嫌がられる処置もしなければいけません。ご家族へのケアも大切です。仕事の幅はとても広いですが、やりがいは大きいですね。

医師という職業の難しさを感じることはありますか?

永沼卓院長 きたこしキッズクリニック4

世の中にはさまざまな病気があって、治る病気もあれば、治らない病気もあります。病気を治すことだけではなく、たとえ治せなくても患者さんの抱えている不安を取り除くことも大切だと思っています。なので、正確な診断や的確な治療もとても大事ですが、患者さんに対する説明も同じくらい大事だと思っています。ただ、診断も説明も、どんなに精いっぱいやっても、最初から常に完璧というわけではありませんし、すべての人に100%満足していただくことは、なかなか難しいと思っています。それでも、縁あって当クリニックを選んでくださったので、お一人お一人と真摯に向き合っていきたいですね。また、子どもは自分の症状をうまく口にできませんし、中には病院嫌いなお子さんもおられます。ですので、根気良くお付き合いしていこうと思っています。

親の気持ちに寄り添い、常に全力投球の姿勢を忘れない

ところで先生は、お休みの日は何をされていますか?

永沼卓院長 きたこしキッズクリニック5

やはり診察中は常に神経を張りつめていますので、休みの時は思いきり緩めたいと思っています。お笑いを見るのが好きで、何も考えずに笑ってストレス解消をしています。私が体調を崩すとたくさんの方々にご迷惑をおかけしてしまうので、住んでいるマンションではできるだけ階段を使うようにしたり、毎朝30分くらい動画を見ながら軽い体操をしたりして、少しでも体力づくりをしようと努めています。忙しくしているので、それで精いっぱいですね。

診療にあたって、親御さんに対して何か伝えたいことはありますか?

子どもの感染症の多くはウイルスが原因で、熱や風邪症状が出たときに、何のウイルスなのかを気にする方が多いのですが、実は、ウイルス自体に効果の期待できる薬は、ごく限られたものしかありません。むしろ、お子さんの身体の状態によって、必要な薬が変わってきます。多くの人にとってただの風邪のウイルスでも、時と場合によっては、状態が悪化して入院が必要になることもあるんです。なので、ウイルスを特定することよりも、むしろどのような状態なのかを診察することが、適切な治療を選択する上で、とても大切になります。具合が悪そうなときこそ、医師の診察を受けることが、とても大事なんです。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

永沼卓院長 きたこしキッズクリニック6

受診するかどうかの目安は、電話相談窓口などを利用する方法もあると思います。ですが、いつも接しておられる親御さん方が違和感を覚え、ご心配になるようでしたら、遠慮なく受診していただきたいですね。「いつもと違う」という感覚はとても重要です。診察しないとわからないこともたくさんあります。病院嫌いのお子さんには、できる限り手早い診察を心がけ、不安を感じる時間を短くできるように努めています。いつかは慣れてくれますので安心してご来院ください。私たちには日々粛々と、真剣に患者さんと向き合うことしかできないと思っています。また、待ち時間軽減のために、インターネットの予約システムを採用しています。なかなか予約できない日もあるようで、ご迷惑をおかけしていますが、医療の質の確保や、スムーズな診療のためにご理解お願いいたします。

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