小児矯正は専門の歯科医師に相談
早めの治療が必要な不正咬合も
高野歯科医院
(川崎市川崎区/川崎駅)
最終更新日:2024/04/15
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子どもの歯並びが気になっていても、いつから小児矯正に通ったらいいのか迷っている人もいるだろう。どのクリニックにしたらいいのかも悩ましいところだ。「いかに子どもの成長期の時点で、適切な成長をさせられるかが大切です。高齢になった時に後悔しないよう、人生の中で歯科に通うための動機づけをできるかが使命だと考えて治療に臨んでいます」と力を込めるのが「高野歯科医院」の高野拡哉(ひろや)院長だ。同院では大学病院から太田大聖(たいせい)先生を招き、常にアップデートを怠らない先進的な治療の提供に努めている。「小児矯正は、専門としている歯科医師に相談するようにしてください」と太田先生。小児矯正を始めるベストタイミングはいつか、またタイムリミットはあるのかなど、2人に詳しく教えてもらった。
(取材日2023年12月5日/更新日2024年1月31日)
目次
小児矯正を専門とする歯科医師に早めに相談すれば成長の力を利用した効率の良い治療も望める
- Q小児矯正を専門とする先生を受診するメリットを教えてください。
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A
【太田先生】子どもの成長を予測して、今後起こり得る問題を把握しながらの治療を受けられるのが大きなメリットです。わずかな異常でも、その異常が生涯大きな問題を引き起こすことがあります。そのわずかな異常に気づけるのが小児矯正を専門とする歯科医師でしょう。また問題が大きくなってしまっても対応できるのは、小児矯正だけではなく、一般歯科にも強みを持つ当院だからこその利点ですね。 【高野院長】当院では東京歯科大学水道橋病院小児歯科学講座に所属する太田先生に週に1日ほど診察をお願いしています。先端の現場での情報を取り入れた治療を受けられるのは、患者さんにとっては安心感につながるのではないでしょうか。
- Q貴院ではどのような小児矯正を行っていますか。
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A
【太田先生】ワイヤー型やマウスピース型装置を用いた矯正も行っていますが、特に注力しているのが顎顔面口腔育成による小児矯正です。これは、片噛みや口呼吸などの悪い癖でゆがんでしまった顎顔面の成長方向を正すための装置です。すべて生えそろってから矯正しましょうと言われた子でも、成長方向を正すことで成人矯正の可能性が低くなり、かつ成人矯正になったとしても抜歯せずにほとんどのケースが対応可能となります。これだけで適切な歯並びをめざせる場合もありますが、複数の治療法を併用することもできます。ただし、ゆがんでしまった筋力を整えるために、口周りの筋肉を鍛えるための口腔筋機能療法(MFT)も積極的に活用します。
- Q小児矯正はいつから始めるのが良いのでしょうか。
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A
【太田先生】例えば、不正咬合の中でも反対咬合は早めの受診がお勧めです。一般的に子どもが自我を持って診療できると言われている3歳からが目安です。マウスピース型装置を用いた矯正とMFTによって進めますが、7歳か8歳くらいから床矯正が必要になる場合も。小児床矯正は将来的に抜歯が不要になる可能性が大幅に見込めるという大きなメリットがあるので、ぜひ適正年齢を逃さずに始めたいところです。上顎前突いわゆる出っ歯は、上顎の次に下顎が成長するので、それまでは経過観察とし、こちらも7歳から8歳の頃に治療スタートとなる例が多いですね。ただ、子どもによって矯正を開始するベストタイミングは異なるので注意が必要です。
- Q子どもの歯並びを悪くする生活習慣はありますか。
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A
【太田先生】指しゃぶりはもちろん、舌を介して唾液を飲み込む乳児型嚥下が残っていると口が開いたままになり歯並びに影響を及ぼします。片噛みも顎の成長方向をゆがめるので、食事の時は左右の歯を使っているかどうか気にしてあげてください。 【高野院長】最近、タブレットやスマホを何時間も見ていて姿勢が悪くなり、骨の成長が妨げられているお子さんが増えています。昔ほど硬いものを食べる習慣もないため、ますます顎の骨は育たず、歯並びに与えている悪影響は少なくありません。矯正治療を受ける一方で、ご家庭でも姿勢や食生活に気を配っていただければと思います。
- Q小児矯正には家族の協力も大事なのですね。
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A
【太田先生】ぜひ、ご家庭でMFTにもしっかりと取り組んでいただければと思います。当院でも、「最初は寝る前に1分だけでもいいから、頑張ってやりましょう」とお約束いただいています。なぜならば、素晴らしい矯正治療を行い、歯並びが整っても、口周りの筋力が十分にないと後戻りしてしまうケースがあるからです。あとは、むし歯になりやすくなるので、しっかり歯磨きを行っていただきたいですね。 【高野院長】取り外し可能な装置だとお子さんはなくしてしまいがちなので、親御さんに管理をお願いしております。また、学校でも装着しておかないといけませんので、あらかじめ担任の先生に話しておくといいかもしれません。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/10万円~、床矯正/片顎:15万円~、両顎:30万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/3万円~5万円、ワイヤー矯正/10万円~ ※症例によって変動あり
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。