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申 正樹 院長の独自取材記事

とよはしにし整形リハクリニック

(豊橋市/豊橋駅)

最終更新日:2023/01/31

申正樹院長 とよはしにし整形リハクリニック main

豊橋駅から車で8分、閑静な住宅街にある「とよはしにし整形リハクリニック」は整形外科の中でも手外科の経験を多く積んだ申正樹院長が2013年に開業したクリニックだ。院内の壁紙は院長自らが選んだもので、受付からトイレに至るまでラグジュアリーな空間になっている。手外科を専門とする申院長は、これまでに多くの手術を経験し、指の再接着や、先天性疾患であるくっついた指の分離などを行ってきた。申院長の手外科に関する豊富な知識を頼りに、多くの患者が訪れる。そんな同院で、申院長が治療を行う上で大切にしていることや、院内の雰囲気などさまざまな話を聞いた。

(取材日2018年1月16日)

リハビリも充実、理学療法士がマンツーマン対応

なぜ、この地で開業しようと思ったのですか。

申正樹院長 とよはしにし整形リハクリニック1

以前は豊橋市民病院で副部長を務め、手外科の手術をメインに行っていましたが、手術で治療できる患者さんは全体の一部であり、手術が必要ではないより多くの患者さんの治療に積極的に関わりたいという思いがありました。豊橋という地にこだわったのも理由があり、豊橋市民病院で担当していた患者さんを引き続き診ていきたいということと、豊橋市民病院では研修もしていたのでお礼の意味も込めて、いずれは私が生まれ育ったこの豊橋の地で地元に根づいた地域治療を行いたいと思っていたからです。患者さんにとって担当している医師が変わるのは不安にもつながりますし、疾患だけを治すのではなく、引き続き診させていただくことで心の不安もできるだけなくして、患者さんが治療を前向きに行えるようにサポートしたいと思っています。

開業するときに特に気をつけた点はありますか。

はじめは一人で開業準備をしようと思っていたのですが、はしら整形リハビリクリニックの小林健二先生がいろいろ助けてくださり、無事開業することができました。日々多くの患者さんが通院されていますが、その中でも半数以上を占めるのがリハビリの患者さんなので、当院には理学療法士5人と作業療法士1人が在籍しており、マンツーマンでこまやかに対応することができます。そのため、リハビリ器具などは充実させるよう心がけています。

そもそもどうして整形外科を選ばれたのでしょうか。

両親とも医師ではないので、医学部に入学する時に科目は特に決めていなかったのですが、大学卒業後に豊橋市民病院でいろいろな科で研修を受けたとき、診察から手術、治療まで一貫して患者さんと向き合うことができるのが整形外科だと感じたんです。私にとってはとても魅力的でした。医師は病気を癒やすことが仕事ですから、患者さんの症状が良くなっていくところを実感できたら、うれしいことだと思ったんです。

院内での工夫していることはありますか?

申正樹院長 とよはしにし整形リハクリニック2

当院では患者さんの待ち時間を少なくし、時間を有効に使えるように、リハビリの2回目以降は予約制としております。また医師が1人なのに診察室が2つあるのにも理由があるんです。診察が終わったら患者さんには焦らず落ち着いて退室の準備をしていただき、その間に私は隣の診察室に移り次の患者さん診察を行うようにしています。患者さまにストレスを与えずに、少しでも待ち時間が短くなるようにしています。

手外科の豊富な知識と経験を患者のために

手外科とはどのようなことをするのでしょうか。

申正樹院長 とよはしにし整形リハクリニック3

名古屋大学の手の外科に在籍していた時は、先天性疾患などの手術を、その後勤務した病院では、切断された指の神経を再接着させるための手術などを行っていました。神経を縫うのは肉眼ではほぼ不可能なので、手術には顕微鏡を使い、指1本でだいたい1時間〜2時間かかっていました。大変な手術ですが、この部分は整形外科の中でも手外科の専門領域なんです。現在は手術室がないので手術が必要な場合には豊橋市民病院などに紹介していますが、開業したての頃は他の病院に手術をしに行っていました。現在では忙しくなかなか行けなくなってしまいましたが。また、当院では足の外来にも力をいれており、外反母趾や偏平足の患者さんを診察し、その人に合ったオーダーメイドのインソールを作っています。もともと手と足は構造が似ているので、手外科の医師が足の疾患の手術をすることも多く、足の治療にも自然と熱が入ります。

このクリニックの特徴を教えてください。

やはり、手外科ですね。手外科の対象は主に肩から指先までです。肘から先の手首、指の疾患が多いですね。今までは手術でしか対応が難しかったデュピュイトラン拘縮の治療も、当院では注射治療することができます。また、手のしびれを発生させる手根管症候群や、小指と薬指の一部にしびれを発生させる肘部管症候群はエコー(超音波検査)でその症状がわかるので、当院ではエコーの機械にこだわっています。MRIを使っているクリニックもありますが、MRIですとコストの問題や、時間も20〜30分かかってしまうので、当院では患者さんの医療費負担と待ち時間が少なく済むようにとエコーで行っています。また、精密に骨密度を測る機械を導入し、半年毎に骨密度を評価しています。

どういう患者さんがいらっしゃいますか?

申正樹院長 とよはしにし整形リハクリニック4

幅広い年代の方がいらっしゃいますが、40代前後やそれ以上の方が多い印象ですね。肩、膝、腰の痛みを訴えて来院されています。古い方ですと豊橋市民病院で担当している患者さんで、8年くらいのお付き合いがある方もいらっしゃいます。症状としては、肩では五十肩、腰や膝では変形性の腰椎症やヘルニア、少しずつ神経のとおりが狭くなる脊柱管狭窄症などが多く、多くの場合は年齢的な変化によるものですが、予防には日頃からの適度な運動、バランスの良い食事が重要になります。また、スポーツをしている小中学生も来院されますね。

手のリハビリに特化した作業療法士も

リハビリではどのようなことを行っていますか?

申正樹院長 とよはしにし整形リハクリニック5

リハビリでは電気など物理的なものだけではなく、運動療法を積極的に行っています。リハビリを行うスタッフは毎週ミーティングを行い、技術の一定化を図り、新しい情報はスタッフ同士で周知するよう心がけています。また、講習会などに勉強しに行ってもらったり、日々進歩する医療について学び患者さんの治療に役立てるよう努めています。作業療法士については手の専門的な知識を持つスタッフがいます。手のリハビリついては、そのスタッフが担当して専門的なリハビリを行います。

治療にあたって心がけていることはありますか?

とにかく医師は病気を治すことが仕事ですから、患者さん一人ひとりの要望に合った治療を提案できるよう積極的に話を聞くようにしています。また、患者さんに安心感と満足感を持ってもらえるよう、治療説明は丁寧に模型やレントゲンを使いわかりやすく説明することを心がけています。この地域の皆さまに親しまれ信頼されるクリニックになるため、院内に意見箱を設置しています。医師としてはやはり患者さんに良くなってもらうという結果はもちろんのこと、それまでの精神的なサポートも行っていくようにしています。整形外科の疾患は慢性的な痛みの方が多いので、患者さんが諦めず前向きな気持ちで治療に臨めるように寄り添っていきたいと思っています。

今後の展望を教えてください。

申正樹院長 とよはしにし整形リハクリニック6

まだはじめたばかりですが、通所リハビリを始めました。今、当院でリハビリを行っている患者さんは健康保険でやってもらっているのですが、今後、介護保険を持っている患者さんは介護保険でリハビリを受けなければならない動きになってきています。それに合わせて、これまで通ってくれていた患者さんが困ることがないようにしたいと思い、介護保険が適用される通所リハビリを始めたんです。制度が変わっても、引き続き当院で介護保険を通してスムーズにリハビリができるかと思います。今後も少しずつ地域に合った治療や設備を取り入れたり、それに合わせてリハビリ室も拡大していきたいと思っています。地域貢献の一環としては、体操教室や勉強会のようなこともできたらいいなと考えているので、やれる範囲で精いっぱいやっていこうと思っています。

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