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木田 修 先生、飯干 宏俊 先生の独自取材記事

かいクリニック

(宮崎市/宮崎神宮駅)

最終更新日:2022/12/26

木田修先生、飯干宏俊先生 かいクリニック main

宮崎神宮や県立図書館、芸術劇場などが立ち並ぶ、宮崎市の文化の中心エリアにある「かいクリニック」。2013年に甲斐睦章(かい・むつあき)院長が開院した、地域に根差したクリニックだ。これまでリウマチ科・整形外科を中心とした診療を行ってきたが、2022年7月から新たに内科・呼吸器内科・循環器内科を新設。循環器内科のエキスパートである木田修先生、呼吸器内科を専門とする飯干宏俊先生が仲間に加わり、さらに幅広く地域住民の悩みや相談に応え、患者を受け入れる体制を整えてきた。木田先生、飯干先生それぞれが得意とする治療や診療科のことから、甲斐院長のリウマチ・整形外科も含めての院内の連携について聞いた。

(取材日2022年11月25日)

循環器内科、呼吸器内科の専門的な治療の提供を

まずは木田先生のご専門や、これまでのご経歴についてお聞かせください。

木田修先生、飯干宏俊先生 かいクリニック1

【木田先生】熊本大学医学部を卒業後、宮崎医科大学第一内科(現・宮崎大学)の初代教授である田仲謙次郎先生に師事し、約15年間、高血圧に関する研究に携わってきました。血圧を調整するレニン・アンジオテンシン系の研究を専門とし、博士号を取得。その後、同大学の付属病院第一内科や潤和会記念病院、山元リハビリテーションクリニックで高血圧や心臓病の治療に従事してきました。一方で大学院の指導教官も務め、介護保険制度の制定や認定審査にも長らく関わってきました。そしてこの度、以前一緒に働いていた甲斐先生とのご縁があって、当院で診療させていただくことになったのです。

飯干先生はいかがですか?

【飯干先生】宮崎医科大学を卒業後、同大学附属病院第三内科に入局し、長らく呼吸器疾患の治療に注力してきました。呼吸器を専門としたのは、進路を選ぶ時期にちょうど大学に新しく呼吸器内科が新設されたからです。当時、宮崎県内には重症な呼吸器疾患を診る病院が少なく、大学病院勤務中は肺がん患者さんに対する抗がん剤治療や間質性肺炎の診療経験を多数積むことができました。それから宮崎県済生会日向病院、宮崎県立日南病院、国立病院機構宮崎東病院、宮崎市郡医師会病院などでの勤務を経て、2022年8月から現職を務めています。

お二人はなぜ、医師に?

木田修先生、飯干宏俊先生 かいクリニック2

【木田先生】私は子どもの頃から音楽が好きだったので、一時期は指揮者をめざそうかと考えていた時もあったんですよ。ですが高校の先生に「音楽で食べていくのは難しいよ」と諭され(笑)、親戚の勧めもあって医学部に入りました。医師になって良かったと思っていますが、今でもクラシックは好きで、宮崎国際音楽祭を毎年楽しみにしています。
【飯干先生】幼少期にアトピー性皮膚炎の治療でよく病院に通っていたので、医療現場を身近に感じていたからです。同じ先生に長く診ていただいていたので、患者と医師が治療を通じて長く関わっていくことに興味を持ちました。高校時代には天体観測が好きだったので理学部に進むことも考えましたが、気胸を患って入院したこともあり、やはり医療に携わりたいという想いが強くなり医学部へ進学しました。

合併症の多いリウマチ患者を3人の医師が連携し診療

こちらの呼吸器内科ではどんな診療を行っていますか?

木田修先生、飯干宏俊先生 かいクリニック3

【飯干先生】当院は甲斐院長がリウマチの治療を専門としており、リウマチの患者さんが多いです。リウマチの方の3割くらいは肺に疾患を抱えていて、その多くが間質性肺炎です。間質性肺炎を発症しやすいこと自体を知らない人がまだ多く、検査して初めてわかったという患者さんも少なくありません。また、慢性呼吸器不全の患者さんもよくいらっしゃいますから、そんな合併症を抱えている方の生活の質を落とさないように、しっかりと治療・管理しています。リウマチと合併症の関係をわかりやすく説明し、甲斐院長と協力しながら症状をうまくコントロールするようにしています。もちろん、喘息、肺気腫など一般的な呼吸器疾患、禁煙治療や睡眠時無呼吸症候群にも広く対応できますから、お気軽にご相談いただければと思います。

循環器内科についてはいかがでしょう?

【木田先生】実は、リウマチの患者さんは高血圧症や心臓病、腎臓病など循環器に関わる疾患も併発していることが多いんですよ。ですから当院でも、リウマチ患者さんの合併症対策として薬の管理をはじめ、甲斐院長、飯干先生と情報を共有しながら連携して治療を進めています。現在はリウマチの患者さんを診療することが多いですが、これまでには高血圧症や糖尿病、高脂血症、心臓、腎臓の病気を抱える患者さんを幅広く診療してきましたから、循環器系に不安がある方にたくさんご相談いただけるようになるとうれしいですね。

それぞれ専門の異なるドクターが在籍していることのメリットは何でしょう?

木田修先生、飯干宏俊先生 かいクリニック4

【木田先生】リウマチの治療をする上で合併症のことは無視できませんし、合併症の症状によって処方する薬の内容も変わってきます。そのため、同じクリニック内にリウマチ科、呼吸器内科、循環器内科の専門家がいて、ワンストップで診療できることは患者さんにとって大きなメリットであると思います。リウマチは関節の病気だと思われがちですが、心臓や肺にも合併症が出やすい全身疾患として捉えておくべきです。甲斐院長、飯干先生と連携して一人の患者さんを診ることができるため、通院負担や金銭的・精神的負担の少ない医療を提供できるのではないでしょうか。
【飯干先生】心臓疾患と肺疾患にも深いつながりがあって、呼吸困難や咳の症状がある場合は肺が原因であるばかりでなく、心臓が疑わしいこともあるんです。そんなときは木田先生にすぐご相談できますから、患者さんも安心できると思います。

大規模病院並みの診療を身近な地域で提供を

診療の際に心がけていることを教えてください。

木田修先生、飯干宏俊先生 かいクリニック5

【木田先生】患者さんの話をじっくりと聞くことです。それから、できるだけ負担の少ない治療を提供したいとも考えています。特にリウマチの患者さんは飲む薬の量が多いので、内科領域の薬はできるだけ少なく、負担なく治療を続けてもらえるように配慮しています。また、自分の得意分野ばかりに目を向けるのではなく、肝機能などを含め患者さんの全身的な管理をしていくことも大切です。10年、20年と長いお付き合いになる患者さんの中には、途中でがんなどの重篤な病気を発症する方も少なからずいらっしゃいます。循環器ばかりに気を取られていると、その兆候に気づくのが遅れてしまいますから、それだけは避けたいと思って注視しています。

飯干先生はいかがでしょう?

【飯干先生】呼吸器疾患は問診と聴診が基本ですが、そのうち特に大切なのが問診です。エックス線写真やCTなどの検査も大事ですが、診断をつける際に要となるのは問診の内容なんです。咳の他に痰は出ているか、息切れがするのは安静にしている時か、動いている時か、いつ始まったのか、家族に同じ症状の人はいるか、アレルギーはあるか、生活する環境はどうか、など、患者さんから話を聞かせてもらって、それを一つひとつ時系列順に整理していって診断の手がかりとします。時間のかかる作業ですが、約30年診療を続けてきて、それが一番大事なことだと実感しています。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

木田修先生、飯干宏俊先生 かいクリニック6

【木田先生】リウマチの患者さんに対しては、関節の症状だけでなく全身の症状を診ていくために、クリニック全体で連携しながら支えていきます。当院では合併症の内科的なケアを含めてトータルで治療を進めていくことができますから、そのことを多くの患者さんに知っていただきたいですね。それに加えて、地域で専門性の高い循環器内科の診療を提供し、より多くの患者さんのお役に立ちたいので、何か気になることがあれば気軽にご来院ください。
【飯干先生】咳など風邪かもしれないと思う程度の症状でも、アレルギーやがん、重い感染症、自己免疫疾患などが隠れている可能性があります。2週間以上症状が治らない場合はぜひ一度ご相談ください。また、肺がんの治療法は日々進歩していて、クリニックでできることも増えているので、将来的には当院でも治療や予防ができるようにしていきたいと考えています。

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