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野中 哲雄 院長の独自取材記事

野中歯科医院

(横浜市西区/高島町駅)

最終更新日:2021/10/12

野中哲雄院長 野中歯科医院 main

高島町駅から徒歩約5分、横浜駅や平沼橋駅からも徒歩7分というアクセスの良い場所にある「野中歯科医院」は、保険診療の範囲では患者にとって十分な治療が提供できないという思いから、自由診療に心血を注いできた。検診やブラッシング指導に力を入れている野中哲雄院長は、1人の患者におおよそ1時間のチェアタイムを設けている。「患者さんに伝えるべき情報を十分に伝えようと思うと、どうしてもそのくらいの時間がかかってしまう」というのがその理由。歯周病治療と予防歯科に特に力を尽くしている同院には、都内や他県からの患者も数多く足を運ぶという。地域を越えて通う患者の多い同院の院長に、診療における姿勢や心がけなどを聞いた。

(取材日2018年12月17日)

1時間かけて十分な情報を伝え、患者と信頼関係構築へ

どんな患者さんが多いのでしょうか?

野中哲雄院長 野中歯科医院1

当院にいらっしゃる方のおよそ半分は、歯周病治療を目的に通院されています。どちらかというと年配の方が中心で、都内など遠方からわざわざいらっしゃる60代以上の方が目立ちますね。全体に歯への意識が高く、予防の仕方をお教えすると、教えたこちらが頭が下がるほどきっちりやってくださる場合も珍しくありません。治療の必要がなくなり、予防のためだけに通っているケースも増えてきました。理想を言えば、もう少し増えてくれればと思ってはいますが。近年は歯周病との関係から、歯ぎしりや食い縛りなどのブラキシズムにも積極的に対応していますので、そういった患者さんも増加傾向。ストレスとの関係が深いともいわれていますが、診療している印象では、過労や睡眠不足などの身体的疲労も関わっているなと感じます。実際、そういう患者さんは、首や肩、腰などの筋肉が硬くなっていることが多いものです。

診療スタイルが独特だと聞きました。

1人の患者さんに、1時間ほどかけて診療しています。患者さんの訴えをしっかり伺い、歯科医師として伝えたいことをきちんと伝えようとすると、どうしてもそれくらいの時間がかかってしまうからです。時に、診療に関係のない雑談になってしまうこともありますが、雑談もまったくの無駄とは思っていません。診療のヒントになることもありますし、何より、患者さんとの信頼関係を築く上でも役立つからです。お話の中では、ブラッシング指導にも時間を割いています。一人ひとりの患者さんに合わせて磨き方を変え、人によって口頭説明だけで済む場合もあれば、目の前で実際に磨いてもらうことも。ブラッシング指導に力を入れているのは、正しいブラッシングを身につければ歯周病もかなり改善につながることが多いからです。

歯周病の改善に注力しているのですね。

野中哲雄院長 野中歯科医院2

歯周病が進行してしまった場合は、歯周病の原因になる歯石やプラークを除去するスケーリングルートプレーニングという治療を行ったり、歯茎の奥にある歯石を取り除くため歯茎を切開するフラップ手術を行ったりすることもありますが、当院ではめったにありません。治療をスタートした当初は、だいたい月1回ペースで通院していただき、ブラッシングがきちんとできているかどうかチェックします。歯周病が落ち着いた時点で、半年から年1回ペースの定期検診へと移行します。中には3~5年通っていただいている方もいますが、きちんと治療すれば再発の心配はほとんどありません。

口腔の健康に関係が深い全身も視野に入れて指導

診療で重視していることはなんでしょう?

野中哲雄院長 野中歯科医院3

全身の健康も視野に入れていることです。口腔の健康と全身は密接に関係していて、体が健康でないとお口の病気もなかなか良くならないことが多いためです。健康な歯を長持ちさせるためにも、ブラッシング指導はもちろん、食生活や運動についても指導しています。近年は、歯周病菌と糖尿病や循環器疾患との間に因果関係があることがよくいわれるようになりました。実際には、歯周病を治療することによって全身の健康増進に直接つなげることは難しいのかもしれませんが、それを寄与できるよう治療しています。歯を大事にすることは、全身の健康を見つめるための入り口。歯が悪くなってから受診するより、悪くなる前に通院するのは基本ですが、それと同じように、全身の健康についても、食生活や運動によって悪くしないことを意識していただきたいですね。

食生活や運動はそれほど口腔の健康に関係しているのですか?

例えば、朝食を食べずに会社に行って、お昼にコンビニ弁当という方や、お肉ばかり食べて栄養バランスの悪い方などは、お口の中を見るとひと目でわかります。不健康な食生活で血液の流れが悪くなり、歯茎の毛細血管が太く見えてくるので赤みが目立つようになるんです。お口の中が赤っぽい方は、何かしら健康を害していることが多く、生活習慣病のある方も歯茎を診るとだいたいわかりますね。運動とお口の健康の関係では、腰や肩の凝りをほぐす体操をするだけで、顎関節症の症状の軽減につながるケースもあります。当院では全身、ひいてはお口の健康増進の一環として、診療室の中にマットを敷き体をほぐすための体操の指導を行っています。

ここ最近で新たに取り組み始めたことがあればお教えください。

野中哲雄院長 野中歯科医院4

数年前から、ご高齢者に向けて寝たきり予防の口腔内のリハビリテーションや運動指導を行ってきました。口腔内をよく動けるようにし、誤嚥を防ぐためです。お子さん対しても、お口の使い方をレクチャーしています。今のお子さんは、いきなり喉に近いところに放り込むような食べ方をすることが多いので、唇、舌、歯を連携させて食べるよう指導しています。もう一つは、形状記憶合金を使った床矯正装置による歯列矯正です。歯列を整えるだけでなく、床矯正装置で顎を拡大することによって呼吸を楽にすることが期待できます。お口に近い気道周りの軟部組織が広がることで、空気がたくさん体に取り込めるようになるというのがその理屈。空気の通り道を広げてあげることで、鼻の通りを良くするという研究もあります。

成功体験でセルフケアのモチベーションアップ

先生ご自身が実践している健康法を聞かせていただけますか。

野中哲雄院長 野中歯科医院5

口腔の健康という意味では、食べる時に、あまり強く噛まないことを意識しています。昔からよく噛んで食べようといわれますが、噛む回数が多いのは良いものの、上下の歯ががちんとぶつかるほど強く噛むとかえって歯へのダメージになってしまいます。歯ぎしりや食いしばりがある方にはぎゅっと噛んで食べる方が多いので、注意してみると良いと思います。メンタルのリフレッシュも健康に関係するので、友人と山登りに行ったり温泉に行ったりなど、いろいろなことに興味を持って積極的に取り組んでいます。最近始めたのは、ウクレレ。ミュージシャンになった高校時代の友人と久しぶりに再会して、「やってみたら?」と勧められたのがきっかけです。

歯の健康を自分で維持するためのアドバイスをお願いします。

1日に1回、ブラッシングで歯ブラシの先がきちんと歯に当たっているかを鏡で確認していただくのが理想。正しいブラッシングを実践していても、しばらく歯科医院を遠ざかり慣れで磨いていると、少しずつずれてきてしまうからです。そうはいっても、毎日鏡でチェックするのは面倒という方が多いのも事実。その場合は、正しい角度でブラシが当たっている感覚を覚えておき、その感覚にずれがないかどうかを意識するだけでもずいぶんと違います。あまり頑張りすぎる必要はありません。私自身、さぼってしまうこともあります。「できなかったら、翌日に取り戻せばいい」というくらいの感覚で取り組むのが、長続きする秘訣です。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

野中哲雄院長 野中歯科医院6

悪くする前に、定期的に歯科医院へ来院してチェックやメンテナンスをするのが理想。半年に1回の定期検診を習慣づける方が一人でも増えてくれるといいなと思います。歯周病になってしまっても、その方に合った正しいブラッシングを続ければ状態はかなり良くできることが多いものです。正しいブラッシング方法を身につけるためにも、定期的に通える歯科医院を見つけ、活用していただければと思います。歯周病改善のポイントは、正しいブラッシングを継続すること。そして、継続のモチベーションを保つためには、歯科医院の治療ではなく自分自身のブラッシングによって歯茎の状態が良くなったという成功体験を一度でも味わうことだと思っています。そのため当院では、初診時と改善時の歯茎のお写真を比較し、お見せしているんですよ。

自由診療費用の目安

自由診療とは

床矯正装置による歯列矯正:15万円~/マウスピース型装置を用いた矯正:3万円~/スケーリングルートプレーニング:3万円~/フラップ手術:5万円~/歯科検診:1万3000円~

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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