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円錐角膜や水疱性角膜症による
視力低下には角膜移植の検討を

きくな湯田眼科

(横浜市港北区/菊名駅)

最終更新日:2023/10/05

きくな湯田眼科 円錐角膜や水疱性角膜症による 視力低下には角膜移植の検討を きくな湯田眼科 円錐角膜や水疱性角膜症による 視力低下には角膜移植の検討を
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目の一番表面にある角膜は、私たちが物を見る上でとても重要な役割を担っている。しかし、通常は透明な角膜が病気やケガなどの理由で濁ると、大幅な視力低下を来してしまう。そんな時に検討されるのが角膜移植だ。これまでは、角膜のすべての組織を入れ替える全層角膜移植が一般的だったが、近年注目を集めているのが、傷んでいる組織のみを取り換える部分的な角膜移植。全層角膜移植に比べて侵襲が少ないため拒絶反応が起こりにくいだけでなく、大きく視力を取り戻すことも期待できる。菊名駅から徒歩約1分の場所にある「きくな湯田眼科」は、さまざまな角膜移植に対応しており、中でも部分的な角膜移植を強みにするクリニックだ。湯田健太郎副院長に、角膜移植の詳細や患者に知っておいてほしいことなどについて聞いた。

(取材日2023年9月20日)

角膜移植を考える人は、角膜を専門とする医師が在籍するクリニックへ

Q角膜、そして角膜移植とはどのようなものですか?
A
きくな湯田眼科 角膜移植についてわかりやすく説明する健太郎副院長

▲角膜移植についてわかりやすく説明する健太郎副院長

角膜は、眼球の一番外側にある、透明なドーム状の膜です。厚さは約0.5mmで、細分化すると5層に分かれています。主に、物を見るために光を取り込んでピント調節をするという、カメラでいうレンズの役割を果たすほか、異物の侵入を防ぐ役割もあります。この角膜が、病気やケガなどの要因から白く濁ることがあるのです。角膜が濁ると、光が入りにくくなるため視力が著しく低下します。こうした状態で、薬物による内科的治療で回復が見込めない場合に検討されるのが角膜移植です。具体的には、濁った角膜を取り除き、新たに透明な角膜を縫いつけて視力の回復をめざします。

Qどういった要因で角膜が濁るのでしょうか。
A
きくな湯田眼科 角膜移植手術に必要な検査設備を整えている

▲角膜移植手術に必要な検査設備を整えている

角膜が濁る要因には、病気やケガ、先天的な要因、眼科手術の合併症などさまざまなものがあります。中でもよく見られるのが、角膜の形がゆがんで円錐状になる円錐角膜です。アトピー性皮膚炎の人に多いとされているほか、レーシック手術で角膜を削る際に生じてしまう場合もあります。水疱性角膜症が要因の場合も多いですね。これは、角膜の内皮細胞が傷ついて水がたまる病気で、白内障手術の際に誤って角膜内皮が傷つけられることで起こりやすいです。また、コンタクトレンズを使用している人も要注意。ケアをきちんと行っていないと、コンタクトレンズに細菌やアメーバが付着してそこから角膜に感染し、潰瘍ができて混濁することがあるためです。

Q角膜移植にはいくつかの種類があるそうですね。
A
きくな湯田眼科 患者の状態を確認しながら、適切な術式を提案する

▲患者の状態を確認しながら、適切な術式を提案する

ええ。細かく分けると数種類ありますが、大きく分けると全部の層を取り除いて入れ替える全層角膜移植と、傷んでいる組織のみを取り換える部分的な角膜移植です。昔は全層角膜移植しか手段がなかったのですが、多くの細胞を入れ替えるため侵襲が大きく、場合によっては拒絶反応が強く出てうまく定着せず、再移植しなければならないような状況も生まれました。一方で部分的な角膜移植は、取り換える細胞が少量のため、拒絶反応も少ないのが利点です。さらに、全層角膜移植に比べて見込める視力回復が良いとされ、術後1週間で1.0以上の視力が期待できるのも特徴です。

Q実際の角膜移植の流れやポイントについて教えてください。
A
きくな湯田眼科 患者の体に負担の少ない手術を実施できるよう尽力

▲患者の体に負担の少ない手術を実施できるよう尽力

当院では日帰りでの角膜移植に対応しています。手術時間はケースバイケースですが、基本的に約1時間、早いと約30分で終わる場合もあります。術後は院内で1時間ほど休んでいただいてから医師が診察を行い、問題なければご帰宅いただくという流れです。帰宅後は定期的に目薬を差すことなど、医師の指示をしっかり守って過ごしていただくことが重要です。2週間くらいは安静にしていただき、その後日常生活に復帰できるイメージです。ご高齢の方など、入院を伴う角膜移植が必要な方は大学病院へご紹介しますので、ご安心いただければと思います。

Q御院では、角膜移植を強みとされているそうですね。
A
きくな湯田眼科 角膜移植を得意とする医師をそろえ、体制を整えている

▲角膜移植を得意とする医師をそろえ、体制を整えている

ええ。実は他の分野に比べて、角膜を専門にする眼科医はとても少ないんです。けれど当院には、角膜移植のスペシャリストが在籍しており、さまざまな角膜移植に対応できるのが強みです。特にその医師は、部分的な角膜移植の中でも、内皮層のみを取り替えるDMEKを得意としており、これまでに数多く手がけてきました。DMEKは、水疱性角膜症やフックス角膜内皮ジストロフィーといった疾患に適した手術です。対応できる医師は非常に少ないですが、患者さんにとっては比較的侵襲が少なく、術後は1.0程度まで視力を取り戻すことが期待できるのが利点です。角膜移植を検討中の方は、ぜひ一度当院へお越しいただければと思います。

ドクターからのメッセージ

湯田 健太郎副院長

一般的な眼科で角膜の病気について相談すると、角膜を専門とする医師でない場合は、様子を見ましょうと言われることが多いと思います。また、角膜移植に恐怖心があって決断を遅らせている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、そのままにしておくと生活に大きく影響するのはもちろん、病気が進行する可能性もあります。角膜の病気に対しては、患部の状態にもよりますが、侵襲の少ないレーザー治療などにも対応しています。まずは治療の選択肢を知るという意味でも、できるだけ早めに、角膜を専門とする医師がいるクリニックにご相談されることをお勧めします。

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