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佐藤 毅 院長の独自取材記事

佐藤歯科医院

(大田区/雪が谷大塚駅)

最終更新日:2024/01/09

佐藤毅院長 佐藤歯科医院 main

大田区・雪が谷大塚駅近隣に開院して80年以上、地域の歯科診療を担ってきた「佐藤歯科医院」。3代目の佐藤毅院長は、同院での診療に加え、大学病院で臨床・基礎研究や学会発表にも熱心に取り組む歯科医師だ。毎週土曜と日曜に継承した歯科医院を開けて虫歯などの一般歯科を中心とした診療を行っている。「父の代から長年通ってくださる患者さんのため、続けたい一心で継ぎました。大学病院で多くの症例を診て得た知見が、歯科医院での診療にも生きていると思います」と語る佐藤院長に、これまでの経歴や専門とする分野について詳しく聞いた。

(取材日2022年11月30日)

地域に根を下ろし80年。今後も末永く、患者を大切に

佐藤歯科医院は長い歴史がありますね。どのような経緯で継承されたのでしょうか。

佐藤毅院長 佐藤歯科医院1

当院は母方の祖父が1935年頃に開院した歯科医院で、当時は母の旧姓の「遠藤歯科医院」という名前でした。それを母と結婚した父が継ぎ、父の姓に改称し「佐藤歯科医院」になったんです。2022年8月に父が亡くなり、私が院長に就任しましたが、大学病院での診療や研究にもやりがいを感じていたので、一時は継ぐか迷ったこともありました。ただ、当院には長く通ってくれている患者さんが多くいて、中にはかなり高齢の方もいらっしゃるんです。その方たちをこれからも診て差し上げたい気持ちもあり続けることに決めました。また、父が大切にしてきた歯科医院を人に渡したくないと思ったことも理由の一つです。毎週土曜と日曜限定での開設ですが、思い出が詰まった宝物のような場所なので、末永く続けていきたいですね。

ご家族の影響で、佐藤院長も歯科医師をめざされたのですか?

そうですね。サラリーマン家庭では父親が仕事をしている姿を見る機会は少ないと思いますが、私は物心ついた頃から父の診療風景を見てきましたし、歯科医院は生活になじむ身近な場所でした。ですから、歯科医師を志したのも自然な流れでしたね。私が父に診てもらう機会もありましたし、小学生の頃には妹の埋伏抜歯を見学したこともありました。今思い出すと、子どもながらに歯科医師には手先の器用さや技術が求められることや、患者さんとコミュニケーションをする大切さを感じ取っていたような気がします。こうした環境に身を置いていたことや、家族の希望もあり、東北大学歯学部に進学。卒業後は東京医科歯科大学医歯学総合研究科に進み、歯周病学を学びました。勤務医として東京大学医学部附属病院口腔顎顔面外科・矯正歯科、埼玉医科大学病院歯科・口腔外科で研鑽を積み、現在に至ります。

こちらではどんな診療を受けられるのでしょうか?

佐藤毅院長 佐藤歯科医院2

当院では虫歯や歯周病の治療、入れ歯の調整、メンテナンスなどの一般歯科を中心に診療しています。また、私の専門は口腔外科で日本口腔外科学会口腔外科専門医の資格も持っておりますので、インプラント治療にも対応しています。好きな食べ物を好きに食べたい、入れ歯をインプラントに変えたいという方にご相談いただくことが多いです。ただし、当院が現在週に2日の開設であることもあり、骨造成など大がかりな処置が必要なケースや、抜歯後の感染リスクが高く翌日の対応が必要な症例などは、適切な医療機関をご紹介させていただきます。歯周病の治療は大学院で研究していた知識を生かし、改善に向けたアプローチや見通しを丁寧にご説明させていただいています。歯周病治療は根気が必要なものですが、腰を据えてしっかりと治療に取り組みたい方は、ぜひご相談ください。また、矯正を専門とする先生がおりますので、歯並びが気になる方はご相談ください。

研究者としての一面も。将来患者の助けになるため

佐藤院長はこちらでの診療に加えて、研究や講習会発表にも熱心でいらっしゃいますね。

佐藤毅院長 佐藤歯科医院3

はい。当院での診療日以外は、大学病院にて診療と研究をしています。もともと物事の「仕組み」を考えるのが好きで、研究は私のライフワーク。研究により病気になるメカニズムの究明や、新たな治療のアプローチの模索を続けたいです。今主に研究しているのは、2008年に発見された「咀嚼筋腱・腱膜過形成症」。咀嚼筋と骨をつなぐ腱という組織が異常に太く成長し口を開きにくくなる病気で、重度では15mmしか開かない人も。食事の面では細かくして食べたり、医療面でも歯科治療や気管挿入ができなかったりと、さまざまな影響が出ます。この病気は子どもの患者も多く、疫学的には潜在患者を含めて約100人に1人がこの疾患になる可能性があるといわれています。まだ解明されていることが少ない一方で、お困りの方も少なくありませんので、将来的に研究が助けになればうれしいですね。

他にはどのような研究をなさっているのでしょうか?

顎関節症も専門に研究しています。顎関節症は、咀嚼筋腱・腱膜過形成症に比べると患者さんによく知られた疾患だと思いますが、実はこの2つの病気は「口が開きにくくなる」という共通点があります。ですから、私のところに顎関節症で紹介されて来た患者さんが、調べてみたら咀嚼筋腱・腱膜過形成症だったとわかることもあるんですよ。開口障害を伴う疾患の診断・治療については、見極めが難しいケースも含め多くの症例を経験していますので、お悩みの方は頼りにしていただければと思います。また、研究を重ね、これまで発表した学術論文は100以上にわたります。他の研究者の論文を読み、評価を任されることもあるので常に新しい知識や技術を得ることができていると思います。

大学院で学ばれていた歯周病について、お考えをお聞かせください。

佐藤毅院長 佐藤歯科医院4

歯周病は細菌に感染することで歯周組織が炎症し、悪化すると歯を支える骨が溶けてしまう病気です。歯周病にかかると糖尿病を悪化させる恐れがあるなど、全身の健康にも影響するとわかっているにも関わらず、自覚症状が少なく進行していくためか、患者さんの危機感は薄いのが現状です。しかし、治療には半年~1年、場合によってはさらに半年と、根気良く取り組む必要があります。途中でフェードアウトする方も少なくないので、私は治療を始める際に、患者さんのお口の中の状態や、今後治療に取り組むことでどう改善をめざすのか、どれくらいの期間がかかるかなど、こまやかな説明を心がけています。また、治療が長引くと、最初にお話しした内容を忘れてしまう場合もあるでしょう。ですから、都度タイミングを見て、説明し直すことも気をつけています。患者さんが「いつまで通えば良いのかな」と不安にならない配慮が大切です。

磨き続けた専門性は、歯科医院の日々の診療にも生きる

大学病院での経験が、佐藤歯科医院で生きていると感じることはありますか?

佐藤毅院長 佐藤歯科医院5

地域の歯科医院は、歯科疾患の予防や治療だけでなく、「大きな病気を見逃さないこと」も大切な役割でしょう。その点で、大学病院で埋伏抜歯から顎の骨折、インプラント、口腔がん・舌がんなどの粘膜疾患まで、幅広い症例を診てきた経験は大いに役立っていると思います。例えば「口内炎が痛くて」と患者さんが来られたとき、口腔がんが隠れているのに気づけない、なんてことはあってはなりません。当院では口腔がんのスクリーニングである細胞診断法を取り入れていますので、悪性を疑う場合にはこの検査を受けることを勧めています。これまでの経験を糧にゲートキーパーの役割も全うしていきたいですね。

佐藤院長が患者さんと接するときに心がけていることを教えてください。

先ほど歯周病の診療の話でも少し触れましたが、歯周病に限らず、患者さんとコミュニケーションすることに尽きますね。それが治療がうまくいくかを左右すると考えるからです。ご本人の言葉を引き出せれば適切な診断の材料になりますし、治療の前には状態や治療方法をご理解いただけるように丁寧にお話しすることに努めています。それから、当院は電話での予約制です。何人も同時に診ることはしておらず、一人ひとりに十分に時間を取って診療する方針です。

最後に、今後の展望についてお聞かせいただけますか。

佐藤毅院長 佐藤歯科医院6

今のところ、しばらくは当院での診療と大学病院での勤務を両立する予定です。大学病院で培ったこと、研究で得た知識などをここでも還元しつつ、長く通ってくれている患者さんや、これから来てくださる患者さんを丁寧に診ていきたいですね。症例の判断については特に生かせる部分ですので、お口の中の症状でお困りのことがあれば、お気軽に相談に来ていただければと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/15万円~ 表側矯正(小児)/40万円 表側矯正(成人)/80万円~  マウスピース型装置を用いた矯正/50万円~

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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