金ヶ江 浩綱 院長の独自取材記事
ひろ歯科クリニック
(佐賀市／佐賀駅)
最終更新日：2022/04/14
2009年の開業以来、地域に必要な歯科医療を提供してきた「ひろ歯科クリニック」は、今や多くの患者にとって不可欠な存在だ。一般的な治療のみならず、口腔外科で全身管理やインプラント治療なども学んできた金ヶ江浩綱院長は、「痛みを我慢している患者さんを救いたい」という思いで日々診療にあたる。機械が好きという自身の性格は診療にも反映され、院内には新鋭の機器や設備が充実。多岐にわたる治療を行いながらも、一つ一つの質は決して落とさないように努力している。他院で治療を断られてしまった患者も受け入れ、可能な限り手を尽くそうとする金ヶ江院長に、同院の特徴や医院づくりにおけるこだわり、歯科医師としてのやりがいなどさまざまな話を聞いた。
（取材日2021年3月19日）
地域が求める歯科診療に深く広く対応するクリニック
初めに、クリニックの特徴について教えてください。
当院の特徴は、クリニック規模で行えるほぼすべての治療を網羅していることです。一般歯科や予防歯科、審美歯科、矯正歯科などのほか、私の専門である口腔外科では精密なインプラント治療も提供しています。歯の炎症によって顔が腫れたときに抗生物質の点滴をしたり、患者さんの全身を適切に管理しながら外科処置をしたりと、柔軟かつ専門的な対応が取れることも強みです。また、各種機器や設備も新しい物をそろえ、安全性と診療の質向上に努めています。実は当院のロゴにも特徴があり、「地域でナンバーワンの歯科医院になる」という目標を込めて「HiRO」ではなく「H1RO」という文字にしました。文字の上のリボンも、患者さんにずっと通ってほしいという思いをベースに「結び」から連想されるモチーフにしたんです。
どのような患者さんが多くいらっしゃいますか？
住宅街に開業したこともあり、ご近所の方だけでなく、車で来てくださる方もいらっしゃいます。年齢は1歳のお子さんから80代のお年寄りまで幅広く、メインは30～50代の方ですね。そのため入れ歯を使用している患者さんは少数で、よくあるお悩みとしては虫歯があり痛い、奥歯を失ってうまく噛めないなどが挙げられます。あと多いのは、自覚症状がないまま歯周病が進行し、受診によって偶然見つかるケースです。当院では失われた歯周組織を再生させる治療にも対応しております。
内装や設備でこだわったところはありますか？
患者さんのプライバシーに配慮し、診療室は外から見えにくい個室と半個室タイプにしています。カウンセリングルームは、診療台から一歩引いた落ち着ける場所で、ヒアリングや治療方針のご相談を行うためにつくりました。それとは別に、待合室と診療室が一体となったケアルームもご用意しており、主に親子で受診されたときに活用しています。お子さんがきょうだいでいらっしゃることも多いので、空間を広めに取り、ケアルームの中で交代で治療を受けていただいていますね。衛生面に関しては、クリニック全体で使う水をきれいにするシステムを導入しています。口腔外バキュームも、切削器具を動かすと自動で粉塵を吸引する物を開業時から使用しているんですよ。
精密なインプラント治療や痛みを取り除く治療に注力
口腔外科出身の先生が行うインプラント治療の特徴も教えてください。
インプラント治療では安全性を最も重視し、治療計画を立てる際にガイドシステムを導入しています。これはCT画像や口腔内をスキャンしたデータをPC上で組み合わせ、インプラントの埋入位置を3Dでシミュレーションできるシステムです。当院の口腔スキャナーは、短時間でかなり精密な口腔データを取得できます。加えて歯科用CTは、顔全体を撮影するタイプを採用しています。歯の治療となると口元にばかり意識がいきがちですが、このCTで撮影した画像を用いて、骨格や皮膚の質感、横顔のバランスまで細かくチェックしながら噛み合わせを考えられるのは大きなメリットです。また、インプラントは世界で大きなシェアを誇る海外製のものではなく、日本人の顎のサイズに適した日本製のインプラントを15年ほど使っています。
診療において心がけていることは何ですか？
患者さんが痛がっている場合は無理に治療を続けないことです。緊急性が高くない限りはご本人の気持ちを優先し、一人ひとりのペースで治療を進めています。また、当院では治療の痛みや恐怖心を和らげるために、笑気吸入鎮静法を実施しています。これはリラックスして治療を受けられるように、笑気ガスという甘い香りのする特殊なガスを吸入していただく方法です。最近は歯科恐怖症の方が当院を知り、この方法で治療を受けたいと来院されるケースも増えているんですよ。ほかにも治療の痛みを減らす工夫として、処置の際はまず表面麻酔を施し、皮膚の感覚をなくしてから注射を行うようにしています。注射針は販売されている中で細さにこだわって導入していますし、麻酔薬の温度や注射のスピードを自動で調整する電動注射器を併用して、痛みの軽減に努めています。
歯科医師としてやりがいを感じる瞬間はいつですか？
最初は虫歯だらけだった口腔内をきれいに整えていけたり、病気を早期に発見して患者さんに喜んでいただけたりするようなときは、うれしいですよね。その中でも一番やりがいを感じるのは、痛みに悩んで来院された患者さんを笑顔にして差し上げられたときでしょう。勤務医時代にも感じていたのですが、歯が痛くなっても我慢してしまう方は多く、もっと早く来てくださっていれば、と思うケースも少なくありません。特に、虫歯が歯を突き抜けて骨まで到達した場合の痛みはかなりのもので、治療の難易度も上がります。患者さんの中には他院で治療を断られてしまった方もおりますので、当院で少しでも痛みを取り除いてあげたいという思いで診療にあたっています。
設備や院内体制をさらに強化し、患者へ還元したい
歯科医師を志したきっかけや、口腔外科を専攻した理由を伺います。
幼少期に弟が亡くなってしまった経験から医学の道を志すようになり、最終的には手先の器用さを生かして歯科医師となりました。口腔外科を専攻したのは、歯の治療にとどまらず、患者さんの全身を診れる歯科医師になりたいと考えたからです。研修医時代にお世話になった久留米大学の口腔外科では、さまざまな症例に携わらせていただきました。麻酔科にも少しお邪魔しましたので、現在は当時の経験を生かし、看護師と歯科衛生士の資格を持つ妻のフォローも受けながら、インプラント治療の麻酔処置を行っています。私は機械や道具が好きなので、ゆくゆくは開業して気に入ったものを積極的に取り入れようと考えていました。その分大変なこともありますが、惜しみのない設備投資が患者さんの健康に還元されると信じて常に精進しています。
今後の展望をお聞かせください。
今後は訪問診療を強化し、もう少し対応の幅を広げたいと考えています。現在こちらで診ている患者さんは、もともと歩いて当院に通ってくださっていた方々に限定されています。他院と比べると高齢の患者さんと接する機会はまだまだ少なく、どうやって訪問数を増やしていくかがこれからの課題です。同時に、忙しくなったときに備えて人員も増やしたいですね。すでに久留米大学時代の同級生が月曜と金曜に診療を手伝ってくれており、歯科技工士も1人常駐していますが、セラミックのかぶせ物を1日で作製するときなどは、彼らがいないとなかなか手が回りません。新しくやりたいことができた際に全力で取り組むためにも、診療体制を整えていきたいと思います。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
口腔外科出身の私は歯を抜くことが専門ではあるものの、やはり天然歯に勝るものはないと考えています。当院では根管治療といった歯を残す治療も行っており、適用可能な場合は、一度抜歯して病巣を取り除いてから元の場所に戻す「再植」という処置にも対応しています。患者さんがご自身の歯で噛める喜びを失ってしまわないように、診療の幅を生かしてできる限りの治療をさせていただきたいですね。それでも抜歯が避けられないケースは、精度にこだわったインプラント治療をご提供したいと思います。過去に受けた治療に満足できなかった方や、他院で抜歯と言われてしまった方は、ぜひ一度ご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療／33万円～
審美歯科（詰め物1歯）／2万9700円～
小児矯正／5万5000円～
セラミックインレー／3万800円～6万6000円
セラミッククラウン／3万85000円～9万6800円
※金額は症状や状態によって違いますので、詳しくはお問い合わせ下さい
