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上運天 智 先生の独自取材記事

上運天歯科矯正歯科

(中頭郡嘉手納町)

最終更新日:2021/12/22

上運天智先生 上運天歯科矯正歯科 main

嘉手納町役場にほど近い場所にある「上運天歯科矯正歯科」は、2009年に上運天修院長と弟の上運天智先生が開業した地域密着の歯科クリニックだ。今回インタビューに答えてくれたのは弟の智先生。穏やかで優しい口調で、日焼けした肌が「沖縄のお父さん」という印象だ。智先生は一般歯科を、修院長は矯正歯科を担当。一般歯科の患者は地元の高齢者からファミリー層まで幅広く、矯正歯科には地元以外に県北部からも患者が訪れるという。「子どもの頃から口腔環境を管理して、一生自分の歯で噛んでもらいたいです」と話す智先生に、開業のきっかけやクリニックの特色などを聞いた。

(取材日2021年9月2日)

一般歯科と矯正歯科を診療し、地元の歯科医療に貢献

最初に、嘉手納に開業した経緯を教えてください。

上運天智先生 上運天歯科矯正歯科1

当院は2009年7月に兄と開業しました。兄が矯正歯科を、私が一般歯科治療を担当しています。嘉手納は私たち兄弟の地元ですが、矯正歯科専門の先生と一般歯科の先生が常駐するクリニックが少なく、生まれ育った地元に少しでも貢献したいと思ったことがここに開業した理由です。お年寄りから若いファミリー層、私たち兄弟の友人もよく来てくれますし、父が長年嘉手納で教員をしていたので、そのつながりで来てくれる患者さんもたくさんいます。

一般歯科と矯正歯科を併設していることのメリットは?

矯正歯科と一般歯科を併設するにあたり、インプラント治療などには手を広げず、この2つが併設しているからこそできる診療を実践していこうと2人で決めていました。例えば一般歯科に来た患者さんで、歯並びが気になった方は矯正歯科で相談ができますし、矯正をスタートする前に虫歯が見つかったらこちらで治療ができます。一つのクリニック内で治療を完結できるので、患者さんにとっても便利で安心なことだと思います。また、少しでも気軽に矯正の相談ができるように、一般歯科の診療でいらした患者さんに対しては無料で相談いただけるようにしています。矯正は専門性が高い分野ですから、専門家の目を通して治療が必要かどうか判断してもらえるのは安心ですし、心強いです。

地域住民の歯の健康に対する意識はいかがですか?

上運天智先生 上運天歯科矯正歯科2

最近は小さなお子さんだとほとんど虫歯がないんですよ。いても20~30人に1人くらい。昔と比べてお母さんたちの意識が本当に高くなりました。ただし少し年齢が上がると虫歯の子が増えてしまいますね。特に中学生になると保護者の方もチェックしにくくなりますから、小さな頃からの習慣づけが大切です。また矯正に関しては、地元だけでなく名護市や国頭村など、県中部から北側の地域からも来ていただいています。地元だと、学校の歯科検診で歯並びを指摘されて来院されるお子さんも多いですね。保護者の方の矯正への関心も高まっていて、知識がある人が増え、質問されることも多くなりました。

患者を家族と思い、将来を見据えた診療を提供

診療ではどんなことを心がけていますか?

上運天智先生 上運天歯科矯正歯科3

地元ということもあり、患者さんを家族と思って、自分の家族にするような診療を提供するように心がけています。パッと見て悪い場所だけを治療するのではなくて、その患者さんの将来を考えた診療を行うようにしています。特に小児矯正は患者さんのお口の中の成長を考えて治療する必要がありますから、大事な視点です。患者さんに説明をする際にも「自分の家族だったらこうします」というふうにお話しすると、だいたい皆さんが納得してくださいます。トラブルを避けるためにも事前の丁寧な説明はとても大切ですね。田舎ですし、特に私たちには地元ですから、良くも悪くも、噂がすぐに広まります。言い換えれば、真面目に良い治療を行えば地元のみんなの信頼を得られるということです。

矯正は子どものうちに開始したほうが良いのでしょうか?

小さいうちに治療を開始すれば、早めに終えられることもありますね。まずは矯正専門の歯科医師に相談してもらって、開始のタイミングを判断してもらうことから。専門家から見て、「様子見で大丈夫」ということもあれば、「スタートしたほうがいい」ということもあります。いずれにしても、小さい頃から専門家に歯並びを管理してもらい、適切なタイミングで矯正をスタートできれば期間や費用を抑えやすいと思います。当院ではワイヤー型のものをはじめ、さまざまな装置を用意していますが最近増えているのがマウスピース型の装置を使った矯正です。小さい時にこの装置を使って矯正を開始すれば、ワイヤーと比べて期間や費用が抑えられるケースがほとんどです。

マウスピース型装置を用いた矯正について詳しく教えてください。

上運天智先生 上運天歯科矯正歯科4

マウスピース型の装置は自分で取り外しができて、1日20時間装着し、2週間に1回新しい装置に交換します。ですから食事と歯磨き以外は装着しているイメージです。きちんと使えれば、装置の取り換えのペースが1週間に1回になっていき、だいたい1年半で終了です。昔からあるワイヤー型と比べると、時間・費用が少なく済む以外に、痛みが少なく、見た目にもわかりにくい特徴があります。特にワイヤーはブラケットをつける時に歯に接着剤をつけるので、ブラケットの周りが虫歯になりやすかったり、外した時に白っぽくなっていたりしますが、その心配もほとんどありません。その代わり、取り外しが自由な分本人や家族の意思がものを言います。お子さんの場合は、その子の性格も考慮して、お母さんにはメリット・デメリットをきちんと説明した上で方法を決めてもらいます。成人矯正でも、その方の状態や要望などに合わせて装置を使い分けます。

患者が一生自分の歯で噛めるように

先生はなぜ歯科医師の道に進まれたのですか?

上運天智先生 上運天歯科矯正歯科5

父方の祖父が白内障のために40歳くらいで視力を失っているんです。今でこそ白内障の手術はポピュラーですが、当時は高額で、お金がなくて手術を受けられなかったそうです。その話を父からよく聞いていて、次第に医学に興味を持つようになりました。実は歯学部に入るまでには紆余曲折があって、最初は医学部をめざし、その後進路変更して教育学部に進学して卒業したんです。でもやはり諦めきれず、勉強をし直して兄が進学した鹿児島大学歯学部に入学しました。父に後押しをしてもらい、兄も鹿児島の家に在学中は下宿させてくれて、家族みんなの応援があったからこそ今があると感謝しています。

兄弟で開業したことによる相乗効果はありますか?

私だけだったら矯正には手を出せなかったでしょうね。専門性が高い分野ですから、パッと見は簡単に治療を進められそうに見えて、実は難しいケースだということもあります。私では簡単か、難しいかの判断もできませんから、兄の存在は大きいです。また矯正はどうしても敷居が高く、興味があっても躊躇する方も多いと思います。当院の場合は一般歯科があることでハードルが下がり、最初は虫歯の治療や予防目的の通院からスタートして、その後矯正に興味を持たれるケースも多いです。矯正歯科は最初は患者さんがほとんどいないところからのスタートでしたが、今では半分近くが矯正の患者さんです。中北部に矯正歯科が不足していたのでいずれ増えていくとは思っていましたが、マウスピース型装置を用いた矯正が広く知られるようになって、矯正がより身近になったようです。

今後の展望をお聞かせください。

上運天智先生 上運天歯科矯正歯科6

当院がめざしているのは、子どもの頃からお口の中を管理して、患者さんが一生ご自分の歯で噛めるようにすること。補綴物や入れ歯などの人工物はできるだけ使わないで済むように、口腔内の環境を整えたいと考えています。歯は一回削ってしまうと元には戻りませんから、一般歯科ではなるべく虫歯は削らない方針。小さい虫歯は進行しないように管理していきます。最初は小さな詰め物でも、最終的に歯を失ってしまう可能性が高いからです。また矯正歯科では広範囲の患者さんに来ていただいていますが、これからもお一人お一人に専門的で高度な矯正を提供していく方針です。今年は口腔外バキュームを新たに導入し、感染症対策も徹底していますので、困ったことがあれば安心してご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

ワイヤー矯正(小児)/33万円~、ワイヤー矯正(成人)/75万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/44万円~、マウスピース型装置を使った小児の咬合誘導/8万6500円~、矯正相談/1100円

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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