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廣瀬 洋一郎 院長の独自取材記事

あかなべひろせクリニック

(岐阜市/岐南駅)

最終更新日:2024/05/10

廣瀬洋一郎院長 あかなべひろせクリニック main

「あかなべひろせクリニック」は、内科、消化器内科を専門とするクリニックだ。祖父の代から医師という家系で育った廣瀬洋一郎院長は「困った人を助けたい」という気持ちが自然に芽生え、「町のお医者さんになろう」と決めて医師の道へ。勤務医時代は、がんの手術を行う外科や救命救急の場にも身を置き、一刻を争う症例にも対応するなど、オールラウンドに診られる医師として経験を積んだ。「町のお医者さん」という初心を今も忘れず、患者が話しやすい診療スタイルを心がけ、毎日こなす内視鏡検査は「苦痛や痛みのないように」と一人ひとり丁寧に行っている。インタビューでは、一言ひとこと一生懸命考えながら話してくれた、真面目で穏やかな先生だ。

(取材日2018年5月17日)

困った人を助ける、父のような医師をめざして

先生が医師をめざされたきっかけや開業までの経緯を教えてください。

廣瀬洋一郎院長 あかなべひろせクリニック1

私は長良川の近く、柳ヶ瀬の辺りで育ちました。私が医師になったのは、祖父も父も、また親戚にも医師がいて、割と身近な職業だったことも影響していると思います。子どもの頃、父は日曜日でも仕事に行くことが多く、のんびりした時代ということもあるでしょうが、私も一緒に行き、大学病院の医局の若い先生たちに遊んでもらったことを覚えてます。中学生ぐらいから仕事として医師を考えるようになり、大学は東京にある日本医科大学へ。卒業後は付属病院や関東圏の病院で11年間、その後岐阜県内や愛知県一宮市の病院で5年間勤務し、この建物のオーナーさんとのご縁を得て、2008年12月、ここに開業しました。

どんな医師になりたいとお考えでしたか?

父をはじめたくさんの先生方のお姿を見ていて、「町のお医者さん」になりたいと思っていました。それは今も私の根幹にあります。専門的な治療をする病院と違い、開業医のところにはさまざまな症例の方が来られます。適切な初期判断をするには内科的な知識も外科的な知識も、さらに救命救急の知識もすべて必要だと考え、まずは体力的にきついと思われる外科を専門に選びました。関東では、胃がんや大腸がん、胆石症など消化器外科疾患の手術に携わり、救命救急の現場では一刻を争う重篤な症例にも直面しました。その頃から内視鏡検査や治療も行っていましたが、岐阜へ戻ってからは完全にメスを置き、一般内科や消化器内科疾患をメインとした診療に従事してきました。いろいろな科で学ぶことができ、医師として良い経験になったと思います。

先生から見た、お父さまのお姿とはどんなふうだったのでしょう?

廣瀬洋一郎院長 あかなべひろせクリニック2

父は眼科の医師だったのですが、ご友人や付き合いのある人たちから専門以外のことを聞かれることもよくあり、その都度、自分で調べたり、専門の先生に聞いたりして一生懸命に答えていました。困っている人の不安を解消し、少しでも助けになればと思っていたのでしょう。相手の安心した声を聞くと、にこにこしていましたね。そんな姿を見て、私も、まず自分でできるだけのことを全力ですることが大事なんだと思うようになりました。できることはやり、それ以外は適宜、専門の医師に紹介するのが「町のお医者さん」です。私も医師になって初めて「先生のおかげで、すぐ専門の治療を受けることができました」と言われたときはうれしかったです。父は私に後を継ぐようにとも言わず、好きなようにやらせてくれました。そのことはとても感謝しています。

極力痛みの少ない、また受けたい内視鏡検査を実践

こちらにはどんな患者さんが来られていますか?

廣瀬洋一郎院長 あかなべひろせクリニック3

お子さんからお年寄りまで、症状は千差万別です。中でも多いのは30~60代の働き盛りの方でしょうか。専門が消化器内科ですので、胃が痛いとか下痢が続くという方や、吐き気を催すという方もいらっしゃいます。どなたにも来やすいと思っていただけているのでしたら、ありがたいです。またお母さんが病気で、お子さんを連れてこられることも多いのですが、お子さんは大抵クリニックが怖いので、小児科の先生にコツを聞いて、あえてお母さんとだけ話すようにしています。そうするとそのうちに「敵じゃない」と認識してもらえて私に寄ってきたりするのです。実はこれはとても大事なことで、いざ他のクリニックへ行っても泣かないでいられるのではないかと思いますよ。そんなこともあるので私は白衣ではなくブルーのメディカルウェアを着ているんです。

先生は内視鏡検査がお得意と伺っています。

はい。胃も大腸も内視鏡検査は、痛い・怖いというイメージがありますね。実際にやってみて本当にそうだったら、もし今後また検査が必要なときにやりたくない、と思ってしまいます。そうなってはいけませんので、検査をいかに楽に行うかを非常に大事にしています。「ここで検査して良かった」「もう1回やってもいい」と思っていただくため、前処置室からリラックスしていただけるようパーティションでプライバシーを確保し、チェアの前にはテレビを1台ずつ設置しました。検査の途中で便意を催すこともありますので検査室のすぐ隣には、検査の方専用のトイレもあります。検査後にはアンケートをお願いし、検査について、また私やスタッフについてもご意見をいただいています。反省点があるときは、改善に向けてみんなで話し合っています。

検査で心がけていることは?

廣瀬洋一郎院長 あかなべひろせクリニック4

胃カメラは、嘔吐反射が少なく苦痛を感じにくいように、経鼻をメインとしています。鎮静剤を使わない場合には、検査後そのままお帰りいただくことや、仕事に戻っていただくことも可能ですよ。大腸カメラは、人によって大腸の曲がり方も苦痛の感じ方も違いますので、この方の場合はどうか、いかに早く見抜くかが重要になります。カメラを持つ私の右手の感覚、モニターの画像、そして外科にいた頃に目の当たりにした臓器の位置関係などの知識を総動員して、力技でなく工夫で、鎮静剤などをなるべく使用することなくできるだけ痛みのないように検査することを心がけています。スタッフも患者さんが緊張しないよう、優しくお声かけを行っています。

「引き出し」を持ち、正確な鑑別診断を心がける

先生は勤務医時代、外科も内科も勉強されて大変だったのですね。

廣瀬洋一郎院長 あかなべひろせクリニック5

学生時代にサッカーをしていて体育会系でしたので、ハードなことには抵抗がなかったのです。私が研修医の頃は「見て技を盗め」という時代です。とにかく患者さんを診ないと何も覚えられませんので、自分の意思で病院に寝泊まりし、こういう病態があったら見せてください、とお願いして現場に立ち会って勉強しました。現場を踏んだ数には自信がありますね。1つだけ教えてもらったのは、“常に複数の可能性”を考えろ、ということ。例えば冬で高熱が出た方には、インフルエンザのほかにも扁桃炎や肺炎、胆管炎、腎盂腎炎(じんうじんえん)などの可能性を考えるのです。すべてのケースに当てはまるわけではありませんが、こうした鑑別診断ができる引き出しが複数あることが、今も大いに役立っています。

改めて「町のお医者さん」である開業医として大切にしたいことは?

大きな病院は専門の治療をするところであり、以前は私もその立場にあったのですが、開業医は症状をチェックして、薬が有効か、速やかな専門的な治療、手術が必要かどうかを適切に判断し、必要なら速やかに適した病院に紹介することが重要です。健診で引っかかった人がすべて重篤な病気ではありませんが、その中で重篤な方を見逃さず、そうでない方にはそうでないことを、そして今後どうしていくかを丁寧に説明するべきだと思っています。例えば胃が痛いという方に検査をして「胃は問題ないですよ」と言えば終わりかというとそうではありません。なぜ痛いのか原因を追究し、それをきちんと説明する。つまり、その方の一番つらいことに対し答えを出して差し上げることが、開業医としての私のスタンスです。

開業されて10年、今後についてもお聞かせください。

廣瀬洋一郎院長 あかなべひろせクリニック6

何か困ったら、お気軽に相談に来ていただければいいなと思います。困っているけど何科に行ったらいいのかわからなくて1人で悩んでいるとか、病院で「薬を飲んで様子を見ましょう」と言われたので良くならないけど我慢している、ということではいけません。来ていただければ、全力で診察させていただきますよ。幸い、当院のスタッフは人のいい、気のいい人がそろっています。これからもクリニック全体で、この診療姿勢を大切に、より精度を高めながら、より多くの方の健康をお守りできればと思います。

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