松永周俊院長の独自取材記事

松永歯科医院

(茅ヶ崎市／茅ケ崎駅)

最終更新日：2024/04/01

出身地である茅ヶ崎で地域医療に貢献したいとの思いで、松永周俊院長が2000年に開業した「松永歯科医院」。今や近隣だけでなく、市内の各所から多くの患者が日々足を運ぶ。診療では患者の要望を最優先に考え、総合的な治療を行っているのが特徴。スタッフ教育など患者からは見えない部分の努力も決して怠らず、価値やメリットのある歯科医療の提供に努めている。松永院長は謙虚な雰囲気がある一方、歯科医師としての自身のスタンスが明確な人物。コンビニの数よりも多いといわれる歯科医院を運営する上で、患者とのコミュニケーションや付き合い方をとりわけ重視しているという。そこで取材では、クリニックの特徴や取り組みはもちろん、松永院長の診療スタンス、患者や読者に伝えたいことなども聞いた。

（取材日2023年8月24日）

多様な要望に柔軟に対応する地域に根差した歯科医院
説明重視の診療で、医療の質向上に歯科医院全体で注力
受診される方ができるだけ“元をとれる”治療が目標

多様な要望に柔軟に対応する地域に根差した歯科医院

初めに、クリニックと先生ご自身のことについて教えてください。

私は東北大学歯学部を卒業後、神奈川県内や埼玉の歯科医院で診療経験を積みました。いずれは地元である茅ヶ崎で地域の皆さんのお役に立ちたいと考えていましたので、各勤務先で治療や経営について学び、2000年にこちらで開業した次第です。診療は一般歯科が中心で、虫歯や歯周病の治療、過去に入れた詰め物やかぶせ物の調整などに幅広く対応しています。ありがたいことに、患者さんは近隣の方だけでなく、隣町をはじめ市内の至る所からいらっしゃいますね。また予約に関しては、多くの方が日常的に使用しているアプリケーションを介したウェブ予約が可能です。24時間、ご都合の良いタイミングでいつでも予約が取れるのが特徴で、実際に真夜中に予約が入ることもよくありますよ。

特に力を入れている治療などはありますか？

根管治療をはじめとする「神経の治療」に取り組んでいます。根管治療は相応の技術が求められる難易度が高い治療です。そのため当院では、根管の長さの測定や根管の拡大・形成ができる機器を導入し、精度の高い処置に努めています。根管の形には個人差があり、大きく湾曲しているものほど治療が困難なのが特徴です。しかしこちらを使えば、患部を拡大した上で、熟練の歯科医師が手先を動かしているかのような繊細な処置をめざせます。感染部位を取り残さずしっかり治療できた場合、その歯は半永久的に使い続けられることが望めます。また、根管治療後には詰め物・かぶせ物の治療も大切ですので、こちらも同様に重視しています。あとは患者さんのご要望に応じて、歯列矯正やホワイトニングなどにも柔軟に対応しています。

歯列矯正は小児・成人ともに受けられますか？

はい、当院では両方とも実施しているため、親子でのご来院もしやすいと思います。矯正はお子さんの健やかな成長を促すだけでなく、大人の方のコンプレックスの解消や、虫歯・歯周病リスクの低減にもつながるメリットの多い診療です。矯正方法も患者さんの意思や症状に合わせて数多くご用意しており、従来からあるワイヤー矯正をはじめ、透明なマウスピース型装置を用いた矯正や、歯の裏側にブラケット装置をつけて歯を動かすリンガル矯正なども行っているのが特徴です。診療方針に関しても、「通院回数を減らしたい」「なるべく痛くない方法がいい」などのご要望があれば遠慮なくお申し出ください。

説明重視の診療で、医療の質向上に歯科医院全体で注力

特に矯正では、患者さんとのビジョンの共有が大切かと思います。

本当にそのとおりで、患者さんは矯正後の状態をイメージしにくいものです。そのため当院では矯正の前にカウンセリングを実施し、じっくりコミュニケーションを図っています。矯正で特に多いのは、出っ歯を治したいというご要望。しかし上の前歯の出っ張りを改善しようと矯正を行うと、前歯の角度が変化したことによって今度は歯茎が目立ったり、下の歯が隠れたりと全体の見え方が大きく変化することが考えられます。当然、患者さんはそうなるだろうと事前に把握しておりません。だからこそ説明が重要で、歯列矯正によってどのような変化が起きるかなどを時間の許す限りお話ししています。

歯科治療全般における同院の診療スタンスを伺います。

「最新の設備がそろっていること」や「スタッフの多さ」に魅力を感じる方も多くいらっしゃるかもしれませんが、当院では「患者さんのご要望を優先すること」を第一にご提供しています。保険診療だけでなく、過去に他院で受けられた治療に十分に満足できず、ここで自由診療を受けたいと希望される方などにも親身に対応しています。ただ人間同士ですので、患者さんと歯科医師とでどうしても合う・合わないは生じてしまうでしょう。そう考えているからこそ、実際に当院を受診した後に他院へ行かれることも決して否定はいたしません。長くお付き合いできる関係を築くのが、患者さんにとっても歯科医師にとっても理想ですからね。うれしいことに、当院にも20年以上通ってくださっている方がいるんですよ。

より良い歯科医院づくりのために取り組んでいることはありますか？

スタッフの知識量を増やすために、勉強会を毎週開催しています。長期的な目線で見たとき、それが医療職としての適切なサービスになると考えているためです。当院のスタッフには、わからない・できないといって目の前の仕事を投げ出してしまうような人はいません。何にでも取り組もうとする姿勢があるスタッフがそろっており、勉強会では歯科治療に関することはもちろん、社会保障など医療制度についても取り上げみんなで学びを深めています。これは患者さんからは見えない部分でしている努力であって、わざわざ知らせるほどのものではないと思うんですがね（笑）。

受診される方ができるだけ“元をとれる”治療が目標

先生が考える、より良い歯科医院の選び方を教えてください。

ご自身の目的と、歯科医院の強みが合致しているところを選ぶのがお勧めです。例えば、あまり設備が整っておらず行くのに不便な場所にあるけれど、その土地でしか堪能できないお湯が湧いている天然の温泉があったとします。しかし「そこにしかない」という価値や魅力を理解せず、行きにくい、サービスが悪いなどと感じるのはちょっと違うと思うんです。歯科医院も同様で、「この歯科医院はこういう点に不満があるな……」と感じた場合、もしかしたらご自身の要望を求める先が違っているだけかもしれません。ぴったりの歯科医院を見つけるためにも、ご自身が重視すること、求めるものをはっきりさせた上で受診先を決めたほうが失敗がないでしょう。

ほかにも、読者に事前に知っておいてほしいことなどがあれば教えてください。

今はインターネットを使って誰でも手軽に検索できる時代ですが、だからこそ情報に踊らされないよう注意していただきたいと考えています。メリットだけでなくデメリットもきちんと理解することが重要で、私も一人の医療者として、患者さんに過度な期待を持たせるような発信をしないよう日々気をつけています。インターネットの情報の中には、すぐに治りそうだとか、麻酔が当たり前に効くのだと勘違いしてしまうような内容も珍しくありません。しかし実際は時間が必要な難しい治療もありますし、麻酔も患者さんの体質や室温といった外的環境によって期待できる効果も変化するのです。当院が説明に注力しているのにはそのような理由もあり、麻酔も院内でできる最大限の配慮の上で実施しています。

最後に、今後の展望を踏まえた読者へのメッセージをお願いします。

せっかく治療するのであれば、変化やメリットがきちんと伴わないといけません。歯科医院を運営するにあたって利益も大切ですが、それ以上に、患者さんができるだけ“元をとれる”治療を大事に考えています。例えば歯が痛くて受診した方に良い治療をご提供できれば、口腔機能の回復や、ご自身の歯を長く使い続けることが望めるようになります。かなり悪くなってしまった歯も、もう一度噛める状態をめざす。これをご本人のご希望にもしっかり寄り添いながら誠心誠意診療にあたっています。今後は必要に応じてリニューアルも行い、一層メリットをもたらせる歯科治療をめざしますので、お口のお悩みがありましたらぜひお越しください。