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半田 貴雄 院長の独自取材記事

こころ歯科クリニック

(安中市/安中駅)

最終更新日:2022/08/29

半田貴雄院長 こころ歯科クリニック main

軽井沢方面JR信越本線・安中駅から国道18号を高崎方面に向かって車で5分ほど、スーパーマーケットの一角で2006年から診療を続けている「こころ歯科クリニック」。院長半田貴雄先生は、地元・安中市出身だ。父も祖父も歯科医院を開業していたのに、あえて継がずに勤務医経験から自力で開業したという院長。群馬大学病院口腔外科と開業クリニックの両立、テナントビルの都合などで移転や閉院を余儀なくされたものの、地元に帰ってからは間もなく16年を迎える。同院開業までの道のり、患者の意思を尊重し人間関係を大切にする思い、実家を継がなかった事情など、ざっくばらんに本音を語ってくれた。

(取材日2022年4月21日)

休日診療も行っている地域の人に愛されるクリニック

クリニックの特徴についてお聞きします。

半田貴雄院長 こころ歯科クリニック1

当医院は大型スーパーマーケットの中にあり、駐車場も広いため、女性・家族連れでも安心して受診できます。家族で来院した際には買い物をしながら待つこともできます。また、新型コロナウイルス感染症に対しても、常に機器をはじめとする消毒を徹底して常に患者さんに安心してもらえる医療を提供できるよう取り組んでいます。治療面ではレーザー治療を併用して通院期間を短縮できるよう対応しております。急に歯が痛くなることも多いので、土日も診療を行って急患対応をさせていただいております。お薬に関しても土日は薬局がお休みなので、患者さんのスケジュールに合わせてすぐ服用していただけるように、院内処方を行っています。また、当院では幅広い分野を診療しますが、中でも小児歯科ではお子さんが歯科を嫌がらないような治療を心がけています。

患者さんはどんな方が多いのでしょうか。

やはり週末しか時間が取れない方は多いです。もともと歯科治療の苦手な方が、虫歯や歯周病の症状がひどくなり、仕事の休日にようやく重い腰を上げて来院されるパターンも少なくありません。特に日曜は、他に診療している歯科医院が少ないせいか、強い痛みや腫れを我慢できなくなって急患として来院される方がよくいらっしゃいます。診察させていただいて、当院で対応できるものは治療および処置をしますが、かなり進んでしまったものや手術が必要なレベルのものは、応急処置だけ行って、口腔外科のある近隣の基幹病院を紹介するようにしています。患者さんの年齢層としては、子どもから高齢者まで幅広く通われています。また、他の医院で対応できなかったお子さんや障害がある方もよくいらっしゃいます。

診療の際に大切にしていることはありますか?

半田貴雄院長 こころ歯科クリニック2

スーパーマーケットは地域にお住まいの方々にとって欠かせない施設であり、またその中にある患者さんにとっても歯科医院も同様に健康的な生活にとって欠かせないものと考えているため、極力余分な費用と時間がかからないような治療を心がけています。また、なるべく入れ歯にならないプランを提供、そして、可能な限り保険適用でできる治療内容を提示し患者さんのご希望そえるようにしています。細かいところまで「こっちもあっちも虫歯ですから治しましょう」ということはありません。患者さんが「この歯はぐらぐらしているけど、できれば抜きたくない、どうにかならないですか」と言われたら、当面なんとかもたせるような処置対策をして、余裕がある時にしっかり治療しましょうとご提案しています。

子どもの頃からの口腔内ケアが大人での虫歯を減らす

治療範囲を広げないスタンスの歯科医院は、最近少ないような気もします。

半田貴雄院長 こころ歯科クリニック3

最近は、不景気や新型コロナウイルス感染症の関係で仕事を辞めざるを得ない人もいます。そのため、通院が難しくなる場合もありますしね。それでも、患者さんの本音としては1本でも自分の歯を残したいものですから、もう少し使えそうな歯はできる限りの処置をして「この歯はいずれ駄目になると思うけれど、もうしばらくは大丈夫」とお伝えすることもあります。ただ、治療内容を絞るにも限度がありますし、お口の中全体を健康に保つためには、残しておいてはいけない歯もありますから、そこがまた難しいところなんです。

子どもの治療をする際には、どんなことに気をつけていますか?

僕、子どもとお年寄りには好かれるんですよ。あと、なぜか犬にも人気があるんですよ(笑)。 「この人は攻撃しないな」って思えるような雰囲気があるのかもしれませんね。特に子どもに対しては、第一印象を大切に考えて接するように気をつけています。初めて話をする時は、僕は座って、子どもと同じ目線になって話をします。一人で椅子に座っていられない子は、親御さんに抱っこしてもらって、一緒に診療台に座ってもらうこともあります。そのほうが、押さえつけて治療するよりも無理がないですよね。3歳~6歳ぐらいの「こわい」「痛い」という記憶は残るので「トラウマ」にならないように気をつけています。これが大人になってからの虫歯の数に関係すると思うからです。

歯科医師を志した理由を教えてください。

半田貴雄院長 こころ歯科クリニック4

僕はもともと安中の生まれで、小学校から高校まで安中で過ごしました。小さな頃に前歯が欠けてしまって、歯を補うために使った素材が原因でいじめにあった経験があります。当時は今ほど歯科技術が進んではいなかったので、白い歯ではなく、金属のふちがついた銀歯をはめて生活をせざるを得ませんでした。その事がきっかけで、将来的に自分と同じように歯で困ってしまっている方々の力になりたいと思い、歯医者になる決意をしました。大学進学時に地元を離れて歯科大学に入学し、卒業後は東京や埼玉の歯科医院で腕を磨いて、開業のタイミングで群馬に戻ってきました。

治療を通じて人と人との温かい関係をつくりたい

それでご自身で開業されたのですね。

半田貴雄院長 こころ歯科クリニック5

大学を出て歯科医師になって、最初に勤めた歯科医院が2年くらいで廃業してしまったので、僕も自分で開業することにしました。埼玉に開業した自分の歯科医院で働きながら、群馬大学医学部の口腔外科にも所属して、2足のわらじを履いていたのですが、通勤が大変で無理がたたって歯科医院のほうは一度、畳むことになりました。その後、吉岡にあった大手ショッピングセンターであらためて開業することになり、そこで「こころ歯科」として診療を始めました。ところが今度は、その大手ショッピングセンターが移転することになってしまい、どうしたものかと考えていたところ、現在の当院があるこの場所が見つかったので、移転してきました。以来15年ほど、ここで診療を続けています。

休日はどんなふうに過ごされていますか?

埼玉にいた頃までは、サーフィンやダイビングが好きで、たまに休みになると朝早く電車で鎌倉に行って、海で遊んでいました。こちらに来てからは週末も仕事ですし、平日も休みが少ないので、院内の雑用に追われています。最近は何をしているかというと、「Do It Yourself」。DIYが好きで院内の改装をやっています。これからしばらくはブラインドと床を張り替える予定なので、今ちょっと院内のあちこちに材料の入った段ボール箱があって、お見苦しいかもしれません。

読者や患者さんに伝えたいことがあればお願いします。

半田貴雄院長 こころ歯科クリニック6

僕がやりたかったのは、患者さんやスタッフみんなと仲良く楽しく治療できる歯科医院で、ありがたいことに今はそんなふうになってきているので、事業を広げたいといった気持ちがないんです。大事なのは歯の治療を通じて人と人との温かい交流をしていくこと。世間話や悩み相談が好きで患者さんとも話が長くなりがちですが、次の患者さんが待っているからとスタッフに怒られることもあったりします。僕は患者さんの意思を尊重して無理な治療は提案しないので、患者さんご自身のケアによっては、せっかく治療した歯をまた悪くしてしまうこともあるかもしれません。それでも、気軽に通えて話しやすい雰囲気を守るほうが大事かなと思っています。これからも地域に密着して、歯の治療だけでなく心の治療もできるクリニックをめざしています。

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