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三井 崇 院長の独自取材記事

ローズベルクリニック

(可児市/新可児駅)

最終更新日:2024/01/15

三井崇院長 ローズベルクリニック main

可児市の北部、下恵土に建つ「ローズベルクリニック」。愛知・岐阜県を中心に産婦人科や小児科のクリニックを展開する医療法人グループの1院で、クリニック同士の連携による質の高い医療サービスが強みの一つだ。三井崇院長はじめ複数の医師が在籍しており、分娩や急患には24時間体制で対応。同院に在籍する小児科医はNICUのセンター長も経験した新生児医療の経験が豊富な医師で、妊娠中から連携する。「大きなグループとしての良さを生かす一方、妊婦さんそれぞれの思いや家族背景に寄り添うことを大事にするよう心がけています」と話す三井院長は、物腰がやわらかく優しい口調のドクターだ。自然分娩はもちろん無痛分娩や帝王切開、さらに婦人科の悩みや不妊治療まで幅広く受け入れている同院。その特徴や診療体制について話を聞いた。

(取材日2023年12月8日)

法人の強みを生かし質の高い安全な医療を追求

グループ法人ならではの強みとはどのようなことでしょうか?

三井崇院長 ローズベルクリニック1

当院は、愛知・岐阜県を中心に20以上の産婦人科や小児科のクリニックを持つ医療法人の中の1院です。グループ全体で多くの医師がいますので、相談や意見交換ができることや、安全性を重視した先進の治療法を共有できることがまず強みといえます。麻酔科専門の医師もいますし、産婦人科や小児科の中でも、不妊症、腹腔鏡下手術、漢方薬、小児の発達障害など、より専門的な治療を得意とする医師がいますので、もし自分が個人クリニックだったら迷ってしまう症例もすぐに相談し対処することができます。法人内で学会の指針に則った標準治療のマニュアルがベースにあり、その上に先進の知識や技術、治療法なども取り入れているため、総合的に見て、安心・安全に配慮し質の高い医療の提供が望めることが強みといえるでしょう。

こちらの診療体制について教えてください。

当院の常勤としては私ともう1人の男性医師に、小児科の医師が1人います。他に複数の非常勤医師がおり、週1度は女性の医師が外来を担当します。産婦人科エリアと小児科エリアは渡り廊下でつながっており、いつでも赤ちゃんの健康状態のチェックや診療を受けることができます。中には、おなかにいる時から赤ちゃんに問題があると心配されるケースもあり、それを妊娠中から産婦人科、小児科で協議することができます。小児科の医師は岐阜県立多治見病院でNICUの責任者を務めた経験もある新生児医療のスペシャリスト。大きな病院に転院せずとも、身近な当院で産前産後を過ごすことを望む妊婦さんには安心していただけると思います。

無痛分娩にも対応していらっしゃるのですね。

三井崇院長 ローズベルクリニック2

はい、無痛分娩は基本的に硬膜外鎮痛法によりお産の痛みの軽減を図る分娩方法です。痛みに応じてご自分でも麻酔薬を追加することが可能で、落ち着いて出産することが期待できます。お母さんの心と体の負担軽減が望めることがメリットですが、分娩の進みが遅くなる心配や、プラスの費用がかかるといった面があります。こちらから強く勧めることはありませんが、当院では4人に1人の方が選択されており、近年増加傾向にあります。麻酔の安全性についてもしっかり説明し、診察や助産師さんとの話し合いの中で、どんなお産にしたいか考えてもらい、最終的に妊婦さんに決めていただきます。分娩が始まってから想像以上に痛みが強くて麻酔を希望された場合も、可能な限り対応できるように体制を整えています。

助産師などスタッフが団結し妊婦をフォロー

妊婦さんの気持ちを大切にされているのですね。

三井崇院長 ローズベルクリニック3

特に初産の方は、陣痛も分娩も不安、麻酔も不安、また出産後の子育てまですべてに漠然とした不安を抱えておられますので、一つ一つ何が心配なのかを丁寧に聞き取り、不安要素を明確にして解決方法を考えていきます。その点は、助産師が一生懸命対応してくれていますね。妊娠中に原則3回、助産師と話す機会を設けており、助産師がじっくりと耳を傾けています。ご主人や上のお子さんと一緒に赤ちゃんを迎えたいという方には立ち会い出産も可能です。他にも、経産婦で1人目は帝王切開だったが2人目は経膣分娩で生みたいと希望される方もあり、その際はリスクを医師がご説明した上で、お気持ちを大切に、話し合って方針を決めていきます。医療的には「正しい」と思われることでも一方的に決めることはせず、その方の考え方や生活背景をくみ取り、安全性を重視しつつ、できるだけその方の気持ちに寄り添うように心がけています。

助産師さんの存在も大きそうです。

はい、頼れる存在です。妊婦さんの中には精神的、社会的にいろいろなことを抱えておられる方も少なくなく、各種対応機関と連携しながら助産師が積極的にサポートできる手段を考えていきます。助産師は、非常勤を入れて20人以上在籍しており、年齢は20~50代とさまざま。医学的な問題のない妊婦さんに対しては助産師が主導で分娩をサポートします。起こってはほしくないことですが、確率的にやはり年に数回、緊急事態は起こり得ます。そのときのためのシミュレーショントレーニングは医師、助産師ともに取り組んでいます。緊急時、その病状や状態により、当院での処置が難しい場合には、岐阜県立多治見病院や岐阜県総合医療センター、岐阜大学医学部附属病院などの高次医療機関と連携し対応しています。

他のスタッフさんについても教えてください。

三井崇院長 ローズベルクリニック4

手前みそになりますが、当院のスタッフは看護師長をはじめ各部門のリーダーがしっかりしていて、スタッフ間の連携も良いですね。私はとっつきにくいと思われているかもしれませんが(笑)、スタッフ同士は仲が良く、患者さん思いの姿勢も感じられて、当院の誇りと言ってよいと思っています。私は法人グループの責任者の1人としてマニュアル作りにも携わるのですが、その時はスタッフと話し合いながら作ります。皆よく勉強しており、自分自身の成長にも取り組んでいると感じます。

妊婦や患者主体の診療を心がける

他のサポート体制についても教えてください。

三井崇院長 ローズベルクリニック5

当院の入院室は個室で19あり、すべてがトイレ、シャワーつきです。お母さんと赤ちゃん、ご家族にゆっくり過ごしていただけると思います。食事は専任のシェフが作っており、私も昼食や当直の夜に食べますが、とてもおいしいですよ。出産後には赤ちゃんの最初のお友達としてオリジナルのテディベアと写真などをプレゼントしています。出産の2週間後、1ヵ月後には助産師による赤ちゃんの健康状態の確認とともに、お母さんのメンタルチェックを行い、心配事の相談に乗っています。必要と思われる場合は産後ケア入院も受け入れています。他に、母乳相談、離乳食相談、子育て相談の会など産後もフォローを続けます。

先生が医師をめざされ、産婦人科を専門にされたのはなぜですか?

医療に興味があったというより、高校生の頃に医師が書いたエッセイや小説を読んだこともあって医師としての生き方に惹かれました。医学部に入り、当初は外科志望だったのですが、病院での臨床実習で初めて身を置いたのが産婦人科でした。その後いろいろな科を回ったのですがやはり最初の印象が大きくて、卒業時には産婦人科が第一志望に。勤務の中で多くの尊敬できる先生方に出会ったのですが、研修医時代を過ごした小牧市民病院では特にすばらしい先輩方に恵まれました。今思えば、ある程度仕事ができるようになっていい気になっていた私を温かく見守りつつ、その時々に適切なアドバイスをくださいました。どんなに良い治療でも医師の自己満足になってはいけないことや、同じ病気でも一人ひとりの患者さんの性格や生活背景にも配慮して診療することなど、患者さん主体の診療の大切さについて多くを教えていただきました。当時の学びは私の財産になっています。

改めてこちらの特色や、今後の展望についてお聞かせください。

三井崇院長 ローズベルクリニック6

当院には可児市はもちろん美濃加茂市、多治見市、土岐市、他にも数は少ないですが八百津町、東白川村など山間部から1時間以上かけて来院する方もいます。年齢層も10代からご高齢の方までさまざまです。出産は、時にはつらいこともあり、責任も大きいのですが、産婦人科の医師ならではの喜びとやりがいがあります。一方でなかなか妊娠しないという不妊のお悩みにも力を尽くしており、排卵誘発剤から人工授精まで対応しています。また妊娠、出産に関わることだけでなく、婦人科疾患も診ています。これからも地域の女性の人生に寄り添い、安心で高度な医療とサービスの提供をめざしていきたいと思います。

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