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佐久間 利喜 院長の独自取材記事

新栄町歯科医院

(胎内市/中条駅)

最終更新日:2022/04/21

佐久間利喜院長 新栄町歯科医院 main

中条駅から徒歩7分の「新栄町歯科医院」。シックな外観にバリアフリーを表す車いすのピクトグラムを大きく掲示している。同院のロゴマークは歯にもハートにも見える2つの意匠を重ねて、「親子で通院できる」、「乳歯も永久歯も大切に」というメッセージを託している。佐久間院長は勤務医として市中の歯科クリニックで研鑽を積んだ後2001年に開業した。歯科、矯正歯科、歯科口腔外科を標榜し、訪問歯科診療にも対応。マイクロスコープ(歯科顕微鏡)や歯科用CAD/CAMシステムなどの技術を積極的に導入し、精度の高い歯科医療を追求している。今回は、患者や働くスタッフのニーズに合わせて日々柔軟に対応していくバイタリティーが魅力的な佐久間院長に、同院の歩みや診療方針を聞いた。

(取材日2022年3月17日)

自分たちが行きたくなる歯科医院をめざして

このエリアで開業した経緯をお聞かせください。

佐久間利喜院長 新栄町歯科医院1

私は新潟県出身で、実家はここから車で30分ほどなんです。兄が東京で整形外科の医師をしているので、私は地元にいてほしいという親の希望もあり、この町で開業しました。地元と言っても、この場所には地縁がなかったですし、開業当時は29歳の若手でしたから不安もありました。それでも、地域の皆さんに温かく受け入れていただいて20年たちました。当初から予防歯科に取り組みたいと考えていたので、患者さんに「治療が完了しても終わりじゃないですよ。定期的に診せに来てくださいね」とずっと言ってきたんです。それを理解してくれた患者さんたちが口腔ケアを目的に通い続けてくれたり、予防意識の高い方が新規で来院してくださったりしています。

患者さんの年齢層や主訴の傾向はいかがですか。

年齢層は0歳から100歳まで。訪問歯科診療に伺うお宅には107歳の患者さんがいらっしゃいます。3世代で通院されているご家族も多いですし、最近は「ひ孫が産まれたので、よろしくお願いします」という4世代で受診される方もいらっしゃいますね。主訴は、当院は保険診療がメインの一般的な歯科医院なので虫歯をはじめ幅広いです。保険診療でも精度の高い治療はできると考えていますので、最初から自由診療を提案するのではなく、いろいろな治療法があることを説明した上で患者さんに選択していただきたいんです。インプラント治療や歯列矯正は保険診療ではできないですから、患者さんが「保険診療以外の選択肢はないですか」と言われる場合は提案しますが、小さい虫歯の治療で自由診療を勧める必要はないと思っています。

先生からはとても親しみやすく明るい印象を受けますが、そんな先生の診療ポリシーを伺いたいです。

佐久間利喜院長 新栄町歯科医院2

シンプルですが「自分たちが行きたい歯科医院にしよう」をコンセプトにしてきました。自分や家族が安心して受けられる治療を心がけていますし、そのために新しい技術や設備を積極的に取り入れています。そして「患者さんにとって最後のかかりつけ歯科医院になりたい」と思っています。そのつもりで年齢や病気のために通院が困難な方のところへ訪問歯科診療に伺うこともあります。また当院には、過去に歯科診療でつらい思いをした方が結構いらっしゃいます。痛かったり怖い思いをしたりして治療を続けられなかった経験のある方たちです。そういう苦手意識があって歯科診療から遠のいていた方たちに寄り添い、「もう、ここでしか診てほしくない」と言ってもらえたらいいなと思っています。

進化する医療機器や受付システムを積極的に導入

マイクロスコープ(歯科顕微鏡)を早くから導入されていたそうですね。

佐久間利喜院長 新栄町歯科医院3

そうなんです。当院のようにマイクロスコープが5台ある歯科医院は少ないかもしれませんが、患部を拡大して見ることができれば歯内療法という歯の内部組織の処置がしやすくなるんじゃないかと考え早々に導入したんです。セミナーに参加して勉強を重ねていくうちに良い結果を出せるようにもなりました。今は歯科衛生士にも使ってもらっていますし、私も歯内療法だけではなく、ほぼ全部の処置にマイクロスコープを活用しています。撮影できるので、患者さんに大きな画像で「ここに原因がありますよ」と見てもらえますし、治療計画の話も進めやすいです。それに肉眼で患者さんの口をのぞき込むよりもマイクロスコープの画像をモニターで見ながら処置するほうが距離を保ちやすいので、感染症予防対策としても有用ですね。

マイクロスコープの他にも、モニター画面を介して受付業務を行う遠隔接客システムを導入されていますね。

そうですね、こちらは1年半ほど前に導入しました。新型コロナウイルス感染症の流行で非接触、非対面を求められていることもありますし、受付スタッフが2人、同時期に産休に入ることになったんです。そんな時にホテル業界でモニター画面を介してフロント業務を行っている所があると知って、歯科医院の受付にも使えるんじゃないかと考えました。最初は私たちも患者さんも勝手がわからなくて戸惑いましたが、地元で注目されたこともあって、やめるわけにいかなくなりました(笑)。今は患者さんにも認知していただき、活用できています。今後はこういうシステムが労働力不足を補うようになるでしょう。将来はスタッフが育児をしながら在宅で仕事をしたり、通院できない患者さんをリモートで診察するツールとして使えるかもしれないと応用を期待しています。

スタッフの皆さんとの連携で心がけていることはありますか。

佐久間利喜院長 新栄町歯科医院4

当院の歯科衛生士は担当制で、それぞれが自分の患者さんをケアしています。家族で通院されている場合は家族ぐるみで担当しており、一人ひとりの状態を把握して、ホームケア用品についても親身に提案をしてくれています。患者さんからの信頼が厚くて、私から言うより、歯科衛生士たちにアドバイスしてもらうほうが素直に聞いてくれるのではないかなと思うほどです(笑)。でも、私ではなく歯科衛生士に会いに来てくださるのはうれしいですよ。虫歯や歯周病にならないためには定期的に来院してもらうのが一番ですからね。いつも支えてくれるスタッフたちにとっても、働きやすく居心地が良い環境をつくりたいので、まずは有給休暇の消化率を100パーセントにしようという改革に取り組んでいるところです。

毎日、スキルを向上させて患者の信頼に応えたい

院長先生が得意とする治療を伺いたいです。

佐久間利喜院長 新栄町歯科医院5

先ほどお話ししたマイクロスコープを使う虫歯治療は、必要最小限しか削らない低侵襲の処置のほか、ぴったりのかぶせ物を作るのに役立ちます。その他に歯科用CAD/CAMというシステムがあって、これを使うと歯型を採らなくてもかぶせ物や詰め物などが作れるんです。カメラで口腔内を撮影して、そのデータをもとに補綴物を作製する、3Dプリンターのような技術です。歯型を採る際の肉体的負担を軽減できますし、早ければ、その日のうちに患者さんに装着できます。まだ導入している歯科医院は少ないようですが、私は導入を検討されている先生方に指導する立場でもあります。補綴物の精度を追求でき、治療時間を短縮できるシステムですから、さらに活用していきたいと考えています。

印象に残る患者さんのエピソードはありますか。

歯科医師になりたての頃、担当した患者さんにダウン症の女の子がいました。とても優しい子で、私が未熟で治療に時間がかかったけれど本当に頑張ってくれたんです。経験の浅かった私を色眼鏡で見たりしませんでした。今の私を支えているのは、彼女のようにつらい思いをさせた患者さんへの懺悔です。もっと上達して、幅広い治療ができる歯科医師にならなければいけないと思いながらやってきました。未熟だった私を頼りにしてくれた患者さんたちの信頼に今なら応えられると思いますし、明日はもっと応えられるようになりたいです。幸い、マイクロスコープがあると大きく鮮明に見えるので、健康でいられる限りは毎日、向上していきたいと思います。

地域の皆さんや読者へのメッセージをいただけますか。

佐久間利喜院長 新栄町歯科医院6

歯を削る音は誰でも苦手でしょうし、口の中に手を入れられるのは不安ですよね。それでも私を信用して受診してくれるのですから、患者さんの口の健康に責任を持たなければいけないと思っています。ですから厳しいことも言いますよ。年上の方に「禁煙しなければ駄目ですよ」とか、お子さんと親御さんに「虫歯を治しても食生活を変えないと、また虫歯になるよ」というように。患者さんのことが心配ですからね。何でも言える信頼関係を築いて、地域の皆さんの生涯のかかりつけ歯科医院になりたいと思いますので、これからもよろしくお願いします。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/28万円~、矯正/20万円~

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