健康な体をつくるために
歯が生え替わる前に矯正を
あい歯科・こども矯正歯科クリニック
(広島市佐伯区/佐伯区役所前駅)
最終更新日:2024/04/30
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子どもの歯並びや顎の発達が気になったとき、何歳から歯列矯正を始めればいいか悩む保護者も少なくないだろう。「できれば永久歯に生え替わる前の5歳くらいから歯科医院に相談してほしい」と話すのは、「あい歯科・こども矯正歯科クリニック」の田中宏尚院長。同院は子どもの健全な口の発育と予防歯科に注力しており、発育期の子どもには、口と体の健全な発達を促す咬合誘導法を実践している。子どもの矯正と大人の矯正にはどのような違いがあるのか、それぞれの具体的な方法を聞いた。
(取材日2024年3月25日)
目次
早いうちの矯正が健康寿命を延ばすことにつながる
- Q子どもの矯正は、永久歯になってからのほうがいいですか?
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A
当院では、歯が生え替わる前の5歳くらいから始めることを推奨しています。そもそも子どもの矯正と大人の矯正は目的が違います。大人の矯正は歯並びをきれいにする審美的な目的がメインとなりますが、顔が成長している途中の子どもの場合、口腔機能を正常に働かせるために根本から改善を図りつつ、歯並びが整っていくように誘導することが可能です。顔の成長を利用しながら治療を進めていくことで、ゆがみの抑制や、歯並びや顎周りの適切な成長が望め、その結果、将来抜歯に至るリスク軽減につながります。5〜8歳くらいまではこの方法が可能です。口腔機能の適切な成長は呼吸や睡眠の質の面でも重要で、健康寿命を延ばすことにもつながります。
- Q子どもの矯正はどのように行いますか?
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A
まずは矯正相談を受けていただき、ご希望があればお子さんの顎のエックス線検査や型採りなどを行って問題点をピックアップ。それから矯正方法をご説明し、納得していただけたら開始となります。先ほどお伝えした5〜8歳くらいのお子さんに対しては、医療用シリコンで作られたマウスピース型の取り外し式の装置をつけてもらう咬合誘導法を行います。このマウスピース型装置を昼に1時間と、寝ている間に装着してもらいつつ、口腔機能の発達不全を改善するために舌の動き、呼吸、嚥下などのトレーニングを実施。これによって口腔内の成長を利用しながら歯並びを整えることをめざします。
- Q発育期を過ぎた場合の矯正は? 親子で受けることはできますか?
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A
顎の発育期を過ぎた10歳以降のお子さんに対しては、マウスピース型の装置を用いた矯正や、ワイヤーを使ったブラケット矯正など、基本的には大人と同じ歯列矯正を行っていきます。親子で同時期に治療を受けていただくことも可能ですが、先ほどお伝えしたように、大人と子どもの矯正では目的や手段が異なるため、同じように進められるわけではありません。もっとも、歯列矯正には忍耐を要する部分も多々あるので、親子でその困難を共有したり、励まし合ったりできるところはメリットでしょう。矯正をきっかけに親子で口や体の健康について話し合う機会を増やし、一緒にきれいな歯並びをめざしていただければと思います。
- Q大人の歯列矯正の種類についても詳しく教えてください。
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A
マウスピース型装置を用いた矯正は、器具が目立たず、装着中も痛みが少ないこと、金属アレルギーの方も安心であることなどがメリットとして挙げられます。ただし、歯の状態によってはこの方法が不向きな場合もあり、特に抜歯を伴うような重度の方に対しては適応が難しいです。その場合は、ワイヤーを用いたブラケット矯正を検討します。大人の歯列矯正の場合も、事前に丁寧な検査を行い、ご希望を伺いながら方針を決定していきますのでお気軽にご相談ください。
- Q矯正の期間の目安やその後のフォローについて教えてください。
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A
子どもの咬合誘導法の場合は、1年程度から、2年ほどかかります。最初は2週間に1度くらいのペースで通院していただき、その後は1ヵ月に1度程度の検診となります。マウスピース型装置を用いた矯正の場合は2ヵ月に1度程度の通院が必要です。ブラケット矯正はステージによって通院頻度が変わりますが、状態が落ち着いてきたら同じく2ヵ月に1度のペースでOKです。一般的には終了まで3年くらいは継続するとお考えください。矯正中は虫歯のリスクが高まるため、受診時には予防のための検診も受けるといいでしょう。終了後は少なくとも2、3ヵ月に1度は定期検診を受けることを心がけてください。
自由診療費用の目安
自由診療とは発育期の小児の咬合誘導/40万円〜、10歳以降の小児の矯正(ワイヤー矯正)/50万円〜、大人の矯正(ワイヤー矯正)/80万円〜、マウスピース型装置を用いた矯正/50万円〜
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。