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荒井 智子 院長、荒井 卓 副院長の独自取材記事

あらいクリニック

(草加市/新田駅)

最終更新日:2023/04/05

荒井智子院長、荒井卓副院長 あらいクリニック main

2006年の開業以来、医師とじっくり話をしたい人も急患も気軽に受診できる医院として診療を行う「あらいクリニック」。皮膚科が専門の荒井智子院長と、泌尿器科が専門の荒井卓副院長は夫婦ともに話し好きで、取材中も終始さまざまな話に花が咲いた。地域と同院との絆は強く、幼少期からの患者が大人になっても通院し、節目の報告をしてくれるそうだ。小児の皮膚科診療の際は「私は3児の母でアトピー性皮膚炎の子もいるので、自分の子に置き換えるとわかることもあります」と院長。その言葉どおり、診療時は一人ひとりと丁寧に向き合い安心できる説明に心を砕く。今回は同院について深く知るべく、開業の経緯や診療内容、患者への思いなどを2人の医師に聞いた。

(取材日2022年12月21日)

縁に恵まれた場所で、車いす患者にも優しい医院を開業

最初に、お二人のご経歴を伺います。

荒井智子院長、荒井卓副院長 あらいクリニック1

【智子院長】私は埼玉医科大学を卒業後、埼玉医科大学病院で研修医として2年研鑚を積み、皮膚科に入局しました。以降は複数の病院に非常勤で勤務しつつ、開業までほぼ埼玉医科大学病院で診療し、女性医局長も務めました。皮膚科の医師になったのは、専門性の高い分野への憧れがあり、なおかつ幅広く診療できる科だと思ったからです。皮膚から見つかる病気も多く、検査値よりも先に皮膚の状態からリスクを推測できる場合もありますからね。
【卓副院長】私も埼玉医科大学の出身で、卒業後は主に同大学病院と比企郡にある小川赤十字病院で診療しました。当時は同大学泌尿器科への入局者が何年もいなかったのですが、私は「将来は高齢者が増える社会になる」と考え泌尿器科の道に進もうと決めたんです。

この地に開業した経緯も教えてください。

【智子院長】ここはもともと、私の親戚が古くから住む農地でした。土地開発に伴い親戚が医療モールを建設し、周辺に医療機関が少ないからと開業の誘いを受けたのがきっかけです。私は幼少期から、大学の研究医である父と町の医師である叔父を見て育ちました。その中で「自分は地域に根差したかかりつけ医のような存在になりたい」と考えていましたので、良い話をもらえたと思います。モール内には姉の歯科のほかに眼科や小児科もあり、他科の先生と意見交換がしやすい環境です。でも、モール内の医師全員が同じ大学出身だったのは驚きでしたね(笑)。
【卓副院長】私の祖父も青森で往診などを行う開業医で、いずれは自分も地域に貢献したいと考えていました。そのため、院長から声をかけられてぜひやろうと思いましたね。初めは顔見知りがいないだろうと不安でしたが、蓋を開けたらみんな大学の先輩や後輩でした(笑)。

内装や設備でこだわったところはありますか?

荒井智子院長、荒井卓副院長 あらいクリニック2

【智子院長】皮膚科や泌尿器科の患者さんには、車いすをお使いの方も多くいます。そうした方も安心・安全に受診できるよう、院内外ともに完全バリアフリーにしたのがこだわりです。約30台分の車を収容できる駐車場も特徴で、車いす専用のスペースに駐車できない場合でも、ご自身で下車して来院できる造りにしています。院内は老若男女が気軽に立ち寄れて、やけどをした人もそのまま駆け込めるようなカジュアルな雰囲気です。過去の全面リニューアル時に内装も明るい色に変え、日当たりが良く暖かい場所を診察室にしました。昔の泌尿器科のイメージとは違うので入りやすいと思いますし、日光のもとで皮膚の色調を確認できるため診療にもプラスに働いています。

皮膚科と泌尿器科の専門家が多彩な検査・治療を実施

お二人でどのように診療を分担していますか?

荒井智子院長、荒井卓副院長 あらいクリニック3

【卓副院長】それぞれ専門を持ちつつも、開業17年目の現在は私も皮膚科診療に携わっており、院長も泌尿器科の女性患者さんを診ています。判断に困る場合は2人で併診もしますね。異なる分野の専門家2人が協力しているからこそ診療がうまく回っており、難しい病気の治療などで多少時間がかかっても、待ち時間はさほど長引かないと思います。
【智子院長】性病などはまさに皮膚科と泌尿器科にまたがる病気ですね。また、女性患者さんの初診は私が担当するほか、検査で男性医師と2人になることに抵抗がある場合にも同席しています。患者さんのお話を聞くことが、思わぬ診断につながることもあるため、時に診察が長くかかることもあります。ただ、お待たせした分、次の方にもきちんと納得してお帰りいただきたいと考えています。

各診療科の専門性や治療の特徴をお聞きします。

【卓副院長】小さなきっかけから大きな病気を早期に見つける。それが医院の重要な役割だと考えています。早期発見のためには検査が大切ですが、検査結果の分析や診断の精度には専門性が大きく関わります。実際、泌尿器科でないと気づけない症状もあり、例えば前立腺がんの腫瘍マーカー検査では、値の推移を追う上で、専門家でないとわからないポイントがあるんです。私はPSA検査や尿で行う特殊なマーカー検査、尿の勢いを調べる検査のほか、超音波測定装置でも複数の検査を実施し病気の特定につなげています。さらに女性の尿漏れに対し、通常の内服薬に加えて低周波治療器によるアプローチも行っています。

皮膚科はいかがでしょうか?

荒井智子院長、荒井卓副院長 あらいクリニック4

【智子院長】アトピー性皮膚炎の治療に注力しており、診察後は看護師が必ず生活習慣やスキンケア、軟こうの塗り方などを指導します。同じ薬でも塗り方一つで予後が変わるので、そこをより適切にお教えできるのは専門家の強みだと思います。アトピー性皮膚炎は悲観的に捉えられがちですが、適切に治療すればコントロールがめざせます。当院では専門の医師だからこそ提供できる新しい治療法もご用意していますので、お悩みの方はぜひお越しください。若い子のニキビも寝不足などが原因と思われがちですが、実はホルモンも関係しています。そうしたお話をわかりやすくご説明するとともに、親御さんが質問しやすい雰囲気づくりも大事にしています。ほかにも悪性黒色腫といった皮膚がんの診断に役立つ皮膚科の拡大鏡を活用したり、美容皮膚科でのトラブルのご相談に乗ったりしています。

患者の利益や安心につながる診療を大切に

患者さんとはどのような姿勢で向き合っていますか?

荒井智子院長、荒井卓副院長 あらいクリニック5

【智子院長】最終的に患者さんの健康面の利益につながる診療を心がけています。皮膚の病気は治療期間が長く、途中でくじけそうになってしまう方もいます。またご本人が「原因はこれに違いない」と思い込んでいても、実際は異なるケースも少なくありません。さらに、当院で診てほしいと患者さんが望んでも、大きな病院でまとめて検査したほうが良い病気も存在します。だからこそ診療時は言いにくいこともあるのですが、十分な説明を行った上で、患者さんのご要望よりも医学的にメリットといえる方法をご提案しています。その中でライフスタイルなどに合わせて治療法を若干変えており、本来の手順で薬を使えないご高齢者や体が不自由な方には工程を簡略化するなどアレンジしていますね。

卓先生にも同様に伺います。

【卓副院長】泌尿器科にはご高齢の方が多く、中には「年だから」と治療を諦めてしまう方もいらっしゃいます。確かに加齢による衰えはあるものの、薬である程度改善が図れる部分も存在しますので、診療では丁寧な説明を大切にしています。薬の必要性をご理解・実感いただき、治療へのモチベーションを高める工夫として、服用をあえていったんやめる場合もありますね。あと、精密検査のために大きな病院へご紹介する際「もうここでは診てもらえないんだ」と思ってしまう方も多いのですが、決してそうではありません。治療の継続でいい場合は、当院に再び通院いただきます。紹介時は事前に検査内容やおおよその入院期間をお伝えしており、私も病院の先生と直接連絡を取っていますのでご安心いただければと思います。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

荒井智子院長、荒井卓副院長 あらいクリニック6

【智子院長】病気が治るまでの長い過程において、不安や疑問があればなんでもお聞きください。一方、やけどや虫刺され、縫合が必要なケガ、尿がまったく出ない、結石で痛みがあるなどの急患には、診療の順番を入れ替えてでも対応いたします。困ったときに駆け込めるところも当院の良い部分。今後も地域のために、小さなことから一つ一つ取り組んでいきたいと考えています。
【卓副院長】泌尿器科だからこそ前立腺がんや膀胱がん、腎臓がんなどを早期に発見できる事実は、まだまだ周知されておりません。初期治療によって良くなる可能性も十分にありますので、がんを見逃さないためにもぜひ専門家を頼ってくださいね。

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