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池田 剛 院長の独自取材記事

白塚いけだクリニック

(津市/白塚駅)

最終更新日:2023/11/14

池田剛院長 白塚いけだクリニック main

近鉄名古屋線白塚駅から徒歩12分、白塚漁港の近くにある「白塚いけだクリニック」。へき地医療の豊富な経験を持つ池田剛医師が院長を務め、内科から消化器内科、外科、肛門内科、リハビリテーション科 、循環器内科まで幅広い診療に対応。夜間や休日も連絡を受けつける献身さで、長年地域の健康を支えている。患者の些細な変化も見逃さずに病気の早期発見につなげることに努める鋭い観察眼の奥に、池田院長の温かな人柄が垣間見えた。今回は、薬の勉強にも熱心に励む地域の頼れるドクター、池田院長に話を聞いた。

(取材日2023年9月26日)

へき地医療で培った経験を地域医療に生かす

クリニックの特徴を教えてください。

池田剛院長 白塚いけだクリニック1

もともと私は三重県の紀南病院と尾鷲総合病院でへき地医療に従事していました。専門は外科ですが、尾鷲では、内科や眼科、耳鼻咽喉科の先生にもいろいろと教えてもらったり、私が麻酔をかけて整形外科の手術の助手をしたりすることもありました。それらの経験を生かし、さまざまな疾病に対応するかかりつけ医でありたいと思っています。また、がん治療に興味があり、今でも訪問診療で終末期ケアを行っています。患者さんのほとんどは白塚にお住まいで、年齢は65歳以上が多いですね。尾鷲と同じく、白塚も漁師町なので、親近感の湧く、気さくな方が多いです。循環器内科の診療を2022年にスタートし、専門の医師が第4土曜日に来てくれています。心筋梗塞などの急性期の疾患を見逃すことがないように、専門家の立場からアドバイスをいただいています。

新しい医療機器も積極的に取り入れているそうですね。

当院は、大学病院で使うような内視鏡検査装置やエコーなど、積極的に新しい機器を取り入れるようにしています。大きな病院にわざわざ行かなくても、ここで検査ができる体制を整えています。リハビリテーションでも、ウォーターベッドや近赤外線治療器など、一般的な整形外科クリニックではあまりないような機器も導入しています。高齢の患者さんが多いので、サービスの一環です。内科で持っているところはなかなか少ないと思います。

クリニックでは、漢方や新しい薬の処方にも力を入れていると聞きました。

池田剛院長 白塚いけだクリニック2

尾鷲にいた時、がん性腹膜炎の男性患者さんに漢方薬を処方したことがあり、それがきっかけで熱心に薬を勉強するようになりました。西洋と東洋のコンビネーションで、今も勉強を続けていて、新しく出る薬は積極的に使うようにしています。例えば、風邪の時は、高齢者と若い人で処方する風邪薬は変更することが望ましいですが、西洋医療だと一緒の薬が出ます。しかし、漢方薬は違います。年代や患者さんを見て、薬の処方を変えるのです。例えば頭痛一つとっても、風邪によるものなのか、気圧が下がったことによるものなのかで使い分けることができます。

変化を注視し、病気の早期発見をめざす

診療の際に心がけていることはありますか?

認知症の兆候をなるべく見逃さないように心がけています。長く通院している患者さんが多いので、小さな変化もキャッチするように意識しています。よく「薬を2ヵ月分処方して」などと言う患者さんもいますが、変化がわからなくなるので、高齢の患者さんはなるべく1ヵ月分くらいの薬を出すようにしています。また、がんを見つける上で、血液の変化も診る必要があるので、高齢の患者さんはできるだけ半年に1回は採血するようにしています。

治療方針を教えてください。

池田剛院長 白塚いけだクリニック3

患者さんがどうしたいかは常に考えています。当然改善が望めたほうがいいですが、改善が見込めない病気であれば、最期をどうしたいかを患者さんや家族に決めてもらいます。また、私は患者さんの近くにいる存在でありたいと思っています。患者さんに対して病状や治療などに関する説明をしっかり行うことももちろんですが、治療を信頼関係のもとで行いたいとも考えています。普段から診療中に患者さんやそのご家族とよく会話をし、患者さんやそのご家族がどうしたいのかを第一優先に考えています。

開業しようと思ったきっかけを教えてください。

池田剛院長 白塚いけだクリニック4

地域の患者さんがこの地で健康に暮らしていくために自分のクリニックを開業しようと思いました。「最期は家で看取られたい」という患者さんを診られるのは、開業して良かったことの一つです。2004年に開業し、来年で20年。毎日「あの時こうすれば良かった」と振り返り、反省しています。うまく対応できたことは覚えていませんが、失敗したなと感じる対応は覚えていますね。白塚は、母の実家が近くにあり、また、通年で7年半いた尾鷲に似たところがあったのも決め手でした。

患者の幸せを願い、最期まで看取る

医師を志した理由を教えてください。

池田剛院長 白塚いけだクリニック5

高校生の頃に、良くしてもらっていた伯父が病気で亡くなりました。その時にあまり良い治療をしてもらえていなかったので、その経験が医師になろうと思ったきっかけです。もっと良い治療を受けさせてあげたかったと思い、それまでやりたいこともなかったのですが、急に医学部進学を決めました。医師としてのやりがいは、やはり「ありがとう」と言われるのが一番です。だからこそ、「もっとこうしたら良かった」と、いつも反省し、勉強に励んでいます。

休日はどのように過ごされていますか?

テニスばかりをやっています。テニスは高校から始めて、今でも休日になると医師仲間とプレーをしています。いろいろ情報も聞けますし、リフレッシュにもなっています。不摂生なので健康管理はできていませんね。お酒も少しですが、飲みます。ただ、タバコは絶対に吸いません。患者さんにも「タバコだけはやめてくれ」としつこいほど言います。漁師を説得するのはすごく難しくて、しつこく言うけれど、彼らもしつこく吸いますね。だから肺のCTを撮ってきてもらうなどして、地道に説得することに努めています。

最後に今後の展望をお聞かせください。

池田剛院長 白塚いけだクリニック6

診ている患者さんの幸せを願っていますし、最期まで看取りたいと思っていて、今も訪問診療をしています。あとは、もっと良い薬が出てきてほしいと思っています。最近話題のアルツハイマー病の新薬にも期待しています。当院は、今年10月から院外処方に変更し、クリニック横に調剤薬局を置きました。もともとは夜中でも患者さんが来院したら処方できるように院内処方にしていましたが、扱う薬の量が多くなり、より良い新しい薬の処方、ジェネリック医薬品の供給不安定の解消のために変更しました。自分だったらより良い治療を受けたいので、患者さんにもしっかりと良い治療を提供したいと思います。だからこそ、これからも勉強するし、機器も替えていきたいです。

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