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田代 茂樹 院長の独自取材記事

医療法人健和会 健和会歯科クリニック

(横浜市港北区/綱島駅)

最終更新日:2023/09/29

田代茂樹院長 医療法人健和会 健和会歯科クリニック main

1994年、綱島の地に「健和会歯科クリニック」を開業した田代茂樹院長。移転や院名変更などを行いながらも、30年近くこの綱島で、“町の歯医者さん”として地域住民の歯の健康を見守ってきた。同院は、開業当初から予防やメンテナンスに力を入れる「予防管理型」の診療スタイルを取り入れており、診察室は「治療」と「予防・メンテナンス」とで空間がしっかりと分けられている。開業当時はまだ浸透していなかったという「予防管理型」の診療になぜ取り組んできたのか、院長の歯の健康に対する思いとはどのようなものなのか。30年の流れを振り返ってもらいながら、語ってもらった。

(取材日2023年8月23日)

時代と地域の変化を見守ってきた歯科医院

もう30年近くもこの綱島で歯科医院を開業されているのですね。

田代茂樹院長 医療法人健和会 健和会歯科クリニック1

慶應義塾高等学校出身で、学生時代からずっと日吉に通っていたこともあり、東急東横線沿線になじみがありました。そしてたまたま物件が空いていた綱島で開業することにしました。高校時代は野球部だったので、今回の夏の甲子園での慶応義塾高校野球部の快挙はとてもうれしいです。自分たちの代は弱かったのであまりOB面はできないのですが(笑)。大学を卒業後、就職をし3年ほど一般企業で働いてから、日本歯科大学に入学し、歯科医師になるための勉強を始めました。勇気のある決断のようにも思われますが、自分としてはそんな感覚はなかったです。今リスキリングという言葉がはやっていますが、まさにそんな感覚でしたね。2度目の職業はちゃんと全うしなければならない、開業医として地域に受け入れられるような人間になろう、そんな強い思いで開業しました。

街の変化を感じる部分はありますか。

30年たつと、やはり街は変わります。綱島は元々人口の流動性がすごく高いところです。さらに企業のスマートシティプロジェクトも行われていますし、駅の東側には新綱島駅ができて、タワーマンションも建ちました。それまでは綱島の重心は、当院がある西口側にありましたが、それが少しずつ移動しているのを感じます。一方で綱島は元々農村地帯なので、長年住んでいる地元の人ももちろんいます。そういった方々は高齢化が進んでいますので、患者さんの年齢層も上がってきていますね。中には開業当時から通ってくださる患者さんもたくさんいます。

患者さんと長い間お付き合いしていく中で、意識されていることはありますか?

田代茂樹院長 医療法人健和会 健和会歯科クリニック2

普通の町の歯科医院でありたいと思っているので、フラットな関係性の中で患者さんに私のスキルを提供しているというスタンスでいます。医療というと、少し上からの立場で診るような感じになりがちですが、何か特別なことをしているわけではないのです。でも30年もたつと、面白いことも起こります。当院の歯科衛生士には、小学校低学年の時から当院に通ってくれていた子がいます。その子いわく、当院に通ううちに歯科衛生士に興味を持つようになり、専門学校に通って資格を取得し、当院に就職したとのことでした。ほかにも、小学生や幼稚園生だった患者さんが結婚して子どもができて、その子どもを連れてくることもたくさんあります。このように患者さんと長く付き合っていけることは歯科医師という仕事をやっている中の、一つの醍醐味だと思います。

「キュア」と「ケア」を分ける意味

いつから歯のメンテナンス・予防に力を入れる「予防管理型」の診療スタイルになったのでしょうか?

田代茂樹院長 医療法人健和会 健和会歯科クリニック3

開業当時から「予防管理型」の診療を取り入れていました。ですから、患者さんがまだ少ない苦しい時代にも、歯科衛生士は複数人雇用していました。私が「予防管理型」の歯科医院をつくろうと思ったきっかけは、歯科大学で学んでいた時でした。同期であり、現在はセンター北駅で「堀元歯科医院」を運営している堀元隆司先生とずっと一緒に勉強している中で、これからの時代は「予防管理型」の診療にシフトしなければいけないという話をよくしていたんです。当時はまだ「治療」に力を入れている歯科医院が多く、私が開業した時は綱島で「予防管理型」の診療に力を入れる歯科医院は少なかったですね。今はメディアでも口の中をきれいに保つことの大切さがしっかり啓蒙されていることもあり、昔と比べて重症化した状態でここを訪れる患者さんは減ったように思います。

廊下を挟んで治療とメンテナンスの部屋を分けていますが、これにはどのような意味があるのですか?

患者さんにとって動線がわかりやすいですし、何より予防やメンテナンスと治療を一緒のスペースで行うのは、患者さんに対しても申し訳ないと思っていました。今の物件に移る前は院内のスペースが狭く、パーティションで分けてはいましたが、同じ部屋で治療とメンテナンスを行っていました。ただメンテナンスを受ける患者さんにとっては、隣がキンキンうるさい中で対応されることになるので、良い気分はしないですよね。なのでこの場所に移転した時に、廊下で部屋をはっきり分けようと考えて、院内のレイアウトを設計士さんと相談しました。先ほど話した堀元先生の歯科医院のゾーニングも、当院とそっくりのようです。僕が真似したようなものなんですけど(笑)。でも「キュア」と「ケア」はしっかりと分けるべきだと考えています。

こちらは「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」と伺いました。

田代茂樹院長 医療法人健和会 健和会歯科クリニック4

この制度は要はその歯科医院がかかりつけにふさわしいのかどうか、設備や人的な資源がしっかりと整備されているかといった、さまざまな要件を満たす必要があります。当初この要件は厳しく、横浜市歯科医師会の中でも数%の歯科医院のみがこの「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」でした。ただ当院はもともと「予防管理型」の診療スタイルをとっていたため、その要件はもとから意識して歯科医院づくりを行っていました。こうした予防やメンテナンスを大事にしようという国の方針は時代の流れを感じます。歯科医院という場所は、痛くなってから行くところではなくなってきているんですよね。われわれの歯科医院にも、子どもたちは喜んで来ます。今日も大きな声で楽しそうに喋る子がたくさん来ていました。

最後まで、口から食事が楽しめるように

歯の健康を守るために大切なことは何でしょうか。

田代茂樹院長 医療法人健和会 健和会歯科クリニック5

やはり定期的に歯科医院で診てもらうことは大切だと思います。私の歯科医師としての役目は、患者さんに「口の中の健康に配慮することが大事なんだ」という意識をビルトインして、ケアをするために背中を押してあげることだと思うんです。なのでわれわれが意識すべきは、患者さんが来やすい環境づくりだと思っています。私やスタッフの人間性、当院の雰囲気、そういうことが大切だと思っています。

ボランティア活動にも力を入れていると伺いました。

日本歯科医師会や横浜市歯科医師会の活動を通じてボランティアにも関わっています。地域保健や地域医療に関わりたいと思った時に、どうしても1人では難しいんですよね。開業した当初は、毎日診療をしていれば、それが地域保健に貢献してることと同じことなんだと考えていましたが、それはやはり単なる歯科医師としての仕事で、自分の給料を稼ぐための経済的な行為でもあるわけです。それ以外で何かをすることが、真の意味での地域貢献だと思うようになりました。そういう意味で、1人で何かボランティアをするのも当然いいとは思いますが、歯科医師会全体でやるほうが効率的だし効果的ですよね。地域保健に関与するというのはとても大切な責務だと思っています。

先生が今後取り組んでみたいことは何かありますか?

田代茂樹院長 医療法人健和会 健和会歯科クリニック6

ここ数年、私自身が体調を崩したこともあり、訪問診療ができていなかったんです。やはり訪問診療となると、基本の外来診療にプラスしてやらなければならないので、時間的にも体力的にも対応が難しくなっていました。しかしもう少しで歯科医師の息子が帰ってくることになっています。彼が戻ってくればマンパワーも増えるので、訪問診療をもう一度復活させることができると思っています。患者さんの年齢も上がってきているので、ここまで検診に来ることができない方もいらっしゃると思います。そうした方たちが最後まで口から食事を楽しめるようにする。訪問診療のニーズも確実に上がっている中で、ターミナル期まで口の健康にちゃんとコミットするというのは、われわれが責任をもってやらなければならないことだと思っています。今後も地域の方に安心していただけるように、できる限りのことをしていきますので、困ったことがあればぜひご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

ホワイトニング/3万3000円、スポーツマウスガード/5500円

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