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詫間 義隆 院長の独自取材記事

たくまファミリークリニック

(広島市中区/城北駅)

最終更新日:2024/01/29

詫間義隆院長 たくまファミリークリニック main

アストラムライン・城北駅から徒歩1分、新白島駅から徒歩2分、JR山陽本線・新白島駅からも徒歩4分とアクセス至便な場所に2023年に開業した「たくまファミリークリニック」。白を基調としたシンプルな内装の院内は、清潔感にあふれている。詫間義隆院長は、1991年に広島大学医学部を卒業後、数々の基幹病院で一般内科、消化器内科の医師として診療にあたってきた。その豊富な知識と経験を生かし、初心に返って地域に貢献すべく開業、家庭医療に重きを置いた地域のホームドクターとして新たなスタートを切った。内科、肝臓をはじめとする消化器疾患、超音波診断、消化器の内視鏡診療など幅広い専門分野を持ち、時代を見据えて、個人宅への訪問診療や認知症の診療も視野に入れるなど全人的医療をめざす詫間院長に、地域医療への思いを聞いた。

(取材日2023年12月8日)

地域に貢献すべく、家庭医療を主軸とした医院を開業

開業までの経緯をお聞かせください。

詫間義隆院長 たくまファミリークリニック1

大学卒業後、産婦人科で3年間勤務しましたが、ゼネラリストとして「全身を診たい」という願望があり、一般内科に移りました。一般内科では、何年か勤務した後にサブスペシャリティーを選ぶというのが通例でしたので、もともと消化器内科の教室にいたこともあり、消化器内科を選びました。2013年に倉敷中央病院消化器内科から広島市立広島市民病院に移ってからは、内科部長として、肝疾患や消化器疾患を中心に診療にあたってきました。ずっと専門病院で勤務していましたので、このまま専門病院の医師として定年まで勤めようと考えていましたが、一方で地域に貢献したい、初心に返って家庭医療を主軸に幅広く診療をしたいという思いもあったんです。そんな中、継承者を探していらっしゃる消化器を専門とする医院と出会ったことで、開業を決意しました。

来院されるのはどのような患者さんですか?

古くからの住宅街ですので、患者さんの年齢層は高めで、70代前半、80代の方が多いですね。外国人居住者も多いという地域柄、中国人の患者さんも多くいらっしゃいます。主訴としては、腹痛、腹部不快感、胸焼けといった胃腸障害を訴える方が多いと感じます。検査では異常が見つからない機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)や過敏性腸症候群などの機能的な障害疾患の患者さんもいらっしゃいます。そのような患者さんには、薬の処方や、生活習慣の改善の提案などをして対応するようにしています。また、糖尿病、高脂血症、高血圧症の患者さんが圧倒的に多いので、一人ひとり適切な指導やケアを行っていきます。

こちらの医院ではどのような診療が受けられますか?

詫間義隆院長 たくまファミリークリニック2

一般内科、肝臓内科、消化器内科、糖尿病内科、アレルギー科を標榜しています。私は、肝臓についても精通しておりますし、日本内科学会総合内科専門医、日本超音波医学会超音波専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医、日本消化器病学会消化器病専門医の資格を持っていますので、それぞれの専門的な分野の診療を行うことが可能です。胸部エックス線や心電図などの一般的な検査から、上部・下部内視鏡検査や腹部・心臓・頸動脈の超音波検査といった専門的な検査にまで対応しており、場合によってはホルター心電図を取ることもできます。

地域の病院と連携し、患者にとってベストなケアを追究

大きな病院とも連携されていますね。

詫間義隆院長 たくまファミリークリニック3

当院は医院ですので、できることにはやはり限りがあります。対応が難しい精密検査や入院が必要な患者さんは、早めに大学病院や設備の整った病院をご紹介するようにしています。連携先で精査した結果はフィードバックしてもらい、双方が患者さんの情報を共有することで、お互いにできる範囲のケアを連携しながら実施していくことが可能です。患者さんにとっては、症状が落ち着いた後は遠くの大きな病院に通わずとも、かかりつけ医である当院で同じようにケアを受けられるというメリットがあります。例えば、糖尿病の合併などは当院で薬の処方ができますので、患者さんは大きな病院で半年に1度検査を受け、当院では日々のケアを受けるといったかたちです。

予防医療にも注力されているとか。

私が病院で勤務していた時、医院からの紹介で来院した患者さんの中には、「もっと早くご紹介いただければ、もっと良い治療ができたのに」と残念に思うケースがたくさんありました。ですから、大事に至る前に病気を早期発見することや、ワクチン接種などの予防医療にも力を入れています。今は医療技術が発達して、良い治療方法がたくさんありますので、高齢の方に対しても早めに病気を発見して大きな病院に紹介して差し上げたいですね。また、がんの再発に関しても検診で早期発見に努め、糖尿病などの生活習慣病は悪化しないように継続的な検査や指導、ケアにも注力しています。

地域のかかりつけ医として、どのようなことを心がけていますか?

詫間義隆院長 たくまファミリークリニック4

ただ単に薬を処方して終わりではなく、忙しくても一人ひとりの患者さんの訴えを聞いて聴診や触診を行い、変化や病気の兆候を早めに発見できるように心がけています。また、肝臓内科の医師として多くの薬物性肝障害を診てきた経験から、高齢の患者さんで複数の薬を服用している場合は、2~3ヵ月に1度の血液検査をお勧めしています。薬を複数種類服用していると臓器に影響が出ることがあり、特に多いのは肝障害や腎障害です。個人の代謝能力には差があり一概には判断できないため、定期的に血液検査をして値を時系列でチェックし、自覚症状が現れる前に早めに対応することが必要なんです。もし異常が見つかった場合、薬を変える、服薬をやめるなどの対策を行うようにしています。もちろん、検査は患者さんに負荷がかかりますので無理強いはせず、本人の希望を優先しています。

訪問診療、認知症ケアにもさらに積極的な対応を

今後、取り組んでいきたいことをお聞かせください。

詫間義隆院長 たくまファミリークリニック5

現在は2週間に1度グループホームへの訪問診療を行っていますが、今後、もし個人の患者さんからのニーズがあればもちろん対応したいですし、その準備は整えています。外来で診療を担当している私が一番患者さんのことをわかっていますから、もしその患者さんが通院できなくなったとしたら、私が出向くというのがいいのかなと思います。この地域は高齢で独居の方も多いので、専門外ではありますが、認知症に対してもケアしていかなければならないと感じています。

訪問診療ではどのような診療が受けられますか?

訪問看護ステーションや訪問看護師の方などと連携し、褥瘡(じょくそう)のケア、認知症に伴う異常行動や興奮症状などのメンタルのケア、ちょっとした皮膚疾患などに対応しています。約8割の症状や疾病には対応できますが、専門の医師の処置が必要な場合は、病院の外来を紹介し、受診していただくように促します。例えば、寝たきりの方に対して介護士さんが3時間おきに体位交換をするのですが、褥瘡はそれでもできてしまいます。褥瘡が壊死を起こして感染の兆候が見られる場合は、特殊な外科処置が必要になりますし、褥瘡はすぐに悪化しますので、そのような場合には皮膚科や形成外科をご紹介します。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

詫間義隆院長 たくまファミリークリニック6

今後は、寝たきりで簡単に通院ができない方に対する対応も必要になってくると感じていますし、日本語が話せない外国人の方への対応なども含め、患者さん一人ひとりの社会的背景を考慮した全人的医療をめざして、できる限りのことをしていきたいと考えています。患者さんの訴え一つ一つをしっかりと聞き、精査して、早めの診断とケアをすることで、地域の皆さんが安心できる医院をめざしていきたいですね。そして、地域の身近なホームドクターとして信頼していただけるように努めてまいります。

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