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金 卓 院長の独自取材記事

いぶきクリニック

(門真市/古川橋駅)

最終更新日:2023/05/24

金卓院長 いぶきクリニック main

京阪本線古川橋駅から徒歩1分の場所にある「いぶきクリニック」は、慢性腎不全を専門とするクリニック。内分泌内科、泌尿器科を中心に、循環器、整形外科、血管外科など幅広い分野を専門とする医師が連携し、患者の抱えるさまざまな合併症に対応できるよう体制を整えている。院長の金卓(きむ・たく)先生は、長年にわたり大学病院や総合病院において腎移植や透析治療を数多く経験してきたベテランドクター。2020年に同院院長に就任してからは、それまでの豊富な経験を生かして、より良いクリニックづくりにも積極的に取り組んできた。より地域に根差したクリニックをめざし日々尽力する金院長に、同院の診療の特徴や患者と接する上で大切にしていることなどを詳しく聞いた。

(取材日2023年3月14日)

腎臓の疾患をメインに、一般外来にも広く対応する

院長のプロフィールをお聞かせください。

金卓院長 いぶきクリニック1

1984年に大学を卒業後、入学した大学院で急性腎不全の発症機序とその予防をテーマとした研究に取り組みました。その後、所属していた病院で腎臓移植が始まったことをきっかけに、研究を腎移植時の腎保存と虚血障害の予防に移しました。また研究と並行して、所属していた病院では腎移植だけでなく、血液透析、腹膜透析の導入を行うなど、透析治療にも携わりました。その後、縁あって2020年に当院の院長に就任し、今日に至ります。

就任当初、クリニックの印象はいかがでしたか?

それまで勤めていた病院とは異なり、クリニックでは少人数の医師で患者に対応するため、時には自分の専門外の領域についても判断しなくてはならない場面があります。また以前は紹介された患者さんに応じるかたちで診療にあたっていましたが、今度は逆に他の医療機関に紹介しなくて済むように、患者さんの状態を管理していく側の立場となりました。そこにクリニックならではのやりがいや診療の難しさを感じましたね。

こちらではどのような診療を受けられますか?

金卓院長 いぶきクリニック2

腎臓病や泌尿器科の疾患をメインに、一般的な風邪や発熱などの症状やワクチン接種にも対応しています。腎臓の状態が悪化している場合には透析治療を行いますが、慢性腎不全の患者さんはさまざまな合併症を発症することがあります。そのため、外科、循環器、消化器、整形外科といった多様な分野の医師も加わり、それぞれの専門性を生かしながら診療にあたっています。例えば内シャント手術の際には血管外科の先生に、透析管理については腎臓内科の先生に治療やアドバイスをいただきながら進めるなど、合併症に広く対応できる体制を整えています。

一般外来の患者さんにも対応されているのですね。

はい。当院はこれまで「透析の専門クリニック」というイメージを持たれていたようで、外来でいらっしゃる患者さんはあまり多くありませんでした。今後はさまざまな症状に対応しているクリニックであることを、地域の皆さんに知っていただきたいですね。幸い、ワクチン接種をきっかけに初めて来院してくださった患者さんからは、「思っていたよりも明るくて気さくな雰囲気のクリニックですね」といったうれしいお声もいただいています。女性の方にも安心してご利用いただけるよう女性医師による泌尿器科疾患の診察にも対応するなど、患者さんのニーズに応える医療の提供に努めていますので、腎臓の病気で通院されている患者さんのご家族の方も含めて、ぜひ多くの方に気軽にご利用いただければと思います。

関わるすべての人が居心地の良いクリニックをめざす

他の医療機関とも連携されていると聞きました。

金卓院長 いぶきクリニック3

患者さんの状況に応じて、専門的な技術や先進の設備を持つ医療機関につなげる道筋をつくるのも、当院の重要な役割の一つです。現在、大阪市立総合医療センター、関西医科大学総合医療センター、松下記念病院、市立吹田市民病院、北野病院、大手前病院、国立循環器病研究センター、正幸会病院など、周辺の医療機関と連携して、患者さんをスムーズに紹介できる体制を整えています。当院がかかりつけの窓口となって地域の皆さんのご相談を受け、必要に応じて速やかに振り分ける、いわば「地域医療のハブ空港」のような役割を果たすことで、地域医療の発展にも貢献していければと考えています。

就任後に取り組まれたクリニックづくりについてお聞かせください。

まず取り組んだのが、院内の感染症対策です。医師や看護師は対策についての知識を専門的に学んでいるため自分で適切に対応できますが、看護助手や事務員には基本的にそのような知識がありません。そのため使用済みの医療器具の取り扱い方を指導したり、手袋やマスク、ビニールエプロンの着用を周知したりするなど、スタッフの感染症対策に徹底して取り組みました。日頃からクリニックを支えてくれているすべてのスタッフの身の安全を、しっかりと守らなければなりませんからね。またそれは、同時に患者さんへのより安全な医療の提供にもつながります。その後も院内でチームを4つほどつくり、スタッフ同士で日々ディスカッションを重ねています。対話を通じて気づいた点を伝え合い、より良いクリニックづくりのためにできることをみんなで考え取り組んでいます。

言葉遣いも大切にされていますね。

金卓院長 いぶきクリニック4

そうですね。親しい仲であっても礼節を持った態度で接するのは、とても大切なことだと思うのです。その一つが言葉遣いですが、私が就任した当時は院内で十分に徹底されていないと感じたため、みんなで意識を共有することにしました。そのかいもあってか、今では患者さんに対しての言葉遣いはもちろん、スタッフの間でも礼節ある態度が浸透してきたと感じています。このように居心地の良いクリニックづくりを実現するための取り組みを、これからもみんなで話し合いながら一つ一つ丁寧に行っていきたいと考えています。

地域に根差した相談のしやすいクリニックでありたい

診療の際、大切にしていることはどのようなことでしょうか?

金卓院長 いぶきクリニック5

患者さんにとって気軽に相談できる医師でありたいと思っています。医師の立場から見ればそれほど問題のない状態でも、ご本人は不安を抱えているからこそ来院されているわけですね。ですからそのお気持ちに寄り添って、「おそらく心配ありませんが、ご不安ならまた来週改めて診察しましょうか」と提案するなど、次につながる診療を意識して行っています。大切にしているのは、「自分が患者の立場だったらどうか」という視点ですね。診察の際も、患者さんに納得していただけるようにわかりやすく丁寧な説明を心がけています。ご家族のちょっとした悩み事など、時には病気以外の困り事でも気軽に相談してもらえるような関係性を築いていけたらと思います。

リハビリテーションも受けられるのですね。

透析を受けている患者さんは合併症の進行などにより、食欲や筋力、体力が落ちてしまう傾向があります。そのため当院では、運動療法を中心としたリハビリテーションを提供しています。リハビリテーション室には理学療法士と鍼灸師が常勤で在籍しています。また、医師の指示のもと看護師や管理栄養士など他の医療スタッフと連携しながら、患者さんの身体機能の低下や疼痛に対応しています。透析を受けている患者さんはどうしても運動不足になってしまいがちなのですが、透析で来院された際の時間も有効に活用して運動の機会を得ていただければと考えています。

画像診断の見落とし防止にも取り組まれていると聞きました。

金卓院長 いぶきクリニック6

経験豊富な医師であっても、自分の専門から離れた領域となると重要な所見を見落としてしまう可能性が高くなります。そのような事態が起こらないように、当院では撮影したCT画像を放射線科の先生に提出し、所見を書いてもらう遠隔診断を行っています。その診断結果をこちらでも改めて確認し、互いの所見が異なる場合には引き続き意見交換をしながら精度を高めることで、所見の見落とし防止をめざしています。

読者へのメッセージをお願いします。

当院は慢性腎不全を専門としたクリニックではありますが、地域に根差した相談しやすいクリニックでありたいと思っています。どのような患者さんが来院されても同じ視点で悩みを共有し、有意義な人生を送っていただくためのアドバイスができればと日々診療に努めています。些細な内容でも構いませんので、お困りのことがあればぜひ気軽に足をお運びください。

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