全国のドクター9,336人の想いを取材
クリニック・病院 158,521件の情報を掲載(2024年5月19日現在)

  1. TOP
  2. 神奈川県
  3. 藤沢市
  4. 湘南台駅
  5. 医療法人湘樹会 すが内科クリニック
  6. 胃がんで命を落とさないためにピロリ菌検査と除菌のススメ

胃がんで命を落とさないために
ピロリ菌検査と除菌のススメ

すが内科クリニック

(藤沢市/湘南台駅)

最終更新日:2021/10/12

すが内科クリニック 胃がんで命を落とさないために ピロリ菌検査と除菌のススメ すが内科クリニック 胃がんで命を落とさないために ピロリ菌検査と除菌のススメ
  • 保険診療
  • 自由診療

日本人に慢性胃炎や胃がんが多いのは、私たちの体質によるものだと長年いわれてきた。しかし今では、日本人の多くがピロリ菌に感染していることが一つの原因とわかっている。胃がんはピロリ菌による感染症といっていい。そう語る「すが内科クリニック」の菅誠院長は、ピロリ菌検査の重要性を説き、藤沢市に胃がんリスク検診の導入を働きかけた、消化器内視鏡を専門とする医師の一人だ。そんな先生に、ピロリ菌と胃がんの関係、そして検査と除菌の重要性について聞いた。

(取材日2021年1月14日)

胃がんはピロリ菌の感染症。若いうちのピロリ菌検査と除菌治療で、将来胃がんになるリスクを軽減しよう

Qピロリ菌とはどのようなものですか?
A
すが内科クリニック 内視鏡検査やピロリ菌検査を専門に学んできた菅院長

▲内視鏡検査やピロリ菌検査を専門に学んできた菅院長

正式にはヘリコバクタ―・ピロリ菌と呼ばれ、胃粘膜に生息する細菌です。感染すると胃粘膜に炎症が起き、徐々に粘膜の萎縮が進み胃潰瘍や胃がんの原因になり得ます。感染するのは幼少期まで。大人にうつることはまずないでしょう。汚染された井戸水などから体内へ入るため、幼い頃に衛生環境が悪かった人は感染者が多く、日本では65歳以上の約8割がピロリ菌陽性といわれます。年齢が下がるにつれ感染者は減り、30歳では1〜2割だといいます。感染していない子どもでも、感染している親や祖父母が口移しで子どもに食べ物をあげるとうつしてしまう場合があるので注意しましょう。また除菌をすれば、大人が再感染するリスクは低いと思います。

Qピロリ菌によって胃がんになる確率はどれくらいですか?
A
すが内科クリニック 患者一人ひとりに寄り添い、丁寧に話を聞く

▲患者一人ひとりに寄り添い、丁寧に話を聞く

ピロリ菌陽性で胃の萎縮の軽い人は、年間1000人に1人ほどが胃がんになるといわれています。萎縮が進むと年間500人に1人ほど、そして萎縮が進み過ぎるとピロリ菌はいなくなっていきますが、萎縮性胃炎の悪化により年間80人に1人ほどの割合になるといいます。今は、ピロリ菌の感染率が高いとされる70歳以上の方が胃がんになりやすいことで、胃がんの罹患率自体はあまり下がっていません。ですが70歳以下の方、特に若い方であればあるほどピロリ菌の感染率が低いので、いずれ胃がんは自ずと減ってくるでしょう。とはいえ積極的にピロリ菌の感染者を発見し、除菌治療していくことは、より早く胃がんのリスクを減らすために重要です。

Q胃がんの撲滅には、ピロリ菌の早期除菌が大切なんですね。
A
すが内科クリニック 経験豊富な菅院長による負担の少ない内視鏡検査を実施

▲経験豊富な菅院長による負担の少ない内視鏡検査を実施

そうですね。特に胃粘膜の萎縮が進行する前に除菌することができれば、メリットはより大きいといえます。つまり、若いうちに除菌することが大事なのです。私は、20歳になったら全員検査してはどうかと考えています。20歳でがんができている可能性は極めて低いと思いますし、若いうちに除菌しておけば、将来胃がんになる可能性はぐっと下がるでしょう。もちろん、除菌後も100%胃がんにならないわけではありません。胃がんは早めに見つければ改善が見込めますし、がんが粘膜にとどまっていれば内視鏡での切除も可能です。早期発見のためにも、定期的に内視鏡検査を受けましょう。

Q藤沢市では、胃がんリスク検診が行われているそうですね。
A
すが内科クリニック 藤沢市では胃がんリスク検診をはじめさまざまな検診を実施

▲藤沢市では胃がんリスク検診をはじめさまざまな検診を実施

はい。私たちが市に働きかけてきたものが、2014年に実現されました。採血検査でピロリ菌の有無を確認し、萎縮性胃炎の程度を調べる「ABC検診」というものです。結果が陽性の場合は内視鏡検査でがんの有無を調べ、ピロリ菌に感染していれば除菌治療も行います。この検診は、早期に胃がんを見つけるための検診であるのと同時に、除菌治療につないで将来の胃がんを予防するための検診でもあります。また、2020年から胃内視鏡検査も導入されました。50歳以上の方を対象に隔年で受けられますので、自覚症状のない方もぜひ受けましょう。ピロリ菌を除菌された方も、胃がんのリスクはゼロではありませんので定期的な検査をお勧めします。

Q貴院での胃がん対策について教えてください。
A
すが内科クリニック 「若い方にも検査を受けていただきたい」と、熱く語る菅先生

▲「若い方にも検査を受けていただきたい」と、熱く語る菅先生

藤沢市のABC検診は40歳以上が対象ですが、それ未満の方でも「時々胃の調子が悪くなる」「両親のどちらかがピロリ菌に感染している」といった場合は注意が必要です。そうした方には、内視鏡検査を受けるか、自費検査になりますがピロリ菌の検査を受けることをお勧めしています。もし、ピロリ菌陽性の結果が出たら、ぜひ除菌治療を受けましょう。当院ではペニシリンアレルギーで治療薬の投与が難しい方の治療にも対応しています。胃の内視鏡検査では、主に経鼻内視鏡を使用していますので、以前と比べるとあまり苦痛を感じずに受けることができると思います。

ドクターからのメッセージ

菅 誠院長

近年若い方のピロリ菌の感染率は減少しているので、放っておいても将来胃がんになる人は減ってくるでしょう。ただ、今現在ピロリ菌の感染者が多いことも事実です。私たちはそんな人たちをできるだけ早く見つけ、胃がんで亡くなる方を減らしていきたい。私たちが内視鏡検査・ピロリ菌除菌に積極的に介入すれば、より早く日本から胃がんを撲滅していけると考えています。感染者の少ない若い方は、全員が検査する必要はないと思いますが、高齢の方は早期に胃がんを発見できるよう定期的に内視鏡検査を受けましょう。今の若い世代の方ががん年齢になる頃、日本で胃がんがまれな病気になっていること。それが私たち消化器内視鏡専門の医師の願いです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

ピロリ菌検査(自費の場合)/2500円

Access