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歯科でも関係する金属アレルギー
皮膚科と連携し不調の原因を探る

愛生歯科

(世田谷区/下北沢駅)

最終更新日:2021/10/12

愛生歯科 歯科でも関係する金属アレルギー 皮膚科と連携し不調の原因を探る 愛生歯科 歯科でも関係する金属アレルギー 皮膚科と連携し不調の原因を探る
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金属アレルギーと診断され、アクセサリーなどの金属類すべてを取り外した後も症状が改善せず、苦しみ続けている人は多い。手足になかなか改善しない膿疱ができる症状などから、皮膚科の医師もまさか口の中に原因があるとは思わず、アトピー性皮膚炎と診断されることもあるという。「アレルギーだからといって、必ずしもオールセラミックにする必要はありません。アレルゲンがなければ、そのまま使用して大丈夫」と語るのは、「愛生歯科」の埴英郎院長。1980年代後半から金属アレルギーに取り組む埴先生は、金属アレルギーに精通した皮膚科医院や東京医科歯科大学と連携しながら実績を積んで来たこの分野の専門家だ。遠方から訪れる患者が後を絶たないという埴先生に、歯科の金属アレルギーについて教えてもらった。

(取材日2020年10月9日)

歯科の金属アレルギー専門家として、大学病院のアレルギー外来や皮膚科と連携した診療で患者をサポート

Q歯科の金属アレルギー症状について教えてください。
A
愛生歯科 歯科金属アレルギーの専門である埴院長

▲歯科金属アレルギーの専門である埴院長

お口の中の症状は、金属に接している頬粘膜や舌、唇や口角に炎症や口内炎ができるなどです。また、舌の表面にある味蕾にダメージを受けると、味覚異常を起こすこともあります。口以外の症状で多いのは、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)といって手の平や足の裏に多数の膿疱ができる慢性炎症疾患です。他にも全身の皮膚のあちこちに湿疹や皮膚炎を起こすケースもあります。体に取り込まれた金属イオンが体内のタンパク質と結合してアレルゲンとなり、アレルギー反応を起こすと考えられていて、中にはアトピー性皮膚炎と診断されて長年、つらい症状に悩んでいたという方もいます。

Qどのようなきっかけで受診する人が多いのでしょうか。
A
愛生歯科 歯科と皮膚科が連携して診療を行っている

▲歯科と皮膚科が連携して診療を行っている

一番多いのは皮膚科からの紹介です。口とまったく関係ないところに症状が現れていると、歯科領域での金属アレルギー症状だとは皮膚科の先生によってはわかりづらいこともあるようです。実際、何軒も皮膚科を回って、さまざまな治療を受けても症状が改善しなかったという方が当院に来られるケースも少なくありません。アレルギーの原因となる金属元素は、ニッケル、コバルト、クロム、スズやアマルガムに含まれている水銀が多いといわれていますが、金属のどの元素にアレルゲンがあるのかは人によって異なるため、まずは原因を突き止めていくことが必要です。

Qどのような検査をするのでしょうか?
A
愛生歯科 原因となる元素を突き止めることが大切

▲原因となる元素を突き止めることが大切

パッチテストで、金属元素ごとのアレルギーの有無を調べます。皮膚科では一般的に17~20種類ほどの金属元素について検査しますが、当院で使用している検査キットでは1度に22種類の元素について調べます。検査方法は、パッチテスト用のテープにそれぞれの元素の試薬を滴下して、背中の皮膚に2日間貼ります。判定は、テープをはがした日とその翌日、テープを貼ってから1週間後の3回行います。3回判定するのは、刺激による反応とアレルギー反応を区別することと、元素によって反応が現れる時期が異なり4、5日たってから反応が出るものがあるためです。3回の判定により陽性、陰性の診断をします。

Q治療の流れについて教えてください。
A
愛生歯科 原因を取り除かない限り、症状は治まらないという

▲原因を取り除かない限り、症状は治まらないという

パッチテストで明らかなアレルゲンが見つかった場合、その元素がお口の中のどの修復物に含まれているかを突き止め、それを除去してアレルゲンを含まない物質と交換します。お口の中に入っている金属にどのような成分元素が含まれているかは、詰め物の数が少なく、いつどこで治療を受けたか明確な場合は問い合わせることもできますが、実際は成分のすべてを公表している歯科金属は少なく、数パーセントは「その他」となっているため、個々の修復物にどのような元素が含まれているかを1つずつ分析により調べていく必要があります。また、原因となる金属を除去しても症状が落ち着くまでの期間には個人差があり、平均でも数ヵ月以上はかかります。

Qこちらで受ける治療には、どのような特徴がありますか?
A
愛生歯科 患者一人ひとりに合った素材を選び修復する

▲患者一人ひとりに合った素材を選び修復する

最近、「金属アレルギーのようだから、すべての修復物をセラミックに交換しましょう」と歯科医院で言われたという相談が増えてきていますが、当院で除去するのはアレルゲンの含まれる金属部分だけです。問題のある金属を特定するため、お口の中の修復物一つ一つをごく少量削り、わずかな金属片を採取し、その金属片を分析することにより含まれる元素の種類や含有量、微量含有元素の有無を調べることができます。当院では歯科金属アレルギーが問題となった30年以上前から分析装置を用いたアレルゲン検索と除去療法に取り組んでいます。長年の実績に基づき、患者さんにとって最善の治療法を提案したいと考えています。

ドクターからのメッセージ

埴 英郎院長

最近は他院で「オールセラミックにしましょう」と言われたという患者さんからの相談も少なくありませんが、お口の環境を一気に変える治療はリスクを伴うこともあります。当院では患者さんと十分なご相談の上で、経済的にも身体的にも、患者さんにより負担の少ない治療を提案するよう心がけています。治療には数ヵ月以上かかるため、最後まで「通い続けられる」クリニックを見つけることと、途中で投げ出さないことも大切。なお、保険適用で金属アレルギー診療を行う際は、皮膚科の診断書が必要となります。当院では東京医科歯科大学をはじめ、金属アレルギーに精通した皮膚科医院と連携して診療を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

金属を使わない補綴治療/5万円~

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