胃・大腸内視鏡検査で
疾患の早期発見、早期治療を
新百合山手福本内科
(川崎市麻生区/新百合ヶ丘駅)
最終更新日:2024/01/31
- 保険診療
胃や大腸の疾患の早期発見に役立つ内視鏡。胃の内視鏡検査は口からでも鼻からでも可能だが、喉への圧迫が少ないという点から経鼻内視鏡が広く普及してきている。新百合ヶ丘駅から徒歩約5分のクリニックモール2階に位置する「新百合山手福本内科」の福本院長は、これまでに、約3万件以上の内視鏡検査を行ってきた。自身も「一患者」の立場で内視鏡検査を受ける経験を重ね、患者の気持ちに寄り添いながら、丁寧でストレスの少ない検査に努めている。福本院長に、胃・大腸内視鏡検査で発見が可能な病気や受けるメリット、経鼻胃内視鏡検査の流れなどについて聞いた。
(取材日2019年12月6日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q胃の内視鏡検査では、どのようなことがわかるのですか?
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A
胃の内視鏡検査では、食道、胃および十二指腸を観察することができます。がんやポリープ、潰瘍などのほか、慢性胃炎やピロリ菌感染の有無、逆流性食道炎などさまざまな疾患の早期発見に役立ちます。咽頭がんなど喉の疾患の発見につながる場合もあります。バリウムを用いた胃エックス線検査は、主に胃の粘膜の凹凸を撮影して診断を行いますが、内視鏡では、先端にCCDがついたスコープを使い、カメラのモニターを見ながら観察できるため、病変の色の精密な検査が可能です。また、その場で組織を採取でき、確定診断のために細胞の性質を詳しく検査することも可能。当院では、多くの場合喉への圧迫が少ない経鼻内視鏡で検査を行っています。
- Q大腸の内視鏡検査では、どのようなことがわかるのでしょうか。
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A
大腸の内視鏡検査は、先端にCCDがついた管を肛門から挿入し、大腸の粘膜を観察します。腫瘍やポリープ、出血、炎症、憩室などの状態がわかり、大腸がん、腺腫、虚血性腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病などさまざまな疾患の早期発見や確定診断に役立ちます。検査前日と当日、下剤、腸管洗浄液による前処置を行い、腸の中をきれいな状態にした上で、肛門から内視鏡を挿入して調べていきます。検査は数十分で終了し、画面を見ながらその場で観察から判明した結果をご説明します。
- Qどのような方が検査を受けるべきなのでしょうか。
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A
胃の内視鏡は、痛み、もたれ感、胸焼け、喉の違和感などなんらかの不調がある方に検査を受けていただきたいです。また、症状がなくても、内視鏡検査を行うことで、がんの早期発見につながることがあります。がんは、早期発見することで、負担の少ない治療で対処することが可能です。川崎市では、内視鏡による胃がん検診を受けられるのは、2020年4月からは50歳以上の方が対象となります。大腸内視鏡は、血便や、便秘と下痢を繰り返すなどの便通異常の方にお勧めします。特に血便の場合、時間がたってしまうとどこからの出血かが判別できず、疾患の発見が遅れてしまうこともあります。必要に応じ、その日に検査をすることもあります。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診・説明
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内視鏡検査の経験の有無、既往歴、服用している薬、アレルギーなどについて問診し、検査の流れを説明される。患者からの質問にも応じているため、気になることがあれば些細なことでも質問しておくといいだろう。胃内視鏡は、原則予約制で午前中に行っているという。
- 2検査前の準備
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まず鼻腔に粘膜のむくみをとる薬剤を噴霧して鼻腔を広げる。その後、鼻の中にゼリー状の麻酔が入れられ、やわらかい麻酔用チューブが鼻腔内に通されていく。同時に喉にも麻酔薬をスプレーする。麻酔が効いてくると、喉の辺りの「ひりひりとした感覚」が消えてくる。喉の嘔吐反射が出にくくなったことを確かめてから検査を行うという。
- 3内視鏡検査
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患者はベッドで安静にし、医師と対面するように横を向く。通りの良い鼻のほうから内視鏡を挿入し、検査が行われていく。経鼻内視鏡は舌のつけ根を圧迫しないため、吐き気を感じにくいそう。検査中の会話も可能で、医師に質問などもできるという。通常の場合は6、7分ほどで検査終了となる。必要に応じて組織採取を行う場合は、多少延長するという。
- 4休憩
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検査が終わった後は、緊張感などから血圧の変動、ふらつき感などが現れることがあるが、その場合は、回復ベッドで休憩する。検査後約1時間は飲食が禁止。また、経鼻内視鏡の後は強く鼻をかんだりこすったりすることは、なるべく避ける。
- 5結果説明
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診察室で、検査画像を確認しながら検査結果の説明が行われる。検査画像はプリントアウトし、患者に渡される。検査の結果、より精密な検査が必要な場合、専門的な治療が必要な場合は、患者の希望も取り入れながら、病院への紹介も行っている。