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吉本 佳正 院長の独自取材記事

吉本歯科医院

(奈良市/新大宮駅)

最終更新日:2021/10/12

吉本佳正院長 吉本歯科医院 main

近鉄奈良線新大宮駅から徒歩1分の便利な場所にある「吉本歯科医院」。1980年の開業以来、地域の歯科医療に長く貢献してきた。院長の吉本佳正先生は、「嘘をつかない、ごまかさない」をモットーに、一人ひとりの患者に寄り添いながら、患者にとって“Best or Better”の治療方針を立案。患者が納得しなければ治療を進めないようにしているのだそう。同院の待合室には、吉本院長が趣味で撮影した動物や旅先の風景などの写真が飾られ、ギャラリー風のアートな雰囲気が漂う。さまざまな質問に丁寧にわかりやすく説明してくれる吉本院長に、医師をめざしたきっかけや診療の際に大切にしていること、プライベートでの趣味などについてたっぷり語ってもらった。

(取材日2021年6月8日)

進路に迷った受験時代を経て、歯科医師が天職に

まず、歯科医師をめざした理由がありましたらお聞かせいただけますか?

吉本佳正院長 吉本歯科医院1

親類に医師、歯科医師が多いのですが、開業医ではなく研究者や学者ばかりという環境でした。病院勤務している人もいて、その環境で育ったためかいつの頃からか医療の世界に憧れるようになっていたと思います。子どもの頃から手先が器用で、小学生の頃からアマチュア無線の受信器やラジコンを作ったり、大学時代にはステレオのアンプを作ったりしていました。最終的に歯科を選んだのは、医師や医療に携わっている親類が多かったため、子どもの頃から医療に興味を持っていたからということと、手先が器用な自分には歯科医師が天職かなと思ったからです。そうして選んだ歯科医師は、実際に天職だと思っています。

なぜここを開業地に選ばれたのですか?

私は奈良の出身ですが、中学・高校が大阪で、勤務医時代も大阪でした。ですから、友人も多く通い慣れた大阪で開業したかったのですが、一人っ子でしたから親のことも考えて、駅ができたときから知っている新大宮で開業しました。当時は田畑がいっぱいの場所でしたが、宅地開発が進み、小さい子どもがいるファミリー層が多いエリアになって、患者さんも比較的若い家族が多かったですね。現在は、この土地で育った子どもが独立したシニア世代が中心で、長い付き合いの患者さんが多いですね。

患者さんに多い主訴は何ですか?

吉本佳正院長 吉本歯科医院2

高齢の患者さんが多いこともあり、入れ歯と歯周病が多いですね。歯周病は年を取ってからの病気だと思われがちですが、40歳を過ぎたら歯周病にかかっている方は結構多いですよ。入れ歯に関しては、当院は常勤の歯科技工士がいますので、義歯が破損しても30~90分ほどで修理に対応するようにしています。待合室にポスターが貼ってありますが、歯科医師会で40歳くらいから20年ほど歯周病の啓発活動をしていた関係で、画像編集ソフトを使って原稿から版下まで自分で作ったんですよ。ポスターはこれまで160枚くらい作ったでしょうか。歯科医師会のパンフレットなども20種類ほど作り、患者さんのデンタルIQの向上に取り組んできました。

「嘘をつかない、ごまかさない」を基本に診療していく

診療の際に大切にしていることはありますか?

吉本佳正院長 吉本歯科医院3

モットーは「嘘をつかない、ごまかさない」です。いい加減なことは言いません。セカンドオピニオンで来院された患者さんには、他院との比較ではなく、現状から判断してあくまで当院の方針をお伝えします。とても難しいのですが、患者さんが傷つかないように、しかし本当のことを伝えるようにしています。一番大事なことは、いわゆるインフォームドコンセントといわれることですが、十分な説明と理解、納得までいって初めて治療ができると思うんです。そして思いやりですね。

患者さんに十分に説明を行ってから治療を始めるのですね。

いろいろな患者さんがいます。レントゲンの所見も口腔内の症状もさまざまですから、同じ治療方針をすべての人には適用できません。患者さんの考えや希望に寄り添いながら、治療方針を決めていきます。「どうしても抜きたくない」という人の場合は、今抜かないような治療はできますが、1、2年で抜かなければいけなくなる可能性が高いことを説明した上で治療を始めることも。すべての治療は歯科医師の判断だけでなく、現状とこれからのことを説明し、患者さんが納得された上で行うことが大切です。

抜歯しなければならないケースでは、どのように患者さんに伝えるのですか?

吉本佳正院長 吉本歯科医院4

初診時にレントゲンを撮った後、すぐに説明しています。初回の説明が重要ですから、時間を取って丁寧に説明していきます。私自身が病院に行ったときは担当の先生から詳しく聞きたいですから。症状は自分でわかるとして、正式な病名や治療方針、日常生活の過ごし方など、いろいろ聞きたいですね。ですから、私も患者さんにはきちんと説明し、患者さんの疑問や不安を取り除くように心がけています。それでお互いが通じ合えば信頼関係ができると思うんです。信頼関係は治療においてとても大切なことです。

「自分の歯は自分で守る」という気持ちを持ってほしい

これまでに影響を受けた人はいますか?

吉本佳正院長 吉本歯科医院5

5年間勤務していた大阪国際ビルの歯科医院に週1回、指導に来てくださっていた松村敏治先生です。もう亡くなられましたが、松村先生は大阪大学歯学部附属病院の病院長を退官されたのち、国際ビルメディカルセンターにあった歯科医院で指導していただきました。今でいう歯周病学の教授で、口腔外科についても教えていただき、抜歯に関することも含め、松村先生から教えていただいたことがずっと役に立っています。

お忙しい毎日だと思いますが、趣味や健康法について教えていただけますか?

趣味はたくさんあるのですが、まずは10年ほど前に始めた写真撮影ですね。大阪のシュピーゲル写真家協会に所属しています。写真のために絵画を学ぶ必要があって、キュービズムやジャポニズムなどの表現も勉強してきました。旅行も好きですが、北海道と沖縄ばかり行っています。あと、洋ランを育てたりするのも好きで、温室はありませんが専用の部屋で冬場はヒーターを入れて育てているんですよ。いろいろなジャンルの雑学も好きです。雑学は人間を豊かにします。健康法は特にないのですが、写真を撮るために歩くのが良い運動になっていますね。これまで入院するような病気をしたことはありません。「歩かなければいけない」と思いながら歩くのは嫌なので、カメラを持ってぶらぶら、あちこち自分の撮りたいものを探しながら歩くのが健康の秘訣だと思います。

今後の展望などについてお聞かせください。

吉本佳正院長 吉本歯科医院6

開業して40年が過ぎ、私も年を取りました。今は同じ歯科医師の娘が、月火水の午前中の診療を担当してくれています。当院を継いでくれたら一番いいのですが、それは本人次第ですから強要はできません。私としては、ごまかさず、嘘をつかず、患者さんが喜ぶだけの言葉は言いませんが、患者さんの気持ちを察して治療を進めていくことを大事に、これまでのように患者さんとの信頼関係を大切にして、地域の患者さんの歯の健康に寄り添っていきたいと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

当院は、良質な歯科治療を通して地域の方の健康増進に貢献したいと考えています。診断結果をもとに患者さんのご希望をできるだけ取り入れて“Best or Better”の治療方針を立てています。読者の皆さんには、「自分の歯は自分で守る」という気持ちを持っていただけたらうれしいですね。これは健康な歯を維持するための究極の目標です。自分でできるブラッシング、食べ物への注意などに気を配って、何かおかしいなと思ったときはすぐに歯科医院に行って相談・治療することが大切です。

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