手術支援システムを活用した
長期安定をめざすインプラント治療
小川歯科医院
(岡崎市/岡崎駅)
最終更新日:2021/11/15
- 自由診療
失った歯の代わりに、人工歯根を埋入し、その上に人工歯を装着するインプラント治療。1本単位の手術が可能で、「第2の永久歯」と呼ばれるような天然の噛み心地と、自然な見た目が特徴となっている。その一方で、人工物を顎骨に埋入するという手術のイメージから、不安や恐れを抱く人も少なからずいるようだ。患者にとって最善の治療法を常に追求し続ける「小川歯科医院」の小川比佐誌院長は、東京都内の専門歯科医院でインプラント治療の技術を学ぶなど、日々研鑽を積む気鋭の歯科医師。従来の方法とは異なるフルデジタルのナビゲーション・システムを活用し、より正確で、手術時間の短縮をめざしたインプラント治療に取り組んでいる。小川院長に、インプラント治療とほかの治療との違い、さらに検査や治療の流れについて解説してもらった。
(取材日2021年10月8日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qインプラント治療の特徴について教えてください。
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A
歯を失った部分を補う補綴の一つで、ほかの歯に頼ることなく自立して装着できるのが特徴です。両隣の健康な歯を削るブリッジや、健康な歯にばねを引っかける義歯は、ほかの歯を傷める難点がありました。その点、インプラント治療は、インプラントを埋入し、その上に人工歯を装着するので、独立して使用することができるのです。とてもシンプルな治療法ですが、直接、顎骨にくっつく構造になりますので、天然歯のような噛み心地が期待でき、長期にわたって使用していただけます。当院では、フルデジタルのインプラント・ナビゲーション・システムを導入し、埋入誤差の少ない手術をめざしています。
- Qインプラント治療は、誰でも受けられますか?
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A
顎の骨が安定していない16歳以下の方や骨量の少ない方はすぐには治療ができません。後者は骨移植などの治療をしてからになります。骨粗しょう症のお薬を飲んでいる方も、骨の転化・吸収が抑制されている状態なので、休薬していただく必要がありますね。あと、治療では麻酔とエックス線検査を行いますので、妊婦さんは出産後が良いでしょう。糖尿病や高血圧など全身疾患をお持ちの方は、主治医と相談してコントロールしていただき、ほかの歯の病気、歯周病や虫歯なども先に治療を済ませていただければ、どなたでも手術が可能です。
- Qインプラントを長持ちさせるために、気をつけることは?
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A
やはり歯磨きなどのケアをしっかりしていただいた上で、定期的に検診していただくことです。患者さんによっては、噛み合わせの調整も必要になるでしょう。私たち歯科医師もインプラントを埋入する際に、ケアしやすいよう位置を考慮し、かぶせる歯も汚れのつきにくい材質を選び、掃除しやすいように形態を整えていきます。インプラントを埋めてすぐに強い力をあてると良くないので、ぶつからないように調整し、なじませる期間を設けるなど、多くの技術と知識を駆使しています。手術がうまくいき、患者さんが大切にケアし続ければ、長期間、安定してしっかり噛めるのがこの治療の良いところです。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診・口腔内診査
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問診とともに口腔内の状態をチェック。口腔内写真撮影、エックス線検査、さらに歯周病の検査として歯周ポケットの深さや歯の動揺度などを確認していく。患者一人ひとりを大切にし、長く関わっていきたいとの思いから、虫歯の痛みや腫れなど緊急時の処置を除いて、どの患者に対しても最初にこれらを行うのが同院の方針。歯周病やほかの歯の治療をすることによって、その後の治療計画も変わってくるので丁寧に行う。
- 2基本的な治療
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虫歯の治療、歯の根っこの治療、歯周病の治療など、必要な治療を行う。その際に口の反応を見て、薬のアレルギーがないかも確認。日頃のケアも大切なので、きちんとした歯磨きの指導も欠かせない。その上で、義歯・ブリッジ・インプラント各治療のメリット・デメリットの説明を受けながら、大まかな治療方針を決める。自分の希望を伝えておくことも大切だが、同院では長期的に見て患者にとってより良い治療法を提案してくれる。
- 3カウンセリングと歯科用CTによる検査
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インプラント治療が決定したら、具体的な治療計画や費用などの説明を受ける。飲んでいる薬、生活習慣、麻酔の不可、倒してもいい椅子の角度など、安全に治療を進めるための情報を伝えることも大切。チタンアレルギーの患者には、ジルコニア製インプラントの提案も。並行して3Dの歯科用CTによる画像検査を行い、顎の骨の幅や高さ、内部構造などを調べて、骨量などが不足している場合は、骨造成手術を別途行う。
- 4インプラント手術
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同院ではフルデジタルのナビゲーション・システムを導入し、4台のモニターで3DのCT画像や複数のデータをリアルタイムに見ながら、ナビゲーションに沿って適切な位置と角度にインプラントを埋入していく。旧来の方法のように大きく口を開けてテンプレート装置を入れる必要がなく、誤差も少ないそう。歯肉を切開せず、傷口も小さいので、縫合も不要。手術時間は1本あたり30分ほどで、前後に麻酔などの処置時間がかかる。
- 5メンテナンス・検診
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手術後は、消毒、仮歯の噛み合わせなどの調整をしながら、1ヵ月半後に型採りをし、2週間後に本歯を入れる。その後は、3~4ヵ月に1度を目安に、メンテナンスと定期検診を受ける。インプラントは長く持っても、装着した人工歯に異常が起こることもあるので、自己判断ではなく、歯科医師による確認が必要だ。また、良い状態を長く維持するためには、患者自身の日々の念入りなブラッシングとケアも欠かせない。
自由診療費用の目安
自由診療とは一次手術/22万円~(1本)、二次手術+アタッチメント/10万円~、骨造成/6万円~