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武田 泰三 院長の独自取材記事

たけだ歯科医院

(広島市安佐南区/西原駅)

最終更新日:2022/01/31

武田泰三院長 たけだ歯科医院 main

広島市中心部から少し離れた、ファミリー層が多く暮らす安佐南区に位置する「たけだ歯科医院」。まるで一軒家のようなしゃれたたたずまいでリラックスして診察を受けることができそうだ。待合室は広めで、クリニック入り口は車いすやベビーカーのまま入れるバリアフリーになっており、子ども連れの人も安心して通えるような造りになっている。診療室はプライバシーに配慮して仕切りを設置。院長を務めるのは武田泰三先生。自身も子どもの頃に虫歯でつらい思いをし、2回の矯正も受けている。その経験を生かし、虫歯予防と小児矯正に強い信念を持って取り組んでいる武田先生に、治療に対するスタンスや今後の展望などについて話を聞いた。

(取材日2021年12月6日)

唾液のチェックで口腔内トラブルの原因を究明

こちらで開業された理由と、来院される患者層について教えてください。

武田泰三院長 たけだ歯科医院1

当院は1998年に開業しました。もともとはこの近くにあったのですが、手狭になりもう少しチェアの台数を増やしたいという思いから、2年前にこちらに移転しました。患者さんは、30〜40代くらいのお父さん、お母さん、幼児から小学生くらいのお子さんといった感じで、ファミリーでいらっしゃる方が多いです。この地域の方々は歯科に対する意識が高いと感じます。私が以前勤務医をしていた病院の患者さんは非常に虫歯が多く治療する部位がかなりあったのですが、開業して当院へ来られる患者さんは皆さん口の中をきれいにされています。

予防と矯正がこちらの歯科医院の柱になっているとのことですが、経緯について教えてください。

私自身、子どもの頃から口腔内のトラブルが多く苦労してきました。虫歯がたくさんできてしまい歯科医院へ行ったら怒られて、歯科医院が大の苦手でした。さらに大人になるにつれて噛み合わせがずれてきて、ある日から片頭痛や不整脈が出るようになってしまったのです。その頃は歯科の勉強をしていたので、体調不良と噛み合わせが関係しているのではないかと思い、矯正を受けることにしました。1度目は20代半ば、2度目は30歳の時に行いました。そういった経験から虫歯予防と噛み合わせの大切さを実感し、今の子どもたちに私と同じ思いをしてほしくないという思いから当院の柱にしました。

こちらでは唾液のチェックをされているそうですね。どのようにされているのでしょうか?

武田泰三院長 たけだ歯科医院2

当院では患者さんの同意をいただけたら、治療を開始する前に唾液のチェックをしています。虫歯になったから治すというのは、結果だけを治しているだけで原因を追究していないんです。その原因をきちんと調べ、改善していきたいという思いで導入しました。唾液チェックでわかるのは、虫歯菌や唾液の性状などです。食生活も含めて調べると、1年後にどのくらい虫歯になるかが予測できるようにもなります。これらをお調べした結果から、どうして虫歯ができたのか、虫歯になったのはこういうメカニズムが働いていることも考えられますよということを説明しています。虫歯菌の量も性状も唾液分泌量も、食生活も一人ひとり違いますし、虫歯は一つの原因だけでできるわけではなくて、さまざまな原因があってできます。こういったことを知識として知っていただくことで、食事や歯磨きへの納得感や理解を深めていただければと思っています。

早めの矯正で機能異常にアプローチしていく

最近目立つお子さんの口の中の症状について教えてください。

武田泰三院長 たけだ歯科医院3

顎の小さいお子さんが多いと感じます。一言で理由を挙げるのは難しいのですが、おそらく小さい時からの姿勢や離乳食の問題や食生活などが関係しているのではないかと思います。物を飲み込むときの舌の位置や、話をするときの舌の使い方が悪いので顎が小さく育ってしまうのです。呼吸をするときも口がポカンと開いている子が多いですが、そういう子は姿勢も悪いです。姿勢が悪いと舌が下に下がってしまいます。舌は本来上顎にあるのが正しい位置なのですが、下に下がっていると上顎が広がりません。上顎が広がらないと下顎も広がらないので、結果として歯並びが悪くなってしまいます。虫歯に関してはずいぶん減ってきています。虫歯を予防するという親御さんの意識がだいぶ高くなってきたことと、フッ素が普及したことがその理由なのかなと思います。

小児矯正に尽力されている理由をお聞かせください。

先ほども申し上げましたが、歯並びの悪さは顎が小さく育ってしまっていることが原因の一つです。小さい顎にガタガタに歯が生えて、生えた後から抜歯して正しく並べるというのはちょっと違うのではないかなと思います。きれいに並ばないなら顎を大きくして、歯が並ぶスペースを作るほうが理にかなっていると思っています。大人になってからでは顎を大きくすることはできません。そのため私は5〜6歳で矯正をスタートさせるのが理想だと考えています。歯並びが悪いというのは、単に見た目が悪いというだけの問題ではありません。呼吸や物を飲み込む、発音する、噛むなどの機能異常として現れます。本来人間は鼻で呼吸をする生き物ですが、口で呼吸をしていると体調不良を引き起こしてしまいます。また姿勢も悪くなりますし、長い目で見ると運動機能も衰えていくのです。早めに機能異常を正していくことが、お子さんの健全な成長発育につながります。

お子さんの矯正に踏み切るタイミングについて教えてください。

武田泰三院長 たけだ歯科医院4

3〜4歳ごろに乳歯が生えそろいます。この時、隙間がなかったら黄色信号、そしてガタガタだったら赤信号で矯正を考えていただいたほうがよいかと思います。先生によって見解が分かれるのですが、私としては5〜6歳くらいでスタートを切らないと顎が広がらないと考えています。矯正は特殊な分野なので、残念ながらすべての歯科医師が理解しているわけではありません。親御さんが歯並びについて相談したとしても、顎を広げようという発想がなく、中学生くらいになってから矯正を始めましょうとおっしゃる先生もいらっしゃると思います。お子さんの矯正についてご相談する場合は、矯正を専門にされている先生でも、小児に特化しているかどうかがとても重要です。

同院に関わる人の健康状態を日本一にすることを目標に

歯科衛生士さんへの教育などはどのようにされているのでしょうか?

武田泰三院長 たけだ歯科医院5

発症する前に予防をしようという考え方を徹底することに力を入れています。歯科衛生士も虫歯や歯周病などを治したいという思いがあるからこういう仕事に就いているわけです。しかし、発症前に患者さんに気づいてもらって維持してもらうという考え方がベースにないと予防のシステムは成り立たないのです。予防はチーム医療なので、予防に対する共通認識を持つことがとても大切です。また、技術面ではセミナーへ行ってもらいレベルアップを図っています。

患者さんと接する上で心がけていることを教えてください。

開業した23年前は虫歯予防の話をしてもピンと来てもらえませんでした。そういう人が初めはたくさんいらっしゃいましたが、それを少しずつ変えていくという意識改革を時間をかけて行っていきました。唾液チェックにしても、患者さんのためにやっているということの理解を得るまでに苦労しました。どうして唾液をお調べする必要があるのかという疑問を持たれる患者さんもいらっしゃるので、チェックを受ける意味を理解してもらうのが大事だと考えています。やはり一気にこの予防システムを作ろうとしても無理なので、繰り返しご説明をして差し上げてその都度理解していただくことの必要性を感じます。そういう意味でも患者さんとのコミュニケーションを心がけています。

今後の展望について教えてください。

武田泰三院長 たけだ歯科医院6

予防というのは、一朝一夕で成り立つわけではなくて、長期戦になるわけです。まだ当院をご存じない方もいらっしゃるので、もっとアピールしていきたいなと思っています。子どもの矯正に関しても、先ほどお話ししたような顎を広げるための方法があることをご存じない方もいらっしゃると思いますので、もっと情報発信をして少しでも理解してもらいたいです。予防と矯正のほかに、歯周病予防にも力を入れていきたいと考えています。30代以降になると歯周病の予防のためにきちっとコントロールしていく必要があります。歯医者は痛くなったときだけ行くところではなく、発症する前に予防するという考えを大切に、当院に関わる人の健康状態を日本一にすることを目標にしていきたいです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

小児矯正/40万円~

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