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日野 喜彦 院長、錦織 拓馬 副院長の独自取材記事

日野歯科医院

(久留米市/善導寺駅)

最終更新日:2024/02/06

日野喜彦院長、錦織拓馬副院長 日野歯科医院 main

久留米市善導寺町にある、白の中に青や水色の差し色が明るい印象を与える建物が「日野歯科医院」だ。院長である日野喜彦先生が同院を開業したのは1985年。その当時から障がいの有無などに関係なく誰もが等しく医療を受けられるノーマライゼーションをめざしており、新しく建てられたクリニックの造りにもその想いが反映されている。院長の娘婿でもある錦織拓馬(にしこおり・たくま)先生も小児歯科や障がい者の治療に注力してきた経歴があり、院長の精神を引き継いで治療にあたっている。明るく開放感のある院内で、クリニックの歴史と想い、そして今後めざしていく姿について詳しく話を聞いた。

(取材日2023年7月6日)

怖くない、誰でも来られるクリニックをめざして開業

開業は1985年。40年近く前になるそうですね。

日野喜彦院長、錦織拓馬副院長 日野歯科医院1

【日野院長】現代なら当然のようにあるバリアフリー環境、例えば車いすの方が移動するためのスロープや専用の診療台、車いすのまま入れるトイレなどを、40年近く前に取り入れているクリニックはほとんどなかったと思います。なので開業するにあたって、私自身がクリニックのデザインと設計をしたんです。「歯医者らしくない」がコンセプトで、真四角な見た目にせず、青・水色の差し色も入れました。また白衣も着ません。有名なキャラクターのイラストが描かれたエプロンやシャツを採用したのも、お子さんに視覚的な恐怖心を与えないためで、大きなキッズルームも造りました。おかげで本当にお子さんに好かれる場所になったように思いますし、治療がなくてもクリニックに来て、宿題をして帰るお子さんもいましたよ。

当時ではかなり画期的なクリニックだったのではないかと感じます。

【日野院長】私自身も子どもの頃、歯科で治療を受けて「怖い」と思った一人でした。だから楽しい、怖くない、痛くないクリニックをつくりたいと思ったんです。福岡歯科大学で学んでいる間に、治療も当然ですが、お子さんや障がいのある方がリラックスして治療を受けるためにはどうすればいいのかと考えていました。だから開業当初からノーマライゼーション、つまり誰でも通いやすいクリニックをめざしていましたし、実際に障がいのある方の治療も受け入れ、ご自宅や施設などへの訪問診療にも取り組んできました。副院長は2022年に当院に合流したのですが、私のその想いに近しい考えを持っていて、私がつくったノーマライゼーションをベースに、インプラント治療やホワイトニング、大人・お子さんの矯正など新しいことにも取り組んでくれています。

リニューアルした院内にも以前のエッセンスがたくさん残っていますね。

日野喜彦院長、錦織拓馬副院長 日野歯科医院2

【錦織副院長】そうですね。新しくなったクリニックも、院長のカラーはそのままに、天井を高くしてさらに開放感を持たせています。この「誰でも来られる、怖くない歯科」をつくりたいという院長の想いは私にも共通するもので、こちらの診療に加わった理由でもあります。以前は志免町にあるクリニックに数年勤務し、そこでもお子さんから年配の方まで幅広く治療をしていました。子どもはもともと大好きで、そのクリニックでもダウン症や自閉症のお子さんの治療にも積極的に携わっていました。最初はうまく歯磨きなどができなくても、何度か通っているうちに上達していく、その変化や成長を見届けられたら、歯科医師としてのやりがいにもつながると感じます。

痛くない、怖くない、納得できる治療の提供を

治療で大切にしていることは何でしょうか?

日野喜彦院長、錦織拓馬副院長 日野歯科医院3

【日野院長】痛くない、怖くない、納得できる、ですね。まずは患者さんの希望をよく聞き、お互いに納得の上で治療に入ります。それは副院長も同じようですね。
【錦織副院長】はい。もちろん歯科医師として患者さんに応じたベストな治療を提案しますが、それがすべてできるかどうかは別問題です。患者さんの考えとしっかりすり合わせ、お互い納得の上で治療を行います。もちろんそれはご年配の方であっても、小学生であっても、障がいがあっても変わりません。とはいえ障がいのあるお子さんを持つ親御さんは不安もあるでしょうから、さまざまな工夫は取り入れています。例えばSNSで当院の様子を発信したり、そこから親御さんの質問を受けつけたりすることもあります。また親御さんが前もって当院に来て写真を撮り「今度ここに行ってみようか?」とお子さんに話した上で来院されることもあるようです。

SNSを活用しておられるのも印象的です。

【錦織副院長】子どもの成長のワンシーンとして当院での様子を撮影したいと考えている親御さんもおられますし、きょうだいで来てお互いの様子を見ることもできますよ。そうやって、当院に来ることが楽しみや喜びのきっかけになれば良いなと思っています。中高生になると部活などでなかなか時間が取りづらくなりますから、小学生の間にこうして楽しみながら、お子さん自身の意思で歯科に来る意識が根づけば、中高生以上の年齢になっても、抵抗なくメンテンナンスや治療でクリニックに足を運べるようになるでしょう。小児の診療では生活習慣も伺いながら、「あめを食べたらうがいをしようね」「お菓子を食べるならこういうのがいいよ」など、具体的なアドバイスを心がけています。

障がいのあるお子さんに対してはどのような工夫を?

日野喜彦院長、錦織拓馬副院長 日野歯科医院4

【錦織副院長】絵カードを使ってその日に行う治療を説明するようにしています。とはいえ、私にとって障がいのあるお子さんの治療が特別なものだという意識がないので、基本的にはどのお子さんに対しても同じスタンスです。ただ志免町と違い、この筑後エリアで障がい児の診療を行う医療機関は数が限られています。大きなところでは聖マリア病院でも対応していますが、遠方からだと親御さんが付き添って通院するのも大変ですし、虫歯であっても予約が多くて診療がずいぶん先になるなど、治療までのハードルが高いのが現状です。当院が基本的なフッ素塗布や虫歯治療などを受け入れていけば、聖マリア病院の負担も減らせるのではないかと思います。

「遊びのついでに治療する」ような明るい場所をめざす

「治療の場」だけでなく患者さんの「居場所」としてクリニックづくりを行っている点が印象的です。

日野喜彦院長、錦織拓馬副院長 日野歯科医院5

【錦織副院長】クリニックではあるものの、地域のコミュニティーの一つとしても活用していただきたいと考えています。親御さん同士や地域の方々の交流の場としてもそうですし、先日は高校生の患者さんが以前の担任の先生とたまたま再会している場面もありました。そういう明るい場所でいられる理由の一つに、スタッフの存在があると感じています。院長の代からのスタッフは全員まだ在籍していますし、新しいスタッフもすぐになじんでいます。居心地の良さは患者さんだけではなくスタッフも同様で、子育てをしている人も多いですから、いつでも休みが取れるような環境づくりはこれからも積極的に進めていきたいですね。

もう一人の歯科医師、松尾龍一先生は副院長のご友人でもあるとか。

【錦織副院長】大学時代からの信頼できる友人で、ともに切磋琢磨する心強い仲間です。彼はとても人当たりが良く、患者さんやスタッフともすぐに仲良くなるんです。仕事を楽しんでくれているのも感じますし、勉強家でもあるので、セミナーに行ってはお互いに得たものを情報交換しています。松尾先生のご実家も歯科のクリニックで、週に1回はクリニックのある唐津へ行き、ご実家の治療にも今の学びを取り入れているようです。
【日野院長】あとからわかったのですが、以前アメリカのセミナーに一緒に行っていたメンバーの先生の息子さんだったんですよ。これも縁なのだと実感しています。

今後の展望をお聞かせください。

日野喜彦院長、錦織拓馬副院長 日野歯科医院6

【錦織副院長】院長から続く「誰であっても治療を受けられる場所」という点はずっと変わりません。いずれはリフォームしてユニットを増やしたいとも考えていますし、コミュニティーとして地域に根差していきたいとも思います。また保育士の資格取得をめざして勉強中なので、それも親御さんの安心材料の一つになればと思っています。もちろん歯科医師としてさらに良い治療をめざしていきたいですし、障がい者歯科の診療範囲も広げていきたいとも考えています。そして一番の願いは、障がいの有無にかかわらずたくさんの子どもたちに気軽に来てもらうこと。公民館や駐在所のような雰囲気で、「遊びに行くついでに歯科の治療もする」と思ってもらえるような、明るくて温かい場所にしていきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/35万~50万円
成人矯正/77万~100万円
小児矯正/11万~50万円
ホワイトニング/2万5000~6万円
※症状や症例によって価格は変動します。詳細は歯科医院までお問い合わせください。

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