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貴島 理子 院長の独自取材記事

貴島消化器内科クリニック

(鹿児島市/鹿児島中央駅)

最終更新日:2023/11/06

貴島理子院長 貴島消化器内科クリニック main

消化器内科・内視鏡内科の診療を行う「貴島消化器内科クリニック」。2019年から院長を務める貴島理子先生は25年以上、消化器内科・内視鏡診療に従事してきた日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医。同院でも胃・大腸の内視鏡検査やピロリ菌検査、腹部超音波検査に注力し、胃の内視鏡検査は予約不要で当日の検査にも対応している。また、院長をはじめ在籍しているスタッフが全員女性であることも特徴で、女性が検査や診療を気兼ねせず受けられるよう環境を整えている。「まずは患者さんの話をよく聞くこと。そして速やかに検査、診断をして適切な治療を行うことを心がけています」と貴島院長。その診療スタイルは、前院長である吉井紘興先生から受け継いだものだという。貴島院長にクリニックの診療内容や特色について詳しく聞いた。

(取材日2023年9月1日)

大切な人のために、早期発見・早期治療を

先生が医師を志した理由を教えてください。

貴島理子院長 貴島消化器内科クリニック1

医師である父から、「この仕事はいいぞ」「女性も資格を持ったほうがいいぞ」と言われながら育ったんです。仕事帰りにシュバイツァーや野口英世などの伝記をよく買ってきてくれて、私も幼いながらに将来は医師になるんだと思っていました。父の本棚には医学の専門書もたくさんあり、常に医学が身近にありました。私は姉と弟の3人きょうだいの真ん中で、姉は医学の専門書にはまったく興味を示しませんでしたが、私と弟は父の言葉に従い、医師になりました。

学生時代についてお伺いします。

大学は親元を離れて県外に出ました。ホームシックなどはなく、自由を謳歌しようと、学業よりもよく遊んでよく飲み歩いていました(笑)。しかし、大学3年の時に家族が脳疾患と診断され、余命2年半と宣告されました。私も家族もたいへんショックを受けました。結局3年半の闘病の末、私が大学6年の時に亡くなりました。医師になる前に、最愛の家族を失うという経験は私にとってとても大きかったように思います。患者の家族という経験もしているので、患者さん本人だけでなく、その家族の思いや大変さにも寄り添うことができる医師になろうと思いました。

消化器内科、内視鏡内科を専門にしたきっかけは?

貴島理子院長 貴島消化器内科クリニック2

初めは整形外科や外科に興味がありましたが、大学6年の臨床実習で内視鏡の先生に2週間のマンツーマンで教えていただいた時に、「これだ」と思いました。内科でありながら内視鏡を用いて、直接臓器を観察、診断した後、病変によっては治療までできるという、外科にも通ずるところに強く魅力を感じました。また、早期発見することにより、早期治療が可能で、がんでも根治することが望めるのです。卒業後は恩師のいる医局に入局し、消化器内科の医師としての基礎を教えていただきました。医師になりたての頃は内視鏡検査が大好きで、先輩の先生方の技術を学ぼうと内視鏡室に入り浸っていました。その後は父の勧めもあり、鹿児島に戻って鹿児島大学病院でさらに研鑽を積みました。

患者の困り事に迅速な診療と検査を

なぜこちらのクリニックに勤めるようになったのですか?

貴島理子院長 貴島消化器内科クリニック3

当院の前身は、1995年に吉井紘興先生が開業された「吉井胃腸科肛門科」です。父と吉井先生とは大学の同級生で、そのご縁からお声をかけていただいたんです。ちょうど息子が1歳になった頃の2008年のことでした。当初は非常勤でしたが、2010年から常勤となり、主に腹部超音波や胃・大腸の内視鏡などの検査を担当していました。検査件数も多く、その経験が今の診療にもつながっています。それから2017年に「吉井消化器内科クリニック」に名称が変更され、2021年には吉井先生が勇退されました。現在は私が院長として、吉井先生がこれまで築かれてきた診療体制を軸に、患者さんのニーズに速やかにお応えしながら、日々治療にあたっています。

2023年の9月に院名を新たにされたそうですね。

当院を引き継いだ2019年以降、先代の吉井先生からも「遠慮せずに院名を変更してはどうか」と言われてきましたが、長く続いているクリニックですし、吉井先生を慕っておられる患者さんもいらっしゃいましたから、混乱を避ける意味でも、もう少し時間を置きたいと考えていました。そんな中、昨年、吉井先生がお亡くなりになり、そこから約1年が経過した区切りに院名を変更することにしました。吉井先生は、症状のある人はすぐに検査をし、必要な処置や病院への紹介につなげるなど、患者さんのことを考えてとてもスピーディーに診療なさる方でした。そのスタイルは変えずに受け継いでいきたいですね。吉井先生の優しく厳しい姿勢を踏襲しつつ、私はより優しくを意識しています。受け継ぐべきところは受け継ぎ、自分らしさも大切にしながら診療していきたいと思います。

診療ではどのようなことを心がけておられますか?

貴島理子院長 貴島消化器内科クリニック4

まずは、患者さんの症状や訴えにきちんと耳を傾けることでしょうか。そして必要な検査をして速やかに診断し、適切な治療を行うということです。これは当院の特徴でもあるのですが、その日に食事をしていなければ腹部超音波検査や胃の内視鏡検査を予約なしで受けていただくことができます。何かしらの症状があって病院へ来たのに「また、何月何日にお越しください」では、患者さんは検査日まで不安を抱えて過ごさなければなりません。予約が必要な大腸検査も、症状によっては当日に検査をすることができます。例えば、お尻から出血したということであれば、まずは肛門鏡で診て、痔でなかった場合、前処置なし、もしくは浣腸をしてから内視鏡検査を行い、診断につなげることもできます。痛みや症状を抱えて来院されている患者さんに、予約制だから今日は診療できませんというのはあんまりですよね。医師として皆さんの不安を取り除くことが大切だと考えています。

がんで命を落とさないために受けておきたい内視鏡検査

大腸がんが増えていると聞きます。

貴島理子院長 貴島消化器内科クリニック5

そうですね。男女ともに増えてきています。大腸がんが怖いのは、早期の場合ほぼ自覚症状がないところです。逆にいえば、早期で見つかれば治療につなげられる病気といえます。40歳以上になると罹患率や死亡率などリスクが高くなりますので、40歳以上の患者さんには大腸内視鏡検査をお勧めしています。検査を受けることにより、前がん病変であるポリープの除去も期待できますので、40歳を過ぎた方や症状の有無によらず、気になる方はぜひ気軽に相談してほしいです。

先生ご自身ががんの手術を受けられたと伺っています。

実は、昨年の10月に乳がんが見つかって、11月に乳房の全摘出手術を受けています。毎年、乳がん検診を受けていたので、幸い早期に見つけていただきました。胃がん、大腸がんは女性特有のがんではないため、検診から遠のいてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、早期で見つかれば根治が期待できるがんです。しかも胃や大腸の場合、内視鏡による切除も可能ですから、治療後の痛みや体表面の傷も少ない切除が望めます。自分自身の体験からも、がんの早期発見の重要性を実感しています。定期的な検診はぜひ受けていただきたいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いいたします。

貴島理子院長 貴島消化器内科クリニック6

患者さんご自身、そして大切な人のために躊躇せずに早めに受診していただきたいです。大腸検査は、恥ずかしい、怖い、つらい、痛いなどのイメージがあると思いますが、当院は私を含め、スタッフ全員が女性ですし、検査も鎮静剤や鎮痛剤を適切に使用し、内視鏡技術を駆使して苦痛の少ない検査を心がけています。ぜひ私たちを頼っていただければと思います。スタッフのモットーは、患者さんの気持ちに寄り添うこと。受付の際はもちろん、電話対応でも患者さんが不快な思いや不安にならないよう、気をつけてコミュニケーションを図り丁寧にお話しすることを心がけていますので、ぜひ気軽に足を運んでみてください。

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