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村田 悦男 院長の独自取材記事

村田外科・胃腸科・ひふ科医院

(熊本市中央区/熊本駅)

最終更新日:2022/05/30

村田悦男院長 村田外科・胃腸科・ひふ科医院 main

熊本駅から延びる産業道路沿いに、樹齢400年の大槇とともに4階建ての「村田外科・胃腸科・ひふ科医院」がある。近くには同一法人運営の老人ホーム「江南の杜」も設けられ、周囲には商業施設も並び、古くからの住民も多い地域だ。村田悦男院長は、江戸時代から続く医家・村田家に生まれ、先祖代々受け継いできたこの場所で地域医療を支え続けている経験豊富な医師である。現在もそれぞれの専門を持つ医師とともに、外科・胃腸科・皮膚科の診療に従事する。医師として人に誠を貫くこと、「至誠一貫」を座右の銘とする院長は「患者さんがよくなることが第一」と、西洋医学と東洋医学を組み合わせながら柔軟な統合医療を提案。フレンドリーで気さくな人柄にも患者からの厚い信頼が集まる村田院長に、診療方針や今後の展望についてさまざまな話を聞いた。

(取材日2022年2月25日)

約250年にわたり先祖代々、地域医療を支え続ける

村田家は約250年続く医師の家系だと伺いました。先生で何代目になるのでしょうか?

村田悦男院長 村田外科・胃腸科・ひふ科医院1

私で8代目ですね。江戸時代中期に細川藩7代藩主に召しかかえられたと古文書に残っています。初代は、京都で漢方などを学び、産婦人科にも携わっていたと聞いています。幼少期からこうした話を聞きながら育ちましたので、先祖の想いを絶やさず村田家の後を継いでいきたいという夢がありました。もちろん、祖父も父も、叔父も医師でしたから患者さんの治療にあたる家族の背中を見ていたのも影響しています。父が現役だった頃は、現在のような医療制度がない時代には、お金の代わりにお米や野菜を持ってくる患者さんもいたのですが、父はどんな患者さんにでも分け隔てなく接していました。そんな姿に、医師は尊い仕事なのだと感動したのを今でも覚えています。

先祖代々、この地域の医療を支えていらっしゃるのですね。大切にしている教えなどはありますか?

人に誠実であることを、父は大切にしていました。また、小さい頃は「清く正しく朗らかに」という言葉をよく聞かされました。その背中を見て育った私の座右の銘は「至誠一貫」です。医師として、人に対しての誠を貫くことを大切にしています。先祖代々伝わる家訓というわけではありませんが、村田家の家風を示すのならば、この言葉がぴったりかもしれません。患者さんに対しても誠実でありたいという思いから、ここまで医師を続けてきました。そうした思いもあってか、中には医師と患者という垣根を越えて家族ぐるみのお付き合いをする方たちも大勢います。花を院内に飾ってくれる方や、私の体質に合った卵や、パン、お魚などを持ってきてくださる方なんかもいらっしゃいます。こうしたお付き合いができていることは、ありがたいし、いい患者さんに恵まれていますね。

すてきな関係ですね。ここで、先生のご経歴についてもお聞かせください。

村田悦男院長 村田外科・胃腸科・ひふ科医院2

私が医師をめざしたのは、戦後まもない昭和30年代「東京一極集中」の時代でしたから、東京の昭和大学医学部への合格を機に憧れの花の都東京へ旅立ちました。しかしながら当時の医学界は、医師制度の転換期で、インターン制度に反対する学生運動や医師国家試験ボイコット運動など、今では想像しにくいさまざまな弊害がありました。私は大学で6年、インターンを1年経験した後、先の見えない東京に見切りをつけて父が開業をしている熊本へ戻りました。目で見て感じて治療ができることが魅力で外科の道を選び、熊本に戻ってからは、熊本大学病院の第一外科教室に入局しました。その後、消化器外科についても研鑽を積みました。熊本大学病院で働きながら、妻と幼子2人を養うため土日には救急病院で当直もしていましたね。妻にも随分と苦労をかけました。そんな大変な下積み時代でしたが、当時の経験は開業後にとても役に立っています。

全人的な診療をめざす

先生の診療方針について教えてください。

村田悦男院長 村田外科・胃腸科・ひふ科医院3

私は、外科でさまざまな経験を積んできましたが、患者さんの病気だけを診るのではなく、病気や心を含めた全身を診て全人的に治療していくことが大切だと感じています。今の医療は専門化が進み、細分化されすぎてしまっている側面もあると感じています。患者さんにしてみれば、どこに行けば良いのか、どういう治療をしてもらうべきかがわからなくなってしまっている。だからこそ、西洋医学だけでなく、東洋医学の観点も取り入れながら統合医療を行っていくことを大切にしています。

統合医療は、長年の経験があってこそのお考えですね。

そうかもしれませんね。これまでは、西洋医学だけが重要視され、東洋医学はエビデンスがはっきりしないと敬遠されてきた側面があります。明治以前は漢方が主流だった日本も、西洋医学の台頭によって、以前より重宝されなくなってしまいました。けれども私たちの家系は先祖代々、漢方の処方なども行いながら全身を診ていますので、私は西洋医学と東洋医学を組み合わせ、さまざまなアプローチを取り入れながら、病気の診断だけでなく薬の有効性や副作用にまで目を向けて、個々の患者さんに合った最適な治療を行っていきたいと思っています。患者さんにしてみれば、病気が治ることが第一。その人や環境に合った治療を、柔軟に考えていく姿勢でいたいと思っています。

健康を保つ秘訣など、アドバイスがありましたら教えてください。

村田悦男院長 村田外科・胃腸科・ひふ科医院4

やはり、長生きしている方は体を動かす習慣がありますね。これまで診てきた患者さんもそうですし、書籍などを見ても運動習慣を大切にしている方が多いと感じています。散歩やランニングを生活に取り入れることで、足腰を丈夫に保つことが大切です。当院にも理学療法士がいますので、高齢者のためのフィットネス教室などを開催しながら、地域の健康をサポートしています。あとは、食事も大切。医食同源という言葉があるように、食事の乱れから健康を害することも少なくありませんので、注意していただきたいです。

地域住民の健康維持をサポートしていく

先生の趣味や休日の過ごし方を教えてください。

村田悦男院長 村田外科・胃腸科・ひふ科医院5

スポーツをすることが好きですね。高校時代にはバスケをしていました。大学ではテニスや登山、若い頃はゴルフも楽しみました。開業してからは山登りして写真を撮るのが趣味ですね。最近は新型コロナウイルス感染症流行の影響でなかなか山に行けていない状況です。最近の健康法といえば、犬の散歩かな。ポメラニアンを飼っているのですが、平日は犬と一緒に散歩し、週末には妻も一緒にドッグランで犬と戯れ、阿蘇の温泉に入って帰るのがささやかな楽しみですね。

今後の展望について教えてください。

3階にコミュニケーションホールをつくっているのですが、地域の人たちとの交流の場を設けようと、スタッフに相談しています。例えば、治療の中に取り入れている漢方といった東洋医学の話などですね。あとは管理栄養士に、食事について話してもらう場なんかも設けたいですね。患者さんの健康に役立つ話を提供していく場として活用していきたいです。2階は、特定健診や企業健診、人間ドックが行えるような場所にしていく予定です。2年前の改装時から構想を膨らませているのですが、コロナ禍の影響で大幅に時期がずれ込んでいます。今後は地域の方々の健康をサポートできる場として、さらなる広がりにしていきたいですね。

最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。

村田悦男院長 村田外科・胃腸科・ひふ科医院6

将来的には、現在済生会熊本病院の心臓血管外科に勤務する長男と老人ホームの責任者の次男が後を継いでいくでしょう。これからも私たちが先祖の後を継ぎ、10代目、11代目とこの地域の医療を支えていく医院になれたらと思っています。私も今後はさらに統合医療の分野での研鑽を深めていく予定です。患者さんたちからご希望いただいている、エイジングケアや美容皮膚科などの自由診療項目にも対応していきたいと思っています。皮膚科は女性医師が担当しており、皮膚レーザー治療の導入も検討中です。今後も幅広い診療にあたっていきますので、ご質問などありましたらぜひお気軽にご相談ください。

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