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金澤 知之進 院長の独自取材記事

金澤整形外科医院

(大野城市/春日原駅)

最終更新日:2024/05/15

金澤知之進院長 金澤整形外科医院 main

西鉄天神大牟田線の春日原駅から徒歩7分の場所にある「金澤整形外科医院」。1978年に開業し、現在は2代目である金澤知之進先生が院長を務めている。「30代、40代の頃から痛みを軽視せず、きちんと対策を取っていれば、ご自分が高齢者になった時の生活はまったく違うはず。そのためのアドバイスなどを診断・リハビリテーションの両輪で診ていくのが当院です」と、はつらつとした口調で金澤院長は話す。理学療法士にはスポーツ経験者も多く、スポーツに打ち込む学生の相談も増えてきており、学生にとってはもう一つの部活のような場所になっているという。「肩凝りくらいで、と遠慮せず、医療機関を活用するつもりで、気軽に相談に来てほしいですね」と気さくな雰囲気の金澤院長に、同院の特徴や診察で取り入れていることについて話を聞いた。

(取材日2022年3月7日)

診察とリハビリの2軸で、患者の豊かな生活をサポート

こちらは院長のお父さまが開業されたそうですね。

金澤知之進院長 金澤整形外科医院1

父が開業したのは1978年のことです。2階は現在、リハビリテーションルームになっていますが、開業当時の当院は有床診療所でした。リハビリに力を入れ始めたのは、私がここに戻る前のことです。社会の高齢化が進む昨今、運動機能が健康寿命に直結していると言っても過言ではないでしょう。私が父と同じ整形外科の道を選んだのも「なぜ動くことで痛みが生じるのか?」「その仕組みはどうなっているのか?」という点に興味を持ったからでした。今は体のさまざまな場所に痛みが出てくる高齢の方、デスクワークや体を使う仕事で肩や腰に違和感がある働き世代の方、そして野球などのスポーツをやっている小学生など、幅広い年代の患者さんが当院を活用してくださっています。

リハビリにも力を入れておられますね。

診察とリハビリ、この2つが両輪として機能しながら進んでいくのが重要だと考えています。診察では必要に応じて痛みを取るための神経ブロック注射や服薬などを行い、リハビリでは負荷のかかった筋肉を休ませなければなりません。同時にリハビリでは、その筋肉ばかりに負担がかからないよう、他の筋肉を整えていく必要もあります。ここで重要なのが、診察にしろリハビリにしろ、お一人お一人で治療が違うということ。生活スタイルも仕事の内容、環境も患者さんによって異なるため、たとえ同じ病名がついていたとしても、他の患者さんとまったく同じ症状・治療になることはありません。よく「他の人からこの方法で良くなったと聞いたので」と本やインターネットの情報をうのみにする方がおられますが、場合によっては治るどころか症状が増悪することもあるので、本当に注意してほしいと思います。

患者さんに必要なものを、先生と理学療法士さんがきちんと見極めて指導してくださるんですね。

金澤知之進院長 金澤整形外科医院2

そのためにもお仕事の内容や生活スタイルなどを、問診できちんと聞いていくことが必要です。デスクワークの方の腰痛と、配達員の方の腰痛の原因がまったく同じとは考えにくいでしょう。原因が何かを見極めつつ、患者さんができることを具体的にアドバイスしていきます。例えば「仕事でパソコンを使っている時にマウスを操作していると肩凝りがひどくなる」ということがあれば、痛み止めなどの処方だけではなく、マウスを変える、姿勢を変える、サポーターをつけるなど、患者さんの動きや環境を整えることによって改善できそうなところがないかも、同時に探していくんです。筋肉が固くなっていれば痛みも出やすいですから、筋肉をほぐすストレッチの方法などもお伝えします。

体の痛み・違和感を放置しないことが、予防につながる

先生や理学療法士さんのアドバイスをもとに、患者さんが自ら“動く”ことが大事なのですね。

金澤知之進院長 金澤整形外科医院3

年齢を重ねる中で痛みが生じるのは、決して悪いことだけではありません。ここ数年で「ロコモティブシンドローム」という言葉もだいぶ浸透してきたかと思いますが、これは移動するための能力が不足したり、衰えたりした状態を指します。進行すれば将来的に介護のリスクも高まってきます。そうならないための予防の意識が大事ですよ。糖尿病とか高血圧などの生活習慣病と同じようなものだと考えてもらうといいかもしれません。親御さんの血圧が高いのであれば、30代、40代の若いうちから塩分を控えめにした食事にするといったことと同じように、体に違和感がある、痛みがあるということがあれば早めに整形外科を受診してほしいと思います。

肩凝りなどで受診してもいいのですか?

もちろんです。筋肉が固くなっている状態が続くと、何かをきっかけに一気にひどい痛みが出ることもあります。それに肘や膝などの関節部分は、悪くなってしまうと元の状態に戻すことは困難です。10年後、20年後にそうならないためにも、気軽に受診していただき、病気の芽を摘むのが大事だと思います。「病院は敷居が高いし……」と思われるかもしれませんが、ぜひ医療機関やリハビリを、ご自身の体を守るために活用してほしいんです。遠慮される必要はありません。肩凝りくらいで、と思われるかもしれませんが、痛みや不快感の感じ方も人によってさまざま。痛みに対する不安などを取り除くのも、医療機関の大事な役目ですから。

超音波(エコー)検査装置を診察やリハビリにも活用していると伺いました。

金澤知之進院長 金澤整形外科医院4

実際の筋肉の様子を画像で確認するので、診断やリハビリの精度を高められるのが特徴です。私が神経ブロック注射などを行うこともありますし、理学療法士がリハビリで筋肉の動きがどうなっているのかを確認し、そこで得られた情報をもとに私が注射を行うこともありますよ。適切に痛みをコントロールし、積極的に動けるように導いていくためにも、エコーはかなり役に立ちますね。

スポーツリハビリを通じ子どものスポーツ障害の防止も

スポーツリハビリにも取り組んでおられますね。

金澤知之進院長 金澤整形外科医院5

最近はスポーツチームなどに入っている小学生も増えてきています。当院の理学療法士は、バスケットボール、野球、テニスなどのスポーツ経験者も多いので、それぞれ競技の特性を把握した上での具体的なアドバイスができる点も強みだと思っています。平日の16時からのリハビリには、学校帰りの学生さんもたくさん来てくださいます。パフォーマンスばかりを求めてしまうと故障にもつながります。スポーツ障害の予防もリハビリの大切な役割だと思っています。肘をケガした場合、上半身を休めつつ下半身のトレーニングを行うなど、体の状態を見ながら取り組んでいます。年に1回ほどでいいので、検査も受けてほしいですね。例えば野球であれば、肘の軟骨の様子などをエコーを使って調べた上でボールの投げ方を調整するだけでも、野球肘などの障害の予防につながりますから。

お子さんが長くスポーツを楽しむ、もしくは夢に向かうサポートを行うのですね。

体を壊さずに、という点は非常に重要ですね。当院の理学療法士は若いスタッフも多いですが、学生から見ると「スポーツの相談ができるお兄ちゃん、お姉ちゃん」という感覚になっているようです。スポーツでのケガを防ぐためのもう一つの部活、という感じで活用してくれるとうれしいですね。親御さんは「自分の子どもには活躍してほしい」と思うものでしょうけれども、そこで無理をしてケガをしてしまうと元も子もありません。長く続けるために、時には負荷を抑えることも必要だということを理解していただけるよう、しっかり指導していきたいと考えています。

今後の展望、読者へのメッセージをお聞かせください。

金澤知之進院長 金澤整形外科医院6

今は新型コロナウイルスの影響もあってなかなか難しいのですが、予防につながる健康教室を開催したいと考えています。当院のホームページにリンクしている動画も、患者さんの役に立てばという思いから始めました。いずれにせよ、痛みが出るなどの症状が出る前、違和感があるくらいの時期だからこそ、ぜひ診察を受けてほしいですね。ご自分やご家族の生活をより良くし、将来的な疾患やスポーツでのケガを防ぐためにも、整形外科をもっと気軽に活用してほしいと思っています。「こんなことで相談できるのかな?」と悩まず、ご自分の体をいたわるためにも、整形外科に足を運んでみてください。

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