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猿渡 力也 院長の独自取材記事

猿渡整形外科

(久留米市/南久留米駅)

最終更新日:2024/04/02

猿渡力也院長 猿渡整形外科 main

「赤ちゃんから100歳まで、患者層は幅広いですね」と、爽やかな笑顔で話すのは、地域に根差した診療で、30年近く多くの人々に親しまれてきた「猿渡整形外科」の猿渡力也院長だ。2022年に医院を継承後も、先代院長である父が築いてきた歴史や患者との触れ合いを大事にしながら、大学病院などで磨き上げたスキルを存分に発揮。膝・腰・肩をはじめ、さまざまな痛みに対してアプローチしている。また、19床を有する同院では、医師と理学療法士が連携したリハビリテーションも実施するほか、ばね指などの日帰り手術や通院が困難な患者への訪問診療も行っている。患者のどんな悩みにも寄り添うのが同院の診療スタイルだ。2児の父でもある猿渡院長に、これまでの歩みを振り返りながら、地域や診療に対する想いを語ってもらった。

(取材日2024年2月14日)

地域医療に注力すべく、先代の父からクリニックを継承

地域のかかりつけとして親しまれている整形外科クリニックだとお聞きしました。

猿渡力也院長 猿渡整形外科1

父が約30年前に開院しまして、ありがたいことに、その頃から通ってくださる患者さんも多くいらっしゃいます。開院当時、私は5歳くらいでしたが父が診療している姿は覚えていますし、まさに父の背中を見て育ちました。そういったこともあり、将来は医師になりたいという想いが小さな頃からありましたね。大学は、まったく知らない土地でゼロからスタートしたいという気持ちから金沢医科大学へ進学しました。親元を離れたのも初めてでしたし、新たな土地で知り合った人たちとの生活も新鮮で、友人もたくさんできました。格闘技のジムにも通ったりと、充実した大学生活でしたね。

卒業後は久留米に戻って来られたそうですね。

ええ、久留米大学医療センターで初期研修を。当初はまだ診療科は決めておらず、いろいろな科を回る中で、整形外科の医師になりたいと思ったんです。整形外科は退院する時など笑顔で帰られる患者さんが多く、自分もうれしくなることが多々ありました。例えば、骨折しても治療ができますし、機能性を取り戻すことが期待できることも、医師としてのやりがいや喜びを大いに感じられる診療科だと感じました。来た時は泣いていた子が帰る時は笑顔になるなど、患者さんの笑顔に癒やされることも多かったですね。その後も久留米大学病院、済生会二日市病院など、大きな病院を中心に研鑽を積ませてもらったので、外傷をはじめ、脊椎の手術など、とにかくさまざまな症例に携わらせていただきました。

その中でも特に多く担当された疾患はありましたか?

猿渡力也院長 猿渡整形外科2

私は脊椎を主に診る脊椎班にいましたので、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニアなどの手術も担当していましたし、脊椎に携わる疾患は特に経験を積ませていただきました。大学病院では側弯症の治療で来られるお子さんも多く、幅広い年代の方を担当させてもらったことは、医師としての財産ですね。また、総合病院では当直時に救急搬送されてくる患者さんを診ることも多かったので、外傷をはじめ、幅広い症状への対応力も養われたと思います。そのような内容の濃い日々を過ごしていましたが、もともと父のクリニックで地域医療に注力したいという想いがありましたので、病院勤務と並行して父のところでも非常勤として働いていたんですね。そして、2022年5月に当院を継承することになりました。

リハビリテーション、日帰り手術、入院にも対応

継承から1年半たちましたが、患者さんとの距離の近さを実感されているそうですね。

猿渡力也院長 猿渡整形外科3

これまで大学病院や総合病院での勤務が中心でしたから、患者数も多く、限られた時間の中で診療することも少なくありませんでした。しかし、こちらに戻ってきてからは、かかりつけとして気軽に立ち寄ってくださる方や、ご本人だけでなく、お子さんやお孫さんを連れて来られるなど、輪が広がっていくというか、信頼関係が構築できている感覚があるんですよ。これが地域医療の醍醐味なのだと思います。年齢も赤ちゃんから100歳までと幅広く、午前中はご高齢の方が多く、午後からは会社にお勤めの方、夕方からは学生さんというように、時間帯によって年齢層が変わるのも新鮮ですね。この辺りは長年住まれている方や新たに引っ越して来られるご家族など、幅広い層が居住されている地域ですので、主訴も多種多様です。

その中でも特に多い主訴は何でしょう?

やはり慢性疾患ですね。例えば、変形性膝関節症や腰痛症。脊柱管狭窄症もそうですし、膝・腰・肩の痛みでお悩みの方は特に多いと感じます。あとは年代問わず骨折や捻挫で来られる方も多いですね。ただ、どんな症状であっても、患者さんの話をよく聞き、よく診た上でしっかり評価することを大事にしています。些細なことであっても大きな疾患が隠れていることもありますから。その気づきを患者さんとの何げない会話から得られることが実は多いんです。ポイントとなる言葉をすくい上げながら、じっくりと話を聞くようにしています。それから慢性疾患に関しては、機能性の回復や維持という目的でもリハビリテーションを積極的に取り入れています。

理学療法士さんとはどのように連携されているのですか。

猿渡力也院長 猿渡整形外科4

当院には理学療法士が6人在籍しており、担当制でリハビリテーションを行っていますが、医師と各理学療法士との情報共有だけでなく、週1回カンファレンスを実施し全体での情報共有や意見交換にも努めています。やはり、症状はそれぞれですし、気づきを得ることが多いので、全員で一人の患者さんを診ていく体制づくりに取り組んでいます。また、ばね指、ガングリオン摘出、陥入爪などの日帰り手術にも対応していますし、硬膜外のブロック注射も手術室で行っています。19床備えた入院施設については、骨折や脊柱管狭窄症など体動困難な方を中心とさせていただいています。

地域の高齢化に備え訪問診療にも注力。女性医師も在籍

今後、訪問診療にも注力なさると伺いました。

猿渡力也院長 猿渡整形外科5

開院から30年近くたちますし、ご高齢の患者さんも多くなりましたので、こちらからご提案をする場合や患者さんのご家族からご要望があった時に即対応できるよう、最近立ち上げました。また、ご自分で通院されている方も、そのご家族が症状を心配されているケースも少なくありませんので、お電話をしてご説明することもできます。それはご高齢の方に限らず、例えば、学校や学童でケガをしたお子さんを先生が連れて来られた際も同様です。私も子どもが2人いますので、子どもがケガをしたと聞いて、ひやっとする気持ちは経験済み。親御さんへ直接お電話で病状をお伝えするように心がけています。それから、更年期の女性には特に骨粗しょう症の検査を呼びかけています。骨折してから気づかれる方も少なくありませんので、そうなる前の予防が大事です。

父親としての想いも、診療に生かされているのですね。

実際に親になってわかったことがたくさんありますからね。医師であっても、子どもが熱を出せば心配しますし。気になることがあれば、些細なことでも遠慮せず連れて来ていただきたいです。お子さんはうまく言葉で伝えられません。安心を得るために連れて行くというお気持ちでいらしていただければと思います。私に話しづらい場合は、非常勤の女性医師も在籍していますので、受付でおっしゃってください。スタッフも総勢22人と多いですし、何か気になることがあればお近くにいるスタッフにお声がけいただければと思います。とにかく気になっていることはそのままにしないでいただきたいです。また、足に力が入りにくい、強い痛みがあるといった時は、必ず原因がありますので、すぐに受診されてください。

地域住民の生活の質を上げられるような医療の提供を

猿渡力也院長 猿渡整形外科6

今、診療科が細分化しているため、何科を受診すべきか迷われることも多いのではないでしょうか。当院は地域のかかりつけとして、「何でも相談できるクリニック」をめざしています。些細なことであっても気にせずご相談ください。整形外科の領域でない場合も、提携している病院のご紹介もしていますので、困った時の窓口としてもご利用ください。それが本来の町のクリニックの役割だと思っていますし、疾患の早期発見につながれば、より多くの方の健康寿命延伸にもつながりますからね。大学病院時代、もう少し発見が早かったらと悔やまれるケースも少なくありませんでした。そのような方をなくすためにも、患者さんを地域で見守っていけるような医療、生活の質を上げられるような医療の提供に取り組んでいきたいと思っています。気軽にご相談にいらしてください。

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