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峯崎 智久 院長の独自取材記事

医療法人 峯崎内科クリニック

(北九州市八幡東区/八幡駅)

最終更新日:2024/03/13

峯崎智久院長 医療法人 峯崎内科クリニック main

開業から約40年の「峯崎内科クリニック」は、西鉄バス・槻田バス停から徒歩1分、JR鹿児島本線南小倉駅・八幡駅の両駅から車で15分ほどの槻田昭和1号線沿いにあり、近くには到津の森公園や総合体育館など緑豊かな場所がある。院長の峯崎智久先生は、日本糖尿病学会糖尿病専門医として軽傷から重症、やむを得ず治療を中断してしまった患者までさまざまな状態の糖尿病治療に携わるのみでなく、日本内科学会総合内科専門医として幅広い内科疾患に対応している。「当院の強みはコミュニケーション力。患者さんにとってのベストな選択肢を選ぶため、信頼関係を大切にし、心を開いていただけるよう尽力しています」と話す峯崎先生に、これまでのキャリアをはじめ、専門である糖尿病治療や腎臓病治療、今後の展望などについて詳しく話を聞いた。

(取材日2021年6月26日)

クリニックを継承し、より専門的な糖尿病治療を地域へ

医師をめざそうと思ったきっかけについてお聞かせください。

峯崎智久院長 医療法人 峯崎内科クリニック1

祖父や父、叔父や叔母など医師が多い家系ということもあって、自然とこの仕事を志すようになりました。父のクリニックは自宅を兼ねていたので、普段から医療に取り組む姿勢や地域に貢献する姿を見る中で気持ちが固まっていったのだと思います。もともと人に物事を説明して共有することが好きだったので教師の道も考えたことはありますが、今振り返ってみると医師も患者さんに病状を説明する機会が多いので、結果的には似たような職業なのかもしれませんね。医学部卒業後には内科へと進み、特に糖尿病と腎臓病について市中病院や大学病院で専門的に学びました。両方の病気をまたいで専門として研鑽を積んでいる医師は多くはなく、広い範囲で患者さんをを診ることができる強みを持つことができました。

大学病院や市中病院などではどういった症例に携わられたのでしょうか?

大学病院や市中病院では糖尿病発症初期の患者さんから腎機能が低下し透析を導入しなければならない患者さんまでさまざまなステージにある糖尿病の患者さんの治療にあたってきました。糖尿病は発症初期には合併症は起こりませんが、血糖管理が不良な状態が続くと、ゆっくりとではありますが着実に目や腎臓に合併症が出てきます。透析に至るような場合はさまざまな合併症を抱えられていることも多く、重症な患者さんの場合には深夜まで治療にあたることも少なくありませんでした。多くの患者さんを治療させていただく中で改めて、糖尿病の発症初期から切れ目のない緻密な治療が必要であると感じましたね。

2017年にご実家のクリニックを継承されたそうですね。

峯崎智久院長 医療法人 峯崎内科クリニック2

もう少し大学での仕事をする選択肢もありましたが、できるだけ早く地域医療へ貢献したいという気持ちが強く、2017年に先代の父からバトンタッチしました。開業から約40年続いているクリニックなので、近隣を中心に長く通っていただいている患者さんもたくさんいます。頼りにしてくれている皆さんを困らせるわけにはいかないという気持ちが強くありました。私は総合内科専門医の資格も有しており、腹痛や風邪、胸の痛みや喉の痛みなど一般内科の主訴でいらっしゃる患者さんも多く見えますし、私が帰ってきてからは特に糖尿病に関しては高い専門性をもって治療を提供できていると感じています。幅広い疾患・世代の患者さんが来院されています。

病気は正しく恐れることが大切

診療コンセプトについてお聞かせください。

峯崎智久院長 医療法人 峯崎内科クリニック3

私の根底にあるのは、患者さんに寄り添った医療です。そのため常に患者さんを自分の家族のように思いながら治療にあたるよう心がけています。その上で、安心安全に医療を提供し、このクリニックなら安心して任せられると思っていただけるようにと努めています。また、クリニックという地域に根差した特性を生かして、患者さんが気になることがあれば土日でもこちらから病状を電話で確認させていただくなど、こまめなケアをしています。外来が中心だと、どうしても体調が悪い時だけの診療になってしまいがちです。そこで今後の来院タイミングなど、次のアクションとなる基準を伝えるようにしています。検査や薬の処方のみではなく、治療の過程を患者さんと共有していくことを意識していますね。

糖尿病専門医として治療において気をつけているポイントはありますか?

糖尿病は健康診断などで血液検査の異常を指摘されて見つかることが多いのですが、日常的に薬を飲んだ経験がない方がほとんどです。そこで治療の初めをとても大事にしています。まずは糖尿病がどういう病気かという本質を理解してもらうことが重要です。また糖尿病は生活と直結している病気なので、生活習慣を整えるための、きちんとした医療知識は飲み薬と同じくらい大切なものですし、治療の行方を左右します。治療の最初に糖尿病に対する正しい知識を身につけることで、薬に頼りすぎずに運動や食事といった生活習慣の改善により良好な血糖管理につなげてほしいと考えています。しかし病気の治療だけが人生ではありません。もちろん良好な血糖管理を達成することが前提ですが、ストレスなく生活の中に治療を落とし込んでもらうという点に腐心しています。大事なことは糖尿病を正しく恐れ、医師と患者さんが一緒により良い治療をめざしていくことだと思います。

糖尿病と密接につながっている腎臓ですが、治療において気をつけているポイントはありますか?

峯崎智久院長 医療法人 峯崎内科クリニック4

長期に血糖管理が悪い状態が続くと、腎臓に負担がかかり始め、糖尿病性腎臓病といわれる状態になります。典型的には次第に尿蛋白が出始め、腎機能が徐々に低下してきますが、最近では尿蛋白を伴わずに腎機能が悪化する場合もあり注意が必要です。一旦腎機能が悪化し始めるとなかなかそれにストップをかけることは難しいため、糖尿病発症初期からしっかりとした血糖管理を行うことが重要です。一方で最近では腎臓を守る糖尿病治療薬が使用可能になってきており、尿蛋白を減らしたり、腎臓の機能を保護することができる時代になってきました。患者さんの状態に応じて適切な薬剤を選び、生活習慣のアドバイスをさせていただくことで、糖尿病から腎臓を守ることを心がけています。

健診で異常があった段階で人生のベクトルを修正する

糖尿病治療に関しては、患者さんのバックグラウンドを重要視されるとか。

峯崎智久院長 医療法人 峯崎内科クリニック5

例えば薬を処方するにしても、1日3回飲む薬があれば、1日1回のものもありますし、週に1回の注射など、さまざまな種類が考えられます。定期的な食事が取れない忙しい方ならその方に合った処方が必要ですし、炭水化物量の摂取によっては低血糖を起こしてしまうものもあります。そのため食事の傾向や回数、炭水化物量の具体的な摂取量など生活のバックグラウンドをしっかりとヒアリングし、患者さんと相談しながら治療法を決めていくようにしています。糖尿病の治療においては、病状だけではなくそうした患者さんのライフスタイルを知った上で治療を行うことが、適切な薬の使用や薬を抑えることにつながっていくと考えています。一方で内科の医師は患者さんのモチベーターでなくてはなりません。病状についても穏やかな波の中にあるのか、逆風が吹いているのか、あるいは努力が追い風になっているのか、例え話を交えてわかりやすく説明するようにしています。

糖尿病をはじめとした生活習慣病においては予防も大切ですね。

これはすべての生活習慣病に言えることですが、大きく遺伝要素と肥満要素の2つの要素が挙げられます。遺伝要素は変えられないものの、肥満に関しては改善の余地があります。それも単に体重を減らすだけではなく、筋肉量を保持させながら体づくりをしていくことが非常に重要です。当院では体組成計を導入していますが、今後は管理栄養士や運動指導の専門家と連携しながら、できるだけ良い体づくりにも協力していきたいと思っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

峯崎智久院長 医療法人 峯崎内科クリニック6

健康診断で異常が見つかっても、なかなかクリニックに足が向かない人も多いでしょう。ところが異常を指摘された際に、適切な医療を受けることで人生のベクトルが変わります。毎日を健やかに生活していくためには、できるだけ早い段階での生活習慣の修正が大切ですが、何も改善しなければ健康な体との差は広がっていくばかり。病気は振り子と同じで、振り始めればどんどん重症化していきます。いかに初期段階でベクトルの軌道を修正できるかが重要なポイントなのです。健診で異常があった方はもちろん、治療を中断されている方など、生活習慣病が心配な方はお気軽にご相談ください。

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