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中村 知久 院長の独自取材記事

中村内科クリニック

(北九州市小倉南区/石田駅)

最終更新日:2023/12/26

中村知久院長 中村内科クリニック main

JR日田彦山線・石田駅より徒歩11分、小倉南区横代北町にある「中村内科クリニック」は、1987年の開院以来、地域の健康を支えてきた。今年、先代院長に代わり、息子の中村知久先生が院長に就任。これまで同様に、風邪などの一般内科から、循環器内科、消化器内科まで幅広く対応している。日本循環器学会循環器専門医の知久院長は心疾患の診療を得意とし、肺高血圧症や心臓弁膜症のエコーでの診断なども数多く経験。また、ペースメーカー植込み術後の管理も行うなど、クリニックでありながら多種多様なニーズに対応できるのが強みだと語る。めざすのは「あの先生に診てもらえば何とかなる」と思ってもらえる医師。専門性や救急病院での経験も生かし、地域の健康を守りたいと意気込む知久院長に、同院の特徴や医療にかける想いについて話を聞いた。

(取材日2023年11月15日)

命に直結しやすい病気を救いたいと、循環器の分野へ

まずはクリニックの始まりからお聞かせください。

中村知久院長 中村内科クリニック1

1987年に先代院長だった父が開院しました。実は祖父も開業医だったのですが、父はそこを継がずにこのクリニックを開院したのです。当時私は中学生で、クリニックは自宅も兼ねていたものですから、夜中に患者さんから電話がかかってきて対応したり、具合が悪い方の自宅へ足を運んだりする父の姿を見ていました。そのような環境も今の自分に影響したのかなと思いますね。その頃から自然と人の役に立てる仕事をしたいという気持ちを持っていましたし、研究をする仕事にも興味を持っていましたので、そういう意味でも医師という職業は合っているのかなと思い、久留米大学の医学部に進みました。

大学ご卒業後はどのようなご経験を積まれたのですか?

福岡市内の救急病院で初期研修を行い、救急医療について多く学ばせてもらいました。その後、大阪の国立循環器病研究センターで心臓移植や植込み型人工心臓の管理といった特殊な医療も経験。各分野で高度な専門性を持つ先生方の厳しくも温かいご指導と、全国から集まった優秀な同期の仲間たちに刺激を受けました。エビデンスのある標準的な治療を行う一方で、それでは治療が困難な患者さんに対して何ができるかを過去の文献などを参考にしながらとことん考え、実践できたことは今でも自分の礎になっています。そして久留米大学心臓・血管内科で肺高血圧症の研究や臨床、外勤先の慢性期病院やクリニックで経験も積ませていただきました。さらに心疾患患者が多い小倉記念病院での臨床経験を経て、実家であるこのクリニックへ帰ってきたというのがこれまでの経歴です。自分でも循環器疾患について幅広く経験できたと感じております。

数ある診療科の中から循環器内科を選ばれた理由は何でしょう。

中村知久院長 中村内科クリニック2

初期研修を行った救急病院での経験がきっかけでした。循環器の病気は命に直結するケースが多いので、そんな人の命を救える医師になりたいと思ったのが一番の理由です。当時は当直もかなりの日数担当していましたし、すごくハードではありましたが、たくさんの患者さんを診させてもらったのは私の財産ですね。特に循環器という分野は治せない病気よりも、治療の手立てが望める病気のほうが多いですから、そういった点にも魅力を感じました。以前、肺高血圧症という疾患は治せない病気でした。しかし、今では治療薬もでき、救うことが望める病気になったのです。ちょうどその変革期を経験したことも循環器医療に対するモチベーションが高まるきっかけになったような気がします。

心疾患の診療から予防接種まで地域の健康をサポート

こちらに戻って来られてからのお話もお聞かせください。

中村知久院長 中村内科クリニック3

2021年に戻って来てからは副院長として父とともに診療にあたり、今年4月に院長を就任しました。自分が小さな頃から来られている患者さんや、まだ中学生だった私をご存じの方もおられますので、まさに地域の皆さんに密着し、ともに歩んでいる印象が強いですね。一般内科も診ますので、それこそ風邪などでご家族皆さんで来られることもよくあります。この地域も高齢化が進んでいるため、動悸や息切れといった症状を訴えられる方もいらっしゃいますね。循環器内科に関しては生活習慣病の管理がメインですが、これまで心臓内科で多くの患者さんを診てきたことから、エコーを用いて心臓弁膜症などの疾患がないかのチェックもしています。専門性に特化した施設でもさまざまな疾患を診てきましたので、早期発見のために経験を生かしたいと思っています。

診療体制に新たな変化があったそうですね。

今はまだ週1回くらいのペースですが、腎臓内科が専門の妻が診療に加わりました。彼女の専門分野に加え皮膚科の領域など、さらに診療の幅が広がりました。スタッフも一新し、フレッシュな空気を感じていただけるのではないでしょうか。ここ数年は新型コロナウイルス感染症の流行で、感染症とそうでない患者さんの動線を分けるなど、感染症に対する設備の充実をはじめ、電子カルテの有効活用など、新たな診療のかたちを構築していく日々でした。そのような中、当院ならではの診療という点では、ペースメーカーの植込み術をされた患者さんの管理も行っています。最近では、ホルター心電図の解析まで担えるようになりました。

ペースメーカーの植込み管理とホルター心電図について、詳しくお聞かせいただけますか。

中村知久院長 中村内科クリニック4

ペースメーカーは、脈が少ないことで全身への血流が確保できない方に装着する装置。その植込み術を行った後は、維持していくための管理が必要となります。定期的な管理をクリニックで行っているところは少ないこともあり、当院には多くの方がいらっしゃいます。また、ホルター心電図は、24時間かけて心臓の状態を記録するための検査です。以前は解析を外部にお願いしていたのですが、院内でできるよう環境を整えました。そのため、解析結果を聞くために再度来院いただくご負担がなくなったことで、気軽に不整脈の検査を受けていただけるようになりました。クリニック規模で解析まで行っているところはまだ少ないと思います。

早期発見につなげていく専門性と対応の幅広さが強み

患者さんに接する上で心がけていることは何でしょう。

中村知久院長 中村内科クリニック5

話しやすい雰囲気をつくることです。些細なことであっても、ご本人にとっては大きな悩みであることが少なくありません。じっくりと時間をかけて、ご納得いただける診療を提供することを心がけています。当院の患者層は幅広いですが、特に多くなるのが60代以上なんですね。高血圧症の方も多く、今は感染症対策にも努めなければなりませんので、スタッフともうまく連携し、適切な診療に努めています。

高齢化に伴い地域医療の重要性がより求められていますが、どのようにお考えですか?

この地域でも、高齢化により心不全などの患者さんが急増している印象です。患者さん一人ひとり求めることが違いますから、ご提案する内容にもバリエーションが必要です。今まで培ってきた知識と技術をもとに、患者さんへ多くの選択肢を提示することが私の役目だと思っています。心不全についても、やみくもにつらい治療を受けられる必要はないと考えています。ただ、さまざまな手段がありますし、患者さんには諦めないでほしいということはお伝えしたいですね。さらに、地域医療を担う立場として予防医療にも力を入れており、肺炎球菌をはじめ帯状疱疹、インフルエンザ、子宮頸がん、新型コロナウイルス感染症などの予防接種を行っています。一方で、患者さんの費用面や待ち時間のご負担を抑えられるよう、当院では院内処方を行っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

中村知久院長 中村内科クリニック6

私が専門分野の1つとして追究してきた疾患が肺高血圧症です。大きな医療機関で臨床や研究を行ってきましたが、これまで身につけてきたことを患者さんに還元しなければ意味がありません。非常に珍しく、難しい病気で、気づかれにくく心不全と間違われることもありますが、知見を生かして早期発見につなげていけるよう努めているのが私の強みです。同じく研鑽を積んできた心臓弁膜症のエコー診断でも、力を発揮していきたいですね。また、外傷の処置ができることも当院の特徴。救急病院での経験を生かして簡単な外傷縫合にも対応しています。循環器以外の疾患も幅広く診ることができますので、お子さんの急な発熱や、けがもご相談ください。私自身3人の子を持つ親ですので、子育て世代のお気持ちやお悩みは理解できますし、小さな子への接し方も心得ています。どの科を受診したら良いか迷われる場合は、ぜひ気軽にお越しください。

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