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大本 崇 院長の独自取材記事

大本内科医院

(広島市安佐南区/上安駅)

最終更新日:2022/10/03

大本崇院長 大本内科医院 main

広島市安佐南区にある地域のかかりつけ医として、住民の健康を支え続ける「大本内科医院」。大本崇先生は、1988年に先代である父から院長職を継承した。内科と小児科、麻酔科を標榜し、子どもから高齢者まで幅広い層の患者に親しまれている。長年にわたり通う患者も多く、「患者さんに対しては、親戚のような感覚で接しています」と大本院長は親しみを込めて話す。高齢の患者に対しては、疾患の完治をめざすのではなく、持病とうまく付き合いながら元気に過ごしてほしいという大本院長。金曜日の午後には、訪問診療を行い、通院が困難となった高齢患者のニーズにも応えている。さらに、胃の内視鏡検査や超音波検査にも対応することで、疾患の早期発見・早期治療をめざしている。そんな大本院長にさまざまなテーマで話を聞いた。

(取材日2022年7月7日)

持病を抱えていても、毎日を元気に過ごせることが大切

まずは、継承までの経緯をお聞かせください。

大本崇院長 大本内科医院1

私の祖父はかつて薬剤師をしていて、祖父の息子である私の父は医師でした。父はこの場所のすぐ近くで開業をしていて、父が働く姿を見て育った私は、自然と医師の道を志すようになりましたね。高校までは地元にいて、大学は、東京医科大学医学部へ進学しました。卒業後、勤務医を経験した後に当院を継承するつもりでいましたが、父が体調を崩し、他界したことで急遽、継ぐことになったんです。ですので、広島大学医学部附属病院の麻酔科、安佐市民病院の麻酔科での研修医と、当院での診療を同時進行で進めていくことになりました。麻酔科を選択した理由は2つです。オールマイティーに診る必要がある開業医としての今後を見据えた結果、救急医療を担えるようになりたい、というのがまず1つ。そして、地域のがん患者さんを診るにあたって、疼痛(とうつう)治療には麻酔の知識が必要だと判断したのが2つ目の理由です。

患者さんはどのような方が多いですか。

風邪などの感染症や、糖尿病、高血圧症といった生活習慣病など満遍なくいらっしゃっていますよ。やはり医療機関に定期的にかかる方というのは、当院に限らず、高齢者が多いんですね。昭和の初めの頃は、平均寿命が短かかったので、定年も早かったですし、皆さんそんなに長生きされなかった。一方、現在は70、80代まで生きることが当たり前の時代となりました。そうなると、どこかしら悪いところがあるのが普通なんです。ですので、病気を治すことだけが目的なのではなく、うまく付き合っていくことをめざしていく、そういった治療が必要な時代だと思いますね。血圧が高いだとか、膝が痛い、腰が痛いだとか、皆さん何かしら抱えてはいるけれど、薬などを使ってうまくコントロールしながら日々をいかに元気に快適に過ごすか、そのお手伝いをすることが求められていると思います。

検査機器も充実していますね。

大本崇院長 大本内科医院2

そうですね。エックス線検査、胃の内視鏡検査、超音波検査などの機器をそろえています。検査した結果、より高度な治療が必要と判断した場合には、大規模病院や専門病院へのご紹介も適切に行っています。高齢者の場合、入院期間が長くなれば心身ともに弱ってしまう傾向があります。そうなると、入退院を繰り返すことになりがちです。早期発見に力を入れて早期治療につなげていくことが、プライマリケアを担う地域の医院として、最も重要な役目だと思います。

カウンセリングルームを設置し、患者の心の健康もケア

検査室の壁紙が印象的です。院内の内装にもこだわられているんですね。

大本崇院長 大本内科医院3

病院といえば無機質で壁が白いイメージがあるけれど、それではつまらないでしょ(笑)。イメージしたのは、片田舎にある昔の小学校です。例えば、診察室の壁紙も一見、白く見えるけど、実は赤色も混ざっているんです。建具も一般的にはスチールを使うことが多いけれど、木材を使っています。廊下については、実際はコンクリートなのですが、板張りのような感じに仕上げてあります。内視鏡室には、ブラックライトで光るイルカの壁紙を貼っているんですよ。院内で心地良く過ごしてもらえるよう、温かみがあって、明るい雰囲気を心がけました。

診察室が3つあるんですね。

それぞれの部屋に患者さんに入ってもらって、看護師による問診をしています。私がその3部屋の間を行き来できる造りになっています。次に私がどの部屋に行けばいいかの指示も看護師がしてくれますので、私はその通りに部屋を行ったり来たりしています。チーム医療という点においては、患者さんとの信頼関係は、看護師さんたちが作ってくれていると思います。日々の問診や会話でたくさんお話もしますし、10年、15年と長い間通ってくれている患者さんは、私や看護師にとっては遠い親戚のような感じですね。開業してから長いので、3世代にわたって通ってくれているご家族もいらっしゃいますし、「孫が生まれたよ」なんて報告を受けたり。本当に身内と接しているような感覚ですね。

診療において、ほかに特徴はありますか。

大本崇院長 大本内科医院4

2階にカウンセリングルームがあります。もともとは、がん患者さんやご家族のメンタルケアができたら、と思って用意した部屋なのですが、日本ではなじみが薄いからなのか、なかなかニーズがありませんでした。現在は週に2回、カウンセラーの方に来てもらっています。診察中に話をしていて、うつ症状が見受けられる患者さんにカウンセリングの受診を勧めています。心療内科へ通うのは敷居が高いと感じている方でも、内科で診てもらうなら、と気軽に相談できることがメリットだと思います。

大切な人に紹介したくなるようなクリニックでありたい

往診にも行かれているんですよね。

大本崇院長 大本内科医院5

週に1回、金曜日の午後に、訪問診療へ行っています。担当しているのは20軒くらいでしょうか。その間は私が不在となりますので、金曜日の午後には代診の先生に来ていただいています。先生は私がここを継いだ頃からお世話になっている先輩で、父が亡き今、私にとっては父親のような存在です。高齢化が進んで、通院が難しい患者さんは今後も増えていくと思います。訪問診療に対応できるクリニックが増えていくといいですね。

ところで、休日はどのようにお過ごしですか。

釣りが好きですね。何年も一緒に釣りに出かけている友人と、山口県の徳山の海まで行っては鯛を釣ったりして楽しんでいます。ほかにも、焚火が好きなので、自宅の庭でバーベキューをしています。コッペパンを買ってきて、ホットドッグを作ってみたり、アルミ鍋に素材を入れてワイン蒸しにしてみたり。地元で買ってきたB級グルメをみんなで持ち寄って、「これ何?」と言い合って、ワイワイするのが好きですね。キャンピングカーを持っているので、旅先でもキャンプ場には行かず、途中でタクシーに乗り換えて居酒屋さんへ行くのも楽しいです。地元の人しか行かないような居酒屋にあえて行って、食べたことないメニューに挑戦したり、地元密着型スーパーで特産品を探したり。以前、宮崎に行ったときも、鶏の砂肝の刺身が売っていて驚きました。その土地でしか経験できないことを楽しむことを大切にしています。

安佐医師会の副会長だと伺いました。地域やクリニックの今後については、どのようにお考えですか。

大本崇院長 大本内科医院6

安佐地区は医療機関の数も多いですし、医療と介護の連携がうまく取れている地域だと感じています。地域の今後については、「なるようにしかならない」と思いますが、決して投げやりな思いではなく、流れの中で、変化していくものですので、そこに対応していくしかないんですよね。将来のことは誰にも分からないと思うんです。実際、このコロナ禍も誰も想像できなかったですよね。先のことについて予想はできませんが、そのとき、そのときで、患者さんにどう対応していくか、ということが大切だと思います。当院としては、患者さんが親しい誰かに「大本内科へ行ってみたら?」と勧めたくなる存在でありたいですし、紹介された方にも「来てみてよかった」と思ってもらえたら、うれしいですね。そうなることが、地域のクリニックを開業している者として1番の目標ですね。

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