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本庄 友行 副院長の独自取材記事

本庄医院

(神戸市灘区/王子公園駅)

最終更新日:2022/06/06

本庄友行副院長 本庄医院 main

阪急神戸本線・王子公園駅の西口改札から信号を渡ってすぐの場所にある「本庄医院」は、1951年の開業。2021年4月に本庄友行先生が副院長に就任したのを機に、院内を開放感のある広々とした造りにリニューアルし、各種検査機器も新調した。内科・循環器内科を中心として、父である本庄昭院長と友行副院長の2人体制で診療にあたるほか、副院長がスポーツと関連した内科診療を行うのも同院の特徴の一つで、「スポーツで生じるさまざまな内科的問題に対応することがライフワーク」と語る。訪れる幅広い年代の患者を「病気にしない」「悪化させない」という、予防的な観点からも支える友行副院長に、これまでの経緯や治療方針、地域で診る病診連携などについて話を聞いた。

(取材日2022年4月15日)

親子3代にわたり、幅広い診療で地域貢献する医院

開業して70年、親子3代続く歴史ある医院と伺いました。

本庄友行副院長 本庄医院1

ここは祖父が1951年に開業した医院で、1986年に父が継承し、その後2021年に私が副院長に就任し、今は父と私の2人体制で診療を行っています。父から同じ道をめざすよう言われたことはなかったのですが、やはり最も身近な職業でしたし、多くの患者さんが訪れてくださるこの医院を途絶えさせるという考えにもなれず、私も医師の道を選びました。副院長就任の際には、院内を大きくリニューアルし、受付や待合室を明るく広くして診察室を増やしました。また併せて、先進のエコーも導入。腹部や心臓の検査に役立ち、首の動脈に当てれば動脈硬化の有無を確認できます。そのほか、心電計も新しくすることで、運動負荷検査や動脈硬化の評価に有用なABI検査も実施可能となりました。

循環器内科に進まれたのは何かきっかけがあったのでしょうか?

学生時代からスポーツに関わる医療に従事したかったんです。スポーツ分野の診療には、整形外科だけでなくさまざまな科のドクターが携わることがあると知り、選手の心肺機能などを内科的に診ることに魅力を感じて循環器内科に入局しました。実際、循環器内科に進んでみると、とても奥が深い分野なんです。人の生死に関わるギリギリのところを治療していくという、命を左右する部分を任せてもらう仕事でもあり、そこにとてもやりがいを感じていて、自分に合っていたなと実感しています。

副院長に就任する以前は、どのような経験を積んでこられたのでしょうか?

本庄友行副院長 本庄医院2

大学卒業後、神戸大学大学院の循環器内科講座に入り、大学院在学中に国立循環器病研究センターに国内留学をしました。その後は、神戸大学医学部附属病院と三木市立三木市民病院(現・北播磨総合医療センター)の循環器内科へ。2009年から4年間は、ロサンゼルスにあるCedarsーSinai Medical Centerの博士研究員として研究に従事。帰国後は大学病院と神鋼記念病院の循環器内科に勤務し、神鋼記念病院では6年間にわたり臨床や研究・研修医の指導を行いました。動脈硬化に対するワクチン、大動脈瘤、心筋梗塞などの研究・臨床を長年行っていたことから、動脈硬化や、動脈硬化が原因となる狭心症、心筋梗塞、動脈瘤などの治療にも力を入れてきました。この医院では、これらの経験や知識を生かしながら、患者さんが抱えるいろいろな疾患を幅広く診ていきたいなと思っています。

病気の発症・再発予防と病診連携で患者をサポート

勤務医時代との違いや、現在注力していることはありますか?

本庄友行副院長 本庄医院3

病院勤務時は、カテーテル治療を行ったり、重症患者さんの生死に関わる状態に対処したりと「治すこと」が中心だったのですが、当院で診療を始めてからは病気そのものを予防する「一次予防」、あるいは病気を悪化させず入院・再入院を防ぐ「二次予防」に、一層力を注ぐようになりました。入院を防ぐことは、健康寿命の延伸にもつながりますので、今までの知識と経験をフル回転させて診療にあたっています。また病診連携にも力を入れていて、以前勤めていた神鋼記念病院や神戸大学医学部附属病院への紹介もスムーズです。勤務していた病院以外にも、この辺りの基幹病院には同級生や先輩・後輩など、昔からよく知っている先生が多くいるので、患者さんのことで個人的に頼み事や相談をすることも。皆さん信頼できるドクターばかりなので、安心して紹介することができます。

スポーツ内科の診療にも力を入れているとか。

循環器内科医をめざした原点がスポーツ医学への関心でしたから、医院で診療するならば、やはりこの分野でも患者さんのお役に立ちたいと考えています。現在は、当院でもスポーツ内科の診療を行っており、学生さんから本格的に競技に取り組むアスリートの方まで、公認スポーツ栄養士による栄養指導も含めたくさんの選手をサポートしています。木・金の午後に、兵庫県立リハビリテーション中央病院スポーツ医学診療センターでスポーツ専門の内科診療を、整形外科クリニックでもスポーツ内科診療を担当していることから、スポーツ整形外科の先生とも密な連携体制が構築できています。

循環器内科だけでなく、内科としても幅広く診療されているのですね。

本庄友行副院長 本庄医院4

地域に根差した「かかりつけ医」であるために内科全般を診ており、中でも循環器疾患につながる生活習慣病の診療に注力しています。リニューアル後は、管理栄養士の栄養指導、臨床検査技師によるエコーなどの諸検査、睡眠時無呼吸症候群の診療、禁煙治療も導入し、一次予防・二次予防体制を強化しました。内科全般の幅広い疾患に対応するため、まず病状を把握し、必要に応じて病院と連携して検査や専門の医師による診断を受ける体制も整えています。紹介して終わりではなく、かかりつけ医として病院と連携しながら定期的な検査で病状をこまやかに把握しつつ、患者さんをしっかりサポートすることで、病院と診療所間でシームレスな医療が提供できるよう努めています。日々の診療では、薬や治療内容、生活の中で何を改善してもらうかなどを丁寧に説明し、理解してもらうことを大切にしています。

食事指導から訪問診療まで、患者に寄り添い対応

どのような患者さんが来られていますか?

本庄友行副院長 本庄医院5

70年間地域に密着し診療を行ってきたので、祖父の代からの患者さんもおられます。長年お付き合いのある方は家庭や生活環境、食生活なども把握しやすいので、病状の変化にも気づきやすく、それがかかりつけ医の醍醐味と言えます。神鋼記念病院に勤務していた頃の患者さんも多いですし、狭心症や心不全などの心臓病から、高血圧症や糖尿病などの生活習慣病、風邪や腹痛の方まで、さまざまな患者さんが来られています。スポーツ内科では、本格的に競技に取り組むアスリートから部活動をしている学生さんまで、年齢を問わずスポーツを楽しむ皆さんが来てくださっています。

循環器疾患の方が気をつけるべきことや、病気予防のための注意点を教えてください。

患者さんが日々気をつけるべきことは、血圧・コレステロール値・血糖値をコントロールしていくこと、あとは食事や適切な運動です。食事の場合は、心不全だったら塩分は控える必要がありますし、心筋梗塞の人はコレステロール値を下げないといけない。食事については、院内で管理栄養士がわかりやすく指導しています。また、心不全・心筋梗塞・狭心症などの疾患があり、心臓リハビリテーションの適応がある方は、専門施設と連携しながら心臓リハビリを実施し、心臓病を再発させないために、適切な管理を提案いたします。その他に、動脈硬化の危険因子となる、高血圧症・脂質異常・糖尿病・喫煙・肥満・運動不足などに気をつけて、リスクを少しでも下げる生活を心がけることも大切です。

今後、充実させたい診療分野はありますか?

本庄友行副院長 本庄医院6

今も訪問診療を行っていますが、今後はもう少し増やしていきたいなと思っています。循環器疾患の訪問診療を行っているところが地域にもまだまだ少なく、病院に勤務していた時も、退院後に在宅診療をしてもらう循環器の先生が少なくて困っていました。特に慢性心不全は、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら少しずつ進行していく疾患なので、薬による増悪(ぞうあく)の予防を行うためにも、できるだけ循環器の専門家による訪問診療が望ましいと考えています。循環器の医師による訪問診療をもっと多くの人が受けられたら、退院して自宅で過ごせる患者さんも増えてくるのではないでしょうか。地域内の訪問診療の拡充を図り、病院と診療所が連携していけたら、患者さんが望む環境で、より良い医療が提供できるでしょう。当院で診療をするようになってその必要性をより強く感じています。

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