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ワクチン接種と検診で
妊娠・出産の可能性を守ることにつなげる

坪倉産婦人科

(東大阪市/若江岩田駅)

最終更新日:2024/03/12

坪倉産婦人科 ワクチン接種と検診で 妊娠・出産の可能性を守ることにつなげる 坪倉産婦人科 ワクチン接種と検診で 妊娠・出産の可能性を守ることにつなげる
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子宮には、赤ちゃんを育てるという大切な役割がある。万一、病気などで子宮に問題が生じると、小さな生命を健康に育むことが難しくなる。最悪の場合、妊娠、出産を諦めなければならない事態となる恐れも否定できない。だからこそ、「子宮頸がんワクチンの接種と子宮がん検診の定期的な受診を勧めます」と、「坪倉産婦人科」の坪倉弘晃副院長は力説する。子宮がんのリスクに備えることは、女性の体だけでなく、母としての将来を守ることでもあるのだ。若い世代の発症リスクが高い子宮頸がんワクチンや、早期発見に役立つ子宮がん検診について、ワクチンの副反応など気になるポイントも含めて坪倉副院長に詳しく教えてもらった。

(取材日2023年8月19日)

子宮頸がんワクチンの意義やリスク、定期的な子宮がん検診の重要性を正しく知り、大切な命を守ってほしい

Q子宮がんにはどのような種類がありますか?
A
坪倉産婦人科 子宮頸がんと子宮体がんの2つの種類がある

▲子宮頸がんと子宮体がんの2つの種類がある

子宮の入り口付近の子宮頸がんと、奥の赤ちゃんが育つ部分でできる子宮体がんがあります。患者さんの数は子宮頸がんのほうが多く、一般的に子宮がん検診といえば、子宮頸がんの検診を指します。また、子宮体がんが閉経後やその前後の女性に多いのに対して、子宮頸がんは20〜30代の赤ちゃんを産む世代にも多く見られるのが特徴です。発症に関わる危険因子はさまざまですが、とりわけ若い世代はヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が明らかな危険因子と考えられています。HPVは性交渉によって感染します。ただし、感染しても特に症状が現れるわけではなく、多くの場合は気づかないうちに感染し、いつのまにかウイルスが消失します。

Q子宮頸がんには初期症状がありますか?
A
坪倉産婦人科 はっきりとした初期症状はなく、症状が現れるのは進行してから

▲はっきりとした初期症状はなく、症状が現れるのは進行してから

子宮頸がんには明らかな初期症状はありません。最もよく見られるのは、生理時以外、あるいは性行為の際の出血です。出血の量は、少量の方もいれば、生理の2日目よりも多いくらいの出血が見られる方もいらっしゃいます。腹痛や腰痛も子宮頸がんが疑われる症状ですが、こうした症状が現れるのは病気が進行してからです。一方、HPVの感染が子宮頸がんの発症につながる仕組みについては、感染の頻度や体内でのウイルスの持続時間が関連していると考えられています。はっきりとした初期症状がなく、また自覚の乏しいHPV感染が深く関わっている病気だけに、リスクをできるだけ少なくするために、ワクチンの接種と定期的な検診をお勧めします。

Q子宮頸がんワクチンについて教えてください。
A
坪倉産婦人科 リスクを少なくするため、ワクチンの接種と定期的な検診が有用

▲リスクを少なくするため、ワクチンの接種と定期的な検診が有用

HPVの感染予防に効果が見込めます。初めての性行為以前の接種が望ましく、現在は小学校6年生から高校1年生までが公費で接種を受けられます。接種回数は15歳未満なら2回、15歳以上は3回。また、過去に接種の積極的な推奨が行われなかった期間が約9年間あるため、誕生日が1997年4月2日から2007年4月1日までの女性で過去にHPVワクチン接種を3回受けていない人は、来年度まで公費で接種が受けられます。ワクチンには4種類のHPVをカバーする4価や9種類をカバーする9価があり、現在は9価ワクチンも公費で接種可能。ただしHPVには種類があり、9価でもすべてのHPVに対する免疫が望めるわけではありません。

Q子宮頸がんワクチンの副反応が心配です。
A
坪倉産婦人科 倦怠感などの副反応はコンディションなどが関係している可能性も

▲倦怠感などの副反応はコンディションなどが関係している可能性も

他のワクチンと同様に、接種部分の痛みや腫れが見られることがあります。一方、ワクチン接種による全身の倦怠感などが報道されたことがありますが、現在では接種との明確な関係はないと考えられています。多感な思春期の接種ということもあり、精神的なコンディションや日常生活での出来事が関係していた可能性も考えられますね。また、報道されたような副反応はどのワクチン接種でも起こる可能性が同等にあり、子宮頸がんワクチンだけに見られるわけではありません。ただし、心臓疾患など重い基礎疾患がある人や複数の重度のアレルギーを持っている人は、接種が難しいケースがあり、事前にかかりつけの医療機関への相談が必要です。

Q子宮がん検診についても教えてください。
A
坪倉産婦人科 ワクチン接種をした後も安心せず、定期的な受診を

▲ワクチン接種をした後も安心せず、定期的な受診を

地域によって多少差はありますが、20歳以上の女性を対象に、2年に1回の頻度で自治体による子宮がん検診が行われています。子宮頸がんの場合、初期なら子宮を温存するための治療法も選択可能ですが、進行すると子宮を残すことが難しい場合が少なくありません。子宮頸がんは、妊娠、出産の可能性を奪ってしまう恐れだけではなく、患者さんの生命にも関わる病気です。早期発見のために、ワクチン接種に加えて、ぜひ定期的に検診を受けていただきたいですね。検診では、問診と子宮の入り口の状態確認、さらに入り口付近の表面組織を採取する細胞診を行います。

ドクターからのメッセージ

坪倉 弘晃副院長

メディアで報じられたこともあり、子宮頸がんワクチンに対して不安を感じておられる方もいらっしゃると思います。しかし、海外では接種がもはや一般化しています。しかし、ワクチンを接種したからと安心せずに、定期的に検診も受けてください。そうすることが、将来の妊娠・出産の可能性を守ることにつながります。ワクチン接種について不安や疑問点などがある方、検診の時期ではないけれど出血など気になる症状がある場合は、どうぞ遠慮せずにご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

4価ワクチン/1万7000円、9価ワクチン/3万1000円  ※税込み価格 ※定期接種等の対象者の方は公費で受けられます

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