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吉川 尚孝 院長の独自取材記事

吉川整形外科・リウマチ科

(寝屋川市/萱島駅)

最終更新日:2024/01/15

吉川尚孝院長 吉川整形外科・リウマチ科 main

京阪本線・萱島駅の東口から徒歩約3分、住宅街の一角に「吉川整形外科・リウマチ科」がある。院長を務めるのは、京阪沿線の関西医科大学系列の病院で10年以上の診療経験を持つ吉川尚孝(なおたか)先生。豊富な診療経験を生かして、整形外科疾患全般に対応しながら、得意とする関節リウマチ、膝・足などの関節、さらに骨粗しょう症などの診療に力を入れている。基本をしっかり踏襲しながら、先進的な検査や東洋医学も取り入れるのが吉川院長の診療スタイル。開業後も病院で手術を担当し、「医学の進化に遅れないように勉強は欠かせません」という院長に、同院の診療の特徴や地域医療にかける思いなどを語ってもらった。

(取材日2023年12月26日)

「人任せにできない」と関節リウマチの勉強に取り組む

開業までのご経歴を教えてください。

吉川尚孝院長 吉川整形外科・リウマチ科1

医学部を卒業して研修を終えた後、関西医科大学系列の病院に勤務しました。香里病院は市民病院がない寝屋川市において市民病院のような役割を果たしている病院です。大学附属病院に比べて規模が小さく、診療を細分化できないので、さまざまな患者さんの診療にあたり、幅広い経験を積むことができました。一方、滝井病院(現・関西医科大学総合医療センター)は規模が大きく、専門領域を突き詰めていくことができる環境でした。関節リウマチの治療に、本格的に取り組むようになったのは、この病院に勤務していた頃からです。

関節リウマチに興味を持ったのはきっかけがあるのですか?

香里病院に勤務している頃に、たくさんのリウマチ患者さんの診療にあたったことがきっかけです。症状に悩む患者さんを目の当たりにして、「これは何とかしなければいけない。人任せにしておくことはできない」と感じたのです。そこから本格的に勉強を始め、突き詰めて学んだり、実践を重ねたりしていくうちに、得意分野の一つとなりました。

どうような経緯で現在の場所で開業されたのですか?

吉川尚孝院長 吉川整形外科・リウマチ科2

ここにはもともと、同門の先輩が院長を務めておられた整形外科がありました。香里病院の時代から患者さんを紹介してもらうなどやりとりがあった先生で、引退されるにあたり「やってみませんか」と声をかけていただいたのです。まったく地縁がない場所での開業なのでかなり悩んだのですが、先代の院長が培ってこられた患者さんとのしっかりした信頼関係を強みと考えて開業を決意しました。定期通院の患者さんも多かったので、先代が引退されてわずか4日で当院をスタートさせました。

どのような患者さんが来られますか?

整形外科なのでご高齢の方が中心となりますが、働き盛りの方や学生さんなども受診されます。ご高齢の方の場合は腰痛や膝の痛み、働き盛りの方の場合はケガやぎっくり腰、学生さんはほとんどがスポーツによるケガですね。診療の際は、必ず患部の触診を行った上で診断するように心がけています。先進的な検査が発達した現代においても触診を行い、患者さんに実際に動いてもらって、体の状態や痛みなどを確認することで、原因にフォーカスすることができるからです。

超音波(エコー)を活用して客観的な診断をめざす

先進的な診断を取り入れておられますね。

吉川尚孝院長 吉川整形外科・リウマチ科3

ほぼ全員の初診患者さんに、超音波(エコー)を用いた診察を行っています。靭帯や筋肉、神経などの様子を確認でき、放射線を使わないので患者さんの体への負担がないところも利点です。触診や超音波(エコー)の結果、骨や関節の問題が疑われる場合はエックス線検査を追加します。筋肉や関節に腫瘍があると考えられ、精密検査が必要と判断した場合は、近隣の病院へ依頼しCTやMRI検査を受けてもらいます。

関節リウマチの診療について教えてください。

これまで関節リウマチの診察は、主に触診にて行われてきました。経験を積んだ医師ならそれでも診断できますが、評価として客観的ではない部分もあり、超音波(エコー)を使うようになりました。実際に関節の腫れがあるかどうかを視覚的にチェックでき、患部の状態を記録として残せるのもメリットです。関節リウマチは、かつては「不治の病」と言われていましたが、現在では飲み薬でも改善が期待できるようになりました。もし飲み薬での改善が難しい場合は、さらに強い効果が期待できる生物学的製剤の注射や分子標的薬の投与も検討しますが、現時点では薬価が高く保険診療でもかなり費用がかかるのが難点です。

骨粗しょう症の診療にも注力されています。

吉川尚孝院長 吉川整形外科・リウマチ科4

骨粗しょう症は自覚症状がなく、多くの方が骨折して初めて骨がもろくなっていることに気づくのが現状です。腰椎や股関節が折れることも多く、寝たきりになるなど日常生活に大きな支障を来します。こうした事態になる前に、ご自身の骨密度を知っていただけるよう、検査の精度の高いDEXA(デキサ)法の骨密度測定装置を導入しました。50歳を超えた方は、一度は検査を受けていただきたいですね。

東洋医学も取り入れておられるそうですね。

滝井病院に勤務している頃に、患者さんの訴えに対応するには西洋医学では限界があると感じて、自分自身で学んだり勉強会に参加したりするようになりました。例えば、坐骨神経痛そのものは良くなっているのに手足のむくみや冷えが残る、リウマチは改善しているのに手のこわばりだけが残るといった、副次的な症状に悩まされる患者さんがおられます。こうした症状に対する西洋医学の薬はなく、漢方薬で対応するようになったのです。ほか、2階のリハビリテーションスペースを使って鍼灸も行っています。

足の外科で歩行を支える足のケアに取り組む

足の外科とはどのような診療を行うのですか?

吉川尚孝院長 吉川整形外科・リウマチ科5

巻き爪や外反母趾、偏平足などの治療を行っています。関節リウマチの患者さんは関節の炎症の影響で、多くの方が足の変形を来すので、病院勤務時代から10年以上にわたってフットケアは経験してきました。最近は、特に高齢の方に爪の変形や巻き爪、爪水虫などが多く、そうした方々のフットケアも受け入れています。偏平足は運動療法である程度の改善が期待できるので、リハビリテーションにも力を入れています。足の外科に専門的に取り組んでいる整形外科クリニックはあまりないため、手術以外の治療法が見つからず途方に暮れている患者さんも多くおられます。足の痛みの治療をしていく力になれたらと思います。

膝の痛みで悩んでおられる方も多いですね。

たくさんおられますね。軽症の患者さんの場合は、飲み薬や湿布といったお薬による治療、マイクロ波などによる物理療法、運動器リハビリテーションを組み合わせて対応し、やや重症の方に対しては関節注射による治療を検討します。それでも、症状がコントロールできない場合は、手術についても検討します。膝の手術は入院と術後のリハビリテーションが必要です。「怖い」など手術に対する負のイメージもあり、手術を受ける方はまだ少ないのですが、特に重症の患者さんに対しては「痛みを我慢することが減ることが期待できますよ」と、お伝えするように心がけています。

今後の展望を教えてください。

吉川尚孝院長 吉川整形外科・リウマチ科6

まずはリハビリテーションの拡充に取り組みたいと思っています。私は非常勤の医師として現在も近隣の病院での手術を担当している関係で、術後のリハビリテーションのために通われる患者さんが多いのですが、人手が足りずに時間帯が限定されている状態なので、理学療法士、作業療法士を増やして、しっかり対応できるようにしたいと考えています。また、設備機器は新しいものを導入しましたが、先代の院長が引退されてすぐに診療を開始したので、クリニック自体のリニューアルが済んでおらず、時期を見てできるところから改装していきたいですね。私個人としては、開業後も医学や治療の進化に遅れないようにしたいので、セミナーや勉強会などに積極的に参加して新しい知識を吸収していきたいと考えています。

読者や地域の方にメッセージをお願いします

しっかりと地域に根差して、基礎的な疾患の診療はもちろん、大学病院で行うような新しい治療も取り入れています。当院だけで対応が難しい場合は、地域の病院とのつながりを生かして、症状や治療の内容に合わせた病院にご紹介いたします。悩んでおられることや不安なことがある場合は、どうぞ遠慮なくご相談にいらしてください。

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