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天野 大 院長、疋田 佳希 さんの独自取材記事

天野整形外科

(大阪市東住吉区/駒川中野駅)

最終更新日:2021/10/12

天野大院長、疋田佳希さん 天野整形外科 main

谷町線駒川中野駅から徒歩3分、駅前のにぎやかなエリアで「天野整形外科」は長きにわたり地域密着型の医療を提供している。同院に天野大院長が就任したのは2018年4月のこと。そのタイミングで同院の改装やリハビリテーション室の拡張を行ったそうだ。天野先生はスポーツ整形を専門にしており、近隣の大学生を中心にスポーツに伴うケガの治療を行っている。天野先生も学生時代はサッカー部に所属し、ケガで整形外科に通う機会も多かったそうだ。なので患者の痛みや悩みにも親身になってくれる。今回は、天野先生と、先生が信頼を寄せる理学療法士の疋田佳希氏に、同院での治療やスポーツ整形の分野について語ってもらった。

(取材日2018年10月15日)

整形外科クリニックとして地域密着型の医療を提供

天野先生は、どういった経緯で医師をめざされたのでしょうか?

天野大院長、疋田佳希さん 天野整形外科1

【天野院長】私の父と祖父がこの場所で開業医として働いており、その姿を間近で見ていたからです。私の祖父は、戦後間もなくこの辺りで開業し、場所をいくつか移りながら最終的にこの場所で地域密着型の医療を提供していました。祖父は私が中学生の頃に亡くなり、私の父が当院を引き継いで整形外科と地域医療を行っています。私は大阪医科大学を卒業後、大阪労災病院の整形外科にて医師としてのスタートを切りました。その後、いくつかの病院で勤務した後、スポーツ整形を専門にし、大学での研究を経て再び労災病院に戻ってきました。当院の院長に就任するまで、最も長く在籍していたのは労災病院になりますね。

この地域の様子や患者さんの主訴に関してはいかがですか?

【天野院長】当院の近くには大きな商店街があり、下町の雰囲気がありますね。最近は新しいマンションも増えてきたので若い世代も移り住んでいますが、依然として65歳以上の割合が多いエリアです。来院される患者さんがフレンドリーなのはもちろんのこと、買い物で商店街に立ち寄ったときも声をかけてくれる人がいます。私が当院に戻ってくるまでは、父の専門である腰や脊椎のリウマチの患者さんがほとんどでした。しかし、私がスポーツ整形を専門にしていることもあり、運動部に所属している学生さんが増えています。特に午後からは学生さんが多く来院するのでにぎやかですよ。

診療では、どのような設備を用いていますか?

天野大院長、疋田佳希さん 天野整形外科2

【天野院長】父から当院を引き継いだ際、最も手を入れたのはリハビリテーション室でした。体を動かすマシンや、干渉電流型低周波治療器、マイクロ波治療器などを導入しています。
【疋田さん】リハビリ機器としては、運動器エコーを使っているのも当院の特徴です。これは、運動中に患部がどんな状態になっているかを可視化できる機械で、復帰していいタイミングを見定めるのに役立っています。これまでのリハビリでは触れて判断していたので、患者さんには現状がわかりにくい状態でした。でも、運動器エコーなら映像として患者さんに見せながら説明できます。もちろん、医師の診断や指導のもとで復帰タイミングを決めていきますが、よりわかりやすい情報を提供するのにこの機械は役立っています。

医師と理学療法士のチームプレーで診療にあたる

天野先生がスポーツ整形を専門としたのはどうしてですか?

天野大院長、疋田佳希さん 天野整形外科3

【天野院長】私も学生時代にサッカーをしており、整形外科にかかることも多かったからです。大阪大学の整形外科はスポーツ整形に注力していたので、そこで研鑽を積みました。スポーツ整形はリハビリの重要性がとても大きいです。例えば、運動をしている子どもたちの膝が痛い、腰が痛いなどの小さな故障は、早い段階で受診すればリハビリで改善していくことが期待できます。また、リハビリは高齢者医療や介護医療の分野でも重要です。なので、当院としてはスポーツ整形はもちろんのこと、リハビリを中心に据えた地域医療を提供していきたいと考えています。今は父も週に4日診療しており、脊柱側弯症専門の外来やリウマチ脊椎関係、脊柱管狭窄症などを診療しています。

医師と理学療法士の連携についてお聞かせください。

【天野院長】理学療法士は、全身から徐々に範囲を狭めて悪い部分を見つける技術を持っています。私もそれを頼りにしていますし、私のほうは病態をきっちりと把握してどうやって治療していくかというのを話し合いながら決定していきます。医師と理学療法士が情報をしっかりと共有することで、一人ひとりの患者さんに適した医療の提供に努めています。
【疋田さん】ケガというのは医学的な分野なので、患部の状態を患者さんが理解しづらいこともあるかと思います。医師の診断をもとに、なぜケガをしたのか、リハビリでどうやって良くしていくのかを説明するのが私の役割です。リハビリと聞くと、多くの方は痛みに耐えながら行うイメージがあるかもしれません。でも、リハビリは基本的に長期間行うものなので、私はできるだけ痛みを伴わないやり方を実践しています。

最近の子どもたちの運動能力についてどのように感じておられますか?

天野大院長、疋田佳希さん 天野整形外科4

【疋田さん】あくまでも私が子どもだった頃の自分や同級生と比較すると、空間の認知や全身を使ったアプローチが苦手な子どもが多いように感じます。例えばボールをキャッチする場合も、ボールが落ちる位置と全然違う場所で構えていたり、全身の筋肉を使う「けんけんぱ」ができなかったり。そういう子がケガをしてしまう場合が多いですね。外遊びをする機会が減っているのかもしれません。私も小さな子どもを持つ親なので、子どもを公園で遊ばせることがどれだけ大変で体力を使うかということは重々承知しています。ですが、できるかぎり外で遊ばせる機会を与えることがケガの予防につながると思います。

子どもたちの不調を周りの大人が気づいてほしい

これまでの経験で印象に残っていることはありますか?

天野大院長、疋田佳希さん 天野整形外科5

【天野院長】当院に戻ってくるまで、私は大きな病院で手術を中心とした治療を行ってきました。スポーツで大ケガをして手術をした患者さんが、その後復帰して試合に出場できるようになるのはうれしいですね。大規模病院では大きなケガを見ることがほとんどですが、当院では小さなケガの治療を行うことも多いです。なので、今まで以上に学生たちのスポーツ人生に関わっていけることを期待しています。
【疋田さん】私も自分が担当した選手が試合復帰していくのを見るのが一番うれしいですね。彼らが復帰した試合を競技場まで見に行くこともあります。リハビリをしていたときは歩くのもつらそうだった選手が走り回っているのを見ると、治療に関わることができて良かったといつも思います。

今後の展望をお聞かせください。

【天野院長】疋田さんはスポーツ医療の前線の現場を経験している理学療法士です。そういう人と一緒に仕事をしているので、当院ではスポーツ整形を治療の中心にしていきたいですね。また、地域医療を提供するにあたり、介護や在宅医療といった国が推進している分野も行っていかなければなりません。リハビリを中心としたクリニックとして、そういう分野に関わっていけたらと思います。
【疋田さん】当院は、医師やスタッフがそれぞれ密に連絡を取り合える体制が整っています。気になることがあれば会議を待たずにすぐ聞ける。そういう環境だとリハビリは必ず良いものになっていくと思います。スポーツ整形でのリハビリは全身を使いますが、この方法は高齢者のリハビリにも適用できるのではと考えているので、今後取り入れていきたいですね。

最後に読者の皆さまへのメッセージをお願いします。

天野大院長、疋田佳希さん 天野整形外科6

【天野院長】子どもたちのスポーツ傷害は、早く原因を見つけられたら防げるものが多いです。なので、周りの大人たちが予兆に気づいてあげてほしいですね。また、高齢の方は、身体のさまざまな部分が絡んで移動能力や運動能力が落ちていきます。そういう場合、リハビリが大いに役立つので、お気軽に相談してください。
【疋田さん】私は中学校のサッカーチームのサポートに出向くこともあるんですが、子どもたちはサッカーが好きだったりレギュラーになりたかったりで、痛くても無茶をする場合があります。ですので、ご家庭で声かけして気づいてあげてください。当院ではストレッチやテーピング法、筋力トレーニングの仕方も指導していますので、お力になれると思います。

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