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中山 晋哉 院長の独自取材記事

なかやま医院

(長岡京市/長岡天神駅)

最終更新日:2022/04/25

中山晋哉院長 なかやま医院 main

長岡京市今里三ノ坪5丁目。府道67号西京高槻線沿いにある「なかやま医院」は、阪急長岡天神駅より徒歩約17分、JR長岡京駅より車で約7分と車でも通院しやすい場所にある。院長の中山晋哉先生はいくつかの医療機関で消化器外科の医師として経験を積んだが、「手術の専門家ではなく、診療から看取りまで行いたい」と日本バプテスト病院で緩和ケア内科を学んだ後、2017年に同地にある山下内科医院の後を引き継ぐかたちで開業した。患者やその家族に寄り添った診療を行う中山院長に、これまでの経験や診療へかける情熱について話を聞いた。

(取材日2020年1月17日)

病気で家族を亡くした経験から医師を志す

先生が医師を志されたきっかけを教えてください。

中山晋哉院長 なかやま医院1

私は5人兄弟の3人目なのですが、小学2年生の頃に一番下の妹を3歳で亡くしたことが、医師をめざしたきっかけです。これまで親族に医師はいなかったのですが、私たち兄弟にとって家族を亡くすということは人生に影響した大きな出来事だったのか、兄も外科の医師の道を選びました。妹は生まれた時から病弱で入退院を繰り返していたので、幼心に「病気を治せる医師になりたい」と思ったことが医師になる原動力でした。

開業までの歩みをお聞かせいただけますか?

病気を治す医師になるとの思いで近畿大学医学部へ進学し、研修医として最初に配属されたのが移植外科でした。生体肝移植の手術をされて、退院されて行かれる方々の中、残念ながら移植肝が働かなくなり、治療のかいなく亡くなっていく方もおられました。時には、10代の若い患者さんが亡くなられる場面を目の当たりにすることもあり、患者さんやそのご家族の悲しみやさまざまな思いにふれて、治療で治すことも大事だけれど、患者さんの気持ちのケアやその家族を支えることも大切だと実感したことを覚えています。その後、一般病院、大学病院で消化器がんの治療に携わった後、開業という運びとなりました。

勤務医時代は外科医師として手術を数多く経験されたそうですね。

中山晋哉院長 なかやま医院2

松江赤十字病院の消化管外科に勤務し、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肛門、肝臓、膵臓、胆道など幅広いがんの手術を経験させていただきました。救命救急もありましたから、事故や急変で運ばれてくる患者さんのさまざまな治療を行い手術に明け暮れる日々でした。手術を数多く経験できただけではなく、自分が診療から手術、化学療法を行った患者さんが退院していく姿を見ることができたので、とても充実していました。

緩和ケア内科もご経験されていますね。

松江赤十字病院で勤務した後、京都大学医学部附属病院へ異動になったのですが、ここでは手術を中心とした積極的がん治療が多い中で、これまで松江赤十字病院で経験した、自分が診療した患者さんに最後まで携わっていくという一連の流れが自分のやりたい診療だと気づきました。治療を終え緩和ケアに移行していかれる患者さんを診ることができなかったので、自分のやりたいこととのギャップに悩みました。そんな時に、ある先生の勧めで、ホスピス病棟のある日本バプテスト病院で緩和医療を経験させていただき、ホスピス病棟や在宅で患者さんを看取るにあたって、研修医の頃にも感じた患者さんとその家族の方も含めてのサポートが必要だという思いがよみがえり、より強くなりました。

長岡京市で患者とその家族を支える在宅医療を実践

こちらで開業された理由を教えてください。

中山晋哉院長 なかやま医院3

医師をめざした頃は開業しようとは思っていなかったのですが、治療から看取りまで経験してきた中で、かかりつけ医として、治療中から看取りまでの一連の経過に携わりながら患者さんやその家族の思いを支えていける場をめざし、開業を考え始めました。私は京都市の左京区生まれで、住まいは右京区だったので、京都府内で開業先を探していたのですがなかなか見つからなかったため、病院に勤務しながらタイミングを待ちました。1年ほど待ったでしょうか。長岡京市のこの場所で長年地域医療に貢献されてきた山下内科医院の山下先生が引退を考えているとのご紹介を受けまして、先生の後を継ぎ「なかやま医院」として2017年に開業しました。

長岡京市の患者の特徴やどのような主訴が多いでしょうか。

当院がある柴の里地区は約50年前に開発されてその頃から住んでおられる方が多いため、高齢の方が多いですね。高血圧や糖尿病、脂質異常症、痛風の方など生活習慣病でいらっしゃる方が大半です。それぞれが心血管疾患や脳血管疾患につながっていくために、内服の重要性や食事等について話をしながら診療を進めています。その他、がん治療中の方や住み慣れた家で最期を迎えたいと希望されている方を在宅で診ています。

診療方針や心がけていらっしゃることをお聞かせください。

中山晋哉院長 なかやま医院4

患者さんはいろんな悩みをお持ちなのでその思いをしっかりと聞き、患者さんに寄り添う診療を心がけています。診察室を出るときに少しでも笑顔になって帰ってほしいという思いは、山下先生とも同じですね。緩和ケア内科では患者さんだけではなく家族も含めたサポートを心がけています。在宅医療の患者さんのご家族は24時間介護されているので、不安や悲しい気持ちを話さずに抱えこまれていることが多いのです。私は聞くことしかできませんが、少しでも気持ちを和らげてあげたいと思っています。話すことで少しずつ気持ちが整理でき、心の準備ができていくと考えているので、最期を迎える時も穏やかに見送っていただけるように支えていきたいと思っています。

スタッフと連携して長岡京市で親しまれる医院をめざす

患者向けに発行されている「まめなか通信」を始められたきっかけは?

中山晋哉院長 なかやま医院5

「まめなか通信」は少しでも地域の患者さんになかやま医院を身近に思ってもらいたいと看護師の妻やスタッフが中心となって作ってくれています。辞書によると「まめ」は勤勉、体が丈夫なこと、まじめ、役に立つこととあります。「なか」は中山の「なか」で、そのままあてました。私の妻は島根県出身ですが、出雲地方の方言で「まめなかね?」は「元気ですか?」というあいさつの言葉らしいです。開院にあたってのごあいさつから、山下先生の近況、当院で診療できる消化管外科の病気のことや内視鏡による胃カメラ検査についてなどの病院の話から、スタッフの写真を入れた今年の目標や私の息子が書いた4コマ漫画など、さまざまなことを発信しています。

スタッフへいつも伝えていらっしゃることは何でしょうか。

「患者さんを第一に」ということです。クリニックでは居心地良く過ごしていただきたいと思っていますので、待ち時間が長くなりそうな時はスタッフからお声がけをしています。何げない一言が患者さんに嫌な思いをさせてしまうこともあるので、スタッフには患者さんの気持ちを考えた、温かい言葉を大切にしてもらっています。開業から3年がたち、チーム医療としてうまく連携が取れてきたと感じています。

お忙しいと思いますが、休日はどのように過ごされていますか?

中山晋哉院長 なかやま医院6

診療の合間に訪問診療を行っています。休みの日でも急に呼び出しがある場合もあるので、開業から3年間必死で突っ走ってきたという感じです。子どもには寂しい思いをさせていると思うので、休みがとれたときは、遊びに連れて行っています。時々学校の帰りにこちらへ訪れることもあるので、診療後に一緒に過ごす時間を大切にしています。それに加えて、これからはもう少し自分の時間もつくって、テニスなどの運動ができたらなと思っています。

読者へのメッセージをお願いします。

内科や消化器外科など幅広い症状に対応していますので、「こんなことで相談していいのかな」というような体の不調や些細なことでも気軽にご相談ください。治療法や生活習慣のアドバイスなどいろんなご提案ができると思います。話すことでご自身の気持ちが楽になって、その方らしく生きていけるようになるお手伝いができればと思っています。

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