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野々山 宏 院長の独自取材記事

野々山耳鼻咽喉科

(松阪市/東松阪駅)

最終更新日:2021/10/12

野々山宏院長 野々山耳鼻咽喉科 main

松阪市の中心部近く、大黒田町にある「野々山耳鼻咽喉科」。開業は1974年。父親である先代院長が40年以上営んできたクリニックを、現院長の野々山宏先生が継承。2018年に建物を新築して、新しい一歩を踏み出した。広い道路に面したクリニックは、かわいいツチブタのキャラクターマークが描かれた看板が目印。院内に入ると高い天井と広い窓から差し込む陽光で開放感を感じる造りだ。野々山先生は自分自身が幼少期に扁桃の手術を経験したこともあり、子どもが通いやすいように、キッズスペースなども充実させたという。優しい笑顔と謙虚な語り口が印象的な野々山先生に、医院継承の経緯や診察の方針、今後の展望について話を聞いた。

(取材日2020年2月6日)

父が築いてきた診療を継承し、さらに発展させたい

看板に描かれたキャラクターマークがかわいくて、とても印象的ですね。

野々山宏院長 野々山耳鼻咽喉科1

クリニックを新築するにあたり、地域の方々に少しでも親しんでもらえるように、当院のキャラクターマークをデザイナーさんに作っていただきました。モチーフの動物は「ツチブタ」で、私が探してきたものです。開業前に住んでいた名古屋にある動物園で、何かいいキャラクターはないかと思って探してみたところ、出会ったのがこのツチブタでした。ロバのような大きな耳と、ブタのように特徴的な鼻。それを見て、耳鼻咽喉科のキャラクターにぴったりだと思って採用しました。地域のお子さんやお母さん、そしてご高齢の方々に、「ツチブタマークの野々山耳鼻咽喉科」と覚えていただけるとうれしいですね。

クリニックを継承された経緯についてお聞かせください。

当院は1974年に先代の父が開業し、40年以上にわたって身近な耳鼻咽喉科として地域に根差した診療を行ってきました。一方、私は愛知医科大学医学部を2007年に卒業し、大学病院や名古屋市内の病院に勤務していました。いずれは生まれ育った松阪市に戻って地域医療に貢献したいと考えていたんですが、その矢先、父が病に倒れました。2017年のことです。父がこれまで築いてきたものを終わらせるのは寂しいことですし、自分ができるのにやらないという選択肢はないだろうと考え、その時、引き継ぐことを決意しました。最初は父が診療していた古い建物で診察を始め、その隣地に現在のクリニックを新築し、2018年11月から診察しています。

お父さまと同じ耳鼻咽喉科の医師を志したのは、どうしてですか?

野々山宏院長 野々山耳鼻咽喉科2

わが家は、父に次いで、兄と姉も耳鼻咽喉科の医師をしています。その流れで、私も自然と同じ診療科へ進みました。また、小学1年生の時、扁桃の摘出手術を受けたことがあり、耳鼻咽喉科の医師に親近感もありましたね。この診療科の魅力は、最初の診察から検査、手術を含めた治療まで、すべて一人の医師が担当できること。また、めまいに対する臨床研究などを通じ、アカデミックなモチベーションを持ち続けることもできます。何よりも、幼い頃から憧れていた父の後を継ぐことができ、とても幸せに感じています。できれば、父が倒れる前に一緒にクリニックで診察をしてみたかったですね。

耳・鼻・喉のさまざまな疾患に幅広く対応

診療の方針として大切にしているのはどんなことですか?

野々山宏院長 野々山耳鼻咽喉科3

患者さんは、先代の時代から通ってくださる方に加え、新しく来院される方も増えてきました。年齢層としては高齢の方が多いのですが、鼻風邪や喉の痛みを訴える小さなお子さんや、花粉症に悩む若い方もいらっしゃいます。そのように幅広い疾患、幅広い年齢層の患者さんが来られるので、何か一つ専門性に特化するというよりも、幅広く診療できることが大切だと考えています。耳・鼻・喉の一般的な疾患に的確に対応し、ほかの疾患が疑われる場合、他科の専門の先生に速やかに紹介しています。地域の病院はもちろん、近隣の診療所との連携も深めながら、松阪の地域医療を支えていきたいと考えています。

得意としている治療はありますか?

当院では、アレルギー鼻炎に対するレーザー治療を行っています。これは、鼻の粘膜にレーザーを照射し、粘膜組織を焼灼することで鼻粘膜のアレルギー反応を鈍くさせる治療です。痛みや出血が少なく、保険も適用されることから、花粉症などのアレルギー性鼻炎で悩んでいる方には、積極的にご提案しています。このほか当院では、スギ花粉症の方には、舌の下で錠剤を溶かして飲み込む舌下免疫療法も提供しています。患者さんのご希望やライフスタイルに合わせて、さまざまな選択肢を提供するよう努めています。

こだわりの医療設備があれば、教えてください。

野々山宏院長 野々山耳鼻咽喉科4

めまいや耳鳴りなどの治療に使う、医療用の電位治療器を備えています。耳鼻咽喉科の疾患で、めまいや耳鳴りは、治りにくい症状の一つです。以前勤務していた病院でも、それらの症状で悩む患者さんを多く診てきました。その病院でも医療用の電位治療器を採用していたので、当院でも導入しました。また、めまいの症状を診断していくための検査機器も備えています。そのほか、内視鏡やエックス線撮影装置、聴力検査機器なども取りそろえています。さらに、ご自宅で就寝時にセンサーを取りつけていただく睡眠時無呼吸症候群の検査も始めました。

患者の気持ちに寄り添い、優しい診察を心がける

診療で心がけているのはどんなことですか?

野々山宏院長 野々山耳鼻咽喉科5

基本的には、どの患者さんに対しても笑顔で、優しく接することが大事だと思っています。患者さんは皆、つらい症状を抱えて来院してくださいます。その思いをしっかりと受け止めて、丁寧にお話を聞いて、できる限り優しく治療するよう心がけています。例えば小さなお子さんは、鼻に細長い管を入れようとすると、それだけで怖がってしまいます。そんなときは、治療の目的をかみ砕いて説明し、「大丈夫だからね」と励まします。それでも、嫌がられることが多いのですが、お子さんが頑張って治療が受けられるように工夫を重ねています。

これからの課題や展望をお聞かせください。

松阪市は、これからすごいスピードで高齢化が進んでいきますから、ご高齢の方の生活をいかに支えていくか、ということが大きな課題です。例えば、当院では耳の聞こえの悪くなった方のために、補聴器相談に力を入れています。補聴器は使い始めた後のメンテナンスが重要です。しかし、ご高齢で足腰も弱くなり、補聴器のお店まで足を運ぶのが大変、という方もいらっしゃいます。そういう方々のために、当院に補聴器の業者さんに来ていただいて、相談やメンテナンスを行っています。私は、この地域の方々に貢献するために、父のクリニックを継承したわけですから、今後も補聴器相談のように、自分ができることをしっかりやっていきたいと思います。

最後に、地域の方々へ何かメッセージをいただけますか?

野々山宏院長 野々山耳鼻咽喉科6

当院は、ご高齢の方々を支えると同時に、小さなお子さんとお母さんから親しまれるクリニックになりたいと考えています。例えば風邪症状がある場合、耳鼻咽喉科であれば、症状や局所の所見に合わせて適切な薬を処方することができます。「鼻や喉の症状があるけれど、どこにかかったらいいだろう」と迷う場合は、ぜひお気軽にご相談いただきたいと思います。私自身、2人の子どもの父親でもあり、根っからの子ども好きでもあります。小さなお子さんの診察を安心して任せていただけたらうれしいですね。

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