乳がんの早期発見・治療には
乳腺専門の医師による定期検診を
藤沢医院
(知多郡東浦町/石浜駅)
最終更新日:2021/10/12
- 保険診療
今の時代、「乳がん検診」に関心を示す女性は多い。12人に1人は乳がんにかかる恐れがあるといわれていることもあり、早期発見のためにはやはり日頃からのセルフチェックと、定期的な検診が必要不可欠だ。自分や、大切な人のためにも、女性にとっては一度は受けておきたい検診の一つだろう。「メディアで広く報道されたことがきっかけで、検診を受けに訪れる患者は数倍にも増えた。それでもまだ、乳がん検診において“痛そう”、“怖そう”といった負のイメージが定着していることは否めない」と、藤沢医院の藤澤稔院長は話す。今回は、受診の目安や検査までの実際の流れ、使用する器具や結果の知らせ方など、細かく話を聞いてきた。
(取材日2017年9月9日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q乳がん検診はいつ頃から受けるのがよいのでしょうか?
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A
日本人の乳がんのピークは50歳前後ですが、検診は30歳を過ぎたら受けたほうがいいでしょう。早期に発見できれば、治療効果は高まり、病状の経過にも大きく影響するといわれているからです。もしもご自身の身内(血縁関係)に乳がんを患ったことのある方がいらっしゃれば、たとえ20代であっても乳がん検診を受けることをお勧めします。
- Qどのような症状が出たら受診すべきですか?
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A
第一に、乳房にしこりを発見した場合。これは直ちに受診が必要です。ご自身ではしこりに気づかない方も多いですが、普段からセルフチェックとして毎日乳房の状態を確認し、「普段と違う」ことに気づけるようにしておくのがいいですね。次に、乳頭から血液の混じった分泌物が出る、腕を上げたときに乳房や乳腺が引きつる感じがある、こういった症状もすぐに検査が必要です。それらの症状がいつ頃から、どれくらい続いているかも問診の際に必要となりますので、詳しく記録しておいてください。
- Qどんな検査を行うのでしょうか?
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A
検査の流れとしては、問診の後、乳房にしこりがないか触診します。乳頭から分泌物がある場合は、分泌物の成分や色の確認もします。その後、エコーで多角的に詳しく調べます。しこりがあった場合、良性か悪性かの区別がつきにくい、またはがんが疑われるようなときは、乳房に直接細い針を刺し細胞を採取して調べる「細胞診」や、局所麻酔をしてやや太い針でしこりそのものの一部を採取する「針生検」を行います。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診表に記入
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診察の待ち時間に問診表へ記入。いつ頃から症状があったか、胸の痛みや張り、違和感はないかなどを書く。症状を言葉で表すのが難しい場合も、乳房のイラストに直接書き込めるので便利だ。同院の問診票には、症状を問う設問の中に、「症状はないが心配なため」という選択肢もあり、自覚症状がなくても受診できるような心配りがなされている。
- 2触診スタート
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検査着に着替えたら、ベッドに横になる。触診が始まる前に医師から検査の流れについて説明があるので、心配事があれば遠慮せずに確認しよう。触診では脇の下辺りから確認していくが、同院では「大丈夫ですか?」「痛むところはありませんか?」などと、患者が不安にならないよう随時声をかけているそう。壁紙やカーテンが優しいピンク色で統一されているのも、どこか落ち着く印象。
- 3より詳しい乳房超音波検査
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超音波を伝えやすくするジェルが検査箇所に塗られ、超音波があてられる。乳房内部の様子を映したモニターを医師と一緒に見ながら、異常はないかをチェック。両方の乳房で、合わせて10分程度で超音波検査は終了。なお、万が一しこりが見つかった場合は、その場で経過をみてもいいしこりか、針で調べたほうがいいか説明するようにしているとのこと。検査中も不安に思うことがあればすぐに聞ける状態なのでありがたい。
- 4局所麻酔をし、針生検を行うことも
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触診や超音波でしこりが認められた場合は、やや太い針を乳房内に注射し検査する「針生検」を行う。実際に使う針を見せてもらいながら、どのようにしてしこりの一部を採取するかを自ら確認できる。局所麻酔後とあって、注射針を刺すときの痛みはほとんど感じないそう。検査は5分ほどで終わり、結果が出るのは約1週間後。医院から電話で来院の指示がある。
- 5各検査の結果や、今後の方針などの説明
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超音波検査の結果を画像を見ながら詳しく聞く。経過観察が必要なら3~6ヵ月後に再び受診する。何も異常がなければ半年後、または1年後の定期検診で良いとのこと。藤澤院長は、患者にわかりやすい言葉で説明することを心がけているそう。