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伊藤 公一 院長の独自取材記事

医療法人医心会 伊藤内科医院

(名古屋市北区/名城公園駅)

最終更新日:2022/09/05

伊藤公一院長 医療法人医心会 伊藤内科医院 main

名城公園駅より東へ徒歩5分ほどの場所に、2人の医師の顔の看板が掛かる「伊藤内科医院」はある。伊藤公一院長の父、忠先生が昭和の半ば、1961年に開業した医院で、2004年に全面改築し、待合室は広く、院内はバリアフリーに。診察室の奥には庭の緑を眺められる明るいリハビリテーションルームがある。伊藤院長はもともと外科が専門で数多くの手術に携わり、父の医院を継ぐにあたって内科の研鑽も積んできた。現在は患者の身近にいる開業医として不安な気持ちに寄り添うとともに、「症状を速やかに判断して専門の医療機関に紹介するゲートキーパーでありたい」と語る。頭にバンダナをきりりと巻いた、終始笑顔あふれる伊藤院長に、地域における同院の役割や普段の心がけなどをざっくばらんに語ってもらった。

(取材日2022年7月22日)

地域に根づき患者とともに歩んできた医院

開業して約60年になる医院だそうですが、院内はきれいで明るく、広さを感じます。

伊藤公一院長 医療法人医心会 伊藤内科医院1

当院は、先代院長である私の父が1961年に開業しました。建物は2004年に建て直し、院内はバリアフリーで車いすの方もスムーズに入っていただけます。トイレも車いすのままで使用でき、同伴の方も一緒に入れます。ソファーの色もきれいな色を選び、私も白衣ではなく明るい色のウエアを色違いでたくさんそろえているんですよ。私がいつもしているバンダナと毎朝コーディネートもしています。患者さんの立場になれば、体が不調のときに真っ白な場所にいるよりも明るい空間にいるほうが心が安らぐのではないかと思いました。私は診察室でも静かにBGMをかけているのですが、邦楽だと歌詞に気を取られるので洋楽にしています。今日はハワイアンですよ(笑)。

患者はどのような方々が来られていますか?

ほぼ近隣にお住まいの方々で、長年通ってくださる方が多く、100歳近い方もおられます。中にはおじいちゃんおばあちゃんから息子さん娘さん、お孫さんと3代にわたって来られているご家族もあります。症状としては、高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病、体がだるい、腰が痛い、食欲がない、などですね。高齢の方がほとんどなのでその方のペースに合わせて丁寧にぼちぼちやっています(笑)。当院は看護師や事務スタッフも長年勤めてくれているベテランばかり。その分、顔なじみの方が多く、院内はいつも和やかな雰囲気。スタッフが患者さんの普段の体調や生活背景を把握していることも多く、より良い対応につなげています。

こちらではリハビリテーションも行っておられるのですね。

伊藤公一院長 医療法人医心会 伊藤内科医院2

はい。院内で一番日あたりが良く眺めがいい場所をリハビリテーションルームとしています。窓いっぱいに庭の緑が広がっているので、爽やかな気持ちでリハビリに取り組んでいただけると思います。装置は、体を温めてリラクゼーション効果が期待できる遠赤外線装置や脊柱を中心としたけん引を行う装置、むくみの改善や血行促進が望める装置、電気を交差させることにより痛みの緩和を目的とする装置などがあります。また点滴室にはリクライニングシートを用意しており、こちらも落ち着いた気分で処置を受けていただけると思います。

外科も内科も経験し患者に寄り添う

先生のご経歴について教えてください。

伊藤公一院長 医療法人医心会 伊藤内科医院3

私は川崎医科大学卒業後、国立名古屋病院(現・名古屋医療センター)に5年間、新城市の病院に2年半、名古屋大学医学部附属病院に5年間勤務しました。昔の話ですが、私は最初は外科が専門で病院では消化器全般の手術に携わっていたのです。なぜ外科を専門にしたかというと、テレビドラマで俳優さんが白衣を着てさっそうと歩く姿に憧れたから。しかし当時は薬の実験などに犬を使っていて、つらくて仕方がありませんでした。実験が終わった犬を連れ帰り、家で飼っていたこともあります。当院を継ぐにあたって内科の勉強にも取り組み、胃や大腸の内視鏡検査も多く経験しました。当院へ戻ってからは10年ほど父と一緒に診療していましたね。父は昔ながらの医者で厳しかったのですが、患者さん思いで慕われていたようです。父が亡くなってからは、そんな父に恥じないようにと努めてきましたが、振り返れば恥じ入ることばかりかもしれません(笑)。

普段、先生が心がけておられることはどんなことですか?

まずは偉そうにしないこと。たとえ偉そうにしていても、実態はいずれ患者さんにはわかってしまいますからね。また、私は患者さんの心の悩みまでわかって差し上げられる医師になりたいと思ってここまできました。ホームページにも掲げていますが、「患者さんとともに悩み、ともに恐れる」ということを信条としています。実は私は10年ほど前、全身麻酔で手術を受けたことがあるのです。それまで自分が手術を受けるなどと考えたこともなかったのですが、患者という立場になってみて、とても不安だったしとても怖かった。手術が終わってからは早く家に帰りたかった。そんな経験をしたこともあり、より患者さんの気持ちに寄り添いたいと診療にあたっています。

普段の診療に加え、オンライン診療や訪問診療もされているそうですね。

伊藤公一院長 医療法人医心会 伊藤内科医院4

オンライン診療は新型コロナウイルスの流行をきっかけに始めました。慢性疾患の患者さんが受診を控えて症状が悪化してはいけないと思い、パソコンでつながれるようにしたのです。訪問診療は希望があれば、それにお応えする形で行っています。車の運転は事務スタッフである長男が担当してくれます。また、当院では月1回、予約制で糖尿病、呼吸器内科それぞれ専門の先生に来てもらい、専門的な治療を行っています。糖尿病の先生は女性で、患者さん一人ひとりに合わせて食事指導や運動指導をしてくれています。呼吸器内科の先生は40代の男性でとても優しい方なんですよ。

地域のゲートキーパーとして力を尽くす

お忙しい合間に先生がリフレッシュされることはなんですか?

伊藤公一院長 医療法人医心会 伊藤内科医院5

うちにはラブラドール・レトリーバーがいるのですが、かわいくて癒やされますね。7歳で、人間でいうと還暦ぐらいで私と同じ年代なのですが、とてもいたずらっ子なんですよ。私は診療前にさっぱりして身だしなみを整えたいと思っていて朝もお風呂に入るのですが、出ると大抵、用意してあった靴下とかズボンとかがなくなっているんです。犬がくわえて持っていってしまうんですね。朝は家族みんながいろいろな準備でバタバタしているから犬も落ち着かないのでしょう。人間が大好きで遊んでほしい気持ちはわかるのですが、こちらも忙しいので困ります(笑)。また、朝は当院の前をいろいろなワンちゃんが散歩で通るので、あいさつするのも楽しみです。

医師になられて40年近く、大事にされていることはありますか?

何でもいいから継続することだと思います。毎日少しずつでもこつこつと続けると10年20年たったときに大きな実りになっているのではないでしょうか。人に話すことでもありませんが、私は毎朝5時ぐらいに起きて勉強することを続けています。今はパソコンがありますから取り入れたい新しい知識や情報がありすぎて読み込むのが大変です。そうして診療に入り、平日は19時まで、木曜は20時まで患者さんと向き合います。終わってからお風呂に入ってビールを飲むのが楽しみで、これも続けていますね(笑)。

最後に、地域におけるこちらの医院の役割についてお考えをお聞かせください。

伊藤公一院長 医療法人医心会 伊藤内科医院6

私が当院の一番大切な役割だと思うのは、ゲートキーパー、いわゆる「命の門番」であることです。患者さんのお悩み、困っていること、体に出ている小さな症状にきちんと気づき、一人ひとりに応じた診断をしていくようにしたいです。お話を聞いて少しでも心を軽くしてもらったり、何か病気が隠れているなと感じたらすぐに適切な医療機関に紹介したりということですね。自分で何でも診るのではなく最初の振り分けをしっかりして、患者さんが安心して適した治療を受けられるよう、お役に立ちたいと思います。

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