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関 隆夫 院長の独自取材記事

関クリニック

(富山市/下奥井駅)

最終更新日:2022/01/26

関隆夫院長 関クリニック main

下奥井駅から徒歩約9分。通称・富岩街道から1本入った静かな場所に立つ「関クリニック」は、整形外科、リハビリテーション科、内科を標榜。地域のかかりつけ医として、腰痛、肩凝り、風邪や生活習慣病、スポーツ障害など、幅広い患者が訪れる。関隆夫院長のモットーは、患者の話をよく聴き、意向もよく確認しながら治療方針を立てていくこと。「開業医の役割は、どんな治療が効果的か見極めること」という思いも持ち日々診療にあたっている。穏やかな笑顔と語り口が印象的な関院長に、診療内容や患者への思いなどを詳しく聞いた。

(取材日2021年12月10日)

地域のかかりつけ医として整形外科から内科まで診療

お父さまの代から、地域のかかりつけ医として患者さんを診てこられたとお聞きしました。

関隆夫院長 関クリニック1

私が小学1年の時に、父が「関外科」としてこの地で開業しました。父の時代は外科の医局の中に整形外科があった感じで、ここで盲腸の手術も行っていました。それがいつの間にか「体調を崩したらまず関さんに行って診てもらえば」みたいになって。病院の名は外科でしたが、高血圧、糖尿病など内科系の患者さんも多く、かかりつけ医の走りだったような感じがしますね。物心ついた頃から、ずっと父の背中を見てきたので、後を継ぐことはとても自然なことでした。金沢医科大学に進み1983年に卒業しましたが、その頃は卒業後すぐ医局に入るのが当たり前の時代でした。しかしいずれ父の後を継ぐのに幅広い経験も必要と考え、富山県立中央病院で1年間、各診療科で研修を積んでから富山医科薬科大学病院の整形外科に入局しました。「関クリニック」として院長に就任したのは1995年ですが、父とここで一緒に診療したのは1年くらいですね。

診療方針について教えてください。

今も内科の症状で来院される患者さんは多く、かかりつけ医という部分を大切にしたいと思っています。実際の診察では、具合の悪い箇所や症状など、患者さんの訴えをよく聴くことから始めます。ご希望や生活スタイル、今後のことなども考慮しながら、一緒に治療や診察計画を考えていきます。中には、長年通われている患者さんの往診や看取りの依頼もあります。当院の今の体制では本格的には対応できないのですが、信頼してご指名をいただくことは医者冥利に尽きます。時には患者さんご本人やご家族から、桜を見に行きたい、食事をとれない状態でも慣れ親しんだ地元のものを一口だけでも食べさせたいなどの願いを聞くこともあります。そうした思いにはとても共感しますし、できる限り叶えられるよう努めています。

患者層や疾患の傾向などについて教えてください。

関隆夫院長 関クリニック2

患者さんの中心は奥田エリア、ご高齢の方が多いです。中には遠方から来院される方もいます。6割が整形外科、4割が内科の患者さん。腰痛で通院されていて、風邪も診てほしいというようなケースも多いです。疾患では骨粗しょう症の女性が増えています。また寒くなると腰痛、関節痛が増えると感じますね。コロナ禍となってから、ちょっとした風邪では診てもらえないのではと、患者さんが気軽に来られなくなったような雰囲気を感じます。高熱が出るなど悪化してから来院する方もいますが、受診を躊躇するお気持ちもわかるので仕方のない部分もあります。

どんな治療が効果的か見極めるのが開業医の使命

整形外科領域では、リハビリテーション、スポーツ、リウマチの診療も専門的にされていますね。

関隆夫院長 関クリニック3

整形外科でも幅広い症状に対応することを大切にしています。手術が必要であれば基幹病院を紹介し、当院の通院で治療できる場合は、薬、リハビリ、注射など、どのような治療が最も効果的か見極めることが大切だと思っています。そこが開業医としての役割と考えています。お話を伺い、ご意向もよく確認しながら治療方針を立てていきます。手術については、必要か否か、どんな段階になったら専門機関を紹介するべきかという、診療の入り口としての役割が非常に大きい。初診後すぐ基幹病院と連携することもあります。リハビリでは経験豊富なスタッフが常駐していますが、時にはリハビリが時間的・金銭的にも無駄になってしまうこともあるので、早めに手術した方が良いケースも速やかに紹介しています。一方で、「手術は絶対に嫌」という方もいます。緊急性の高いものは別ですが、できるだけ患者さんのご意向を尊重するようにしています。

お子さんやスポーツをされる方の受診も多いですか?

子どもさんでは、股関節の痛みや、すぐ足が痛くなり疲れやすいなど訴えの内容はさまざまです。自治体や学校の健診で、股関節脱臼や側湾症などを指摘されて来院するケースもあります。親御さんが心配して来院されることが多いので、その相談に乗るのが一番大切と考えています。経過観察はどうか、通院に必要な頻度など、ここでも見極めが大切。安心してもらえるよう丁寧にご説明しています。スポーツによる痛みやケガも多岐にわたり、いわゆるテニス肘になったり、野球で肘の軟骨が歪んだなども多いです。

リウマチについても教えてください。

関隆夫院長 関クリニック4

リウマチは発症から2年以内に症状が急速に進むため、早期の発見と治療が重症化を抑える上で非常に重要です。症状が大きく変化するので、初期は週1回くらいの頻度で診察することが多いです。しかし20~30年前と違って今は進行を抑えることもできるようになり、不治の病ではなくなりました。免疫抑制剤も進歩しています。早めに治療を始めれば進行を遅らせていくこともできるので、月1回の診察で、仕事を続けられるケースも珍しくないと思います。

和漢薬診療もされていますが、どのような診療を行うのですか?

東洋医学と西洋医学それぞれの長所を取り入れた医療です。医師になってから関心を持ち、富山大学和漢医学教室で学びました。西洋医学は症状や病気に対し、ピンポイントで薬を用いた治療を行います。一方、東洋医学では、病気そのものでなく体に穏やかに作用させて体質改善を促します。「証」という診断法で、気・血・水の滞りや、体の抵抗力なども合わせて考え、漢方薬を処方します。それぞれの病状や身体状態、体質などに合わせて選ぶことが重要で、同じ病名でも適した処方はその人によって違います。風邪などにも用いられ、西洋医学の薬と併用で処方する場合もあります。

新しい知識や治療法を得るため、勉強会にも積極参加

セミナーや勉強会にも数多く参加しているとお聞きしました。

関隆夫院長 関クリニック5

新しい情報や治療法を学ぶことは必要不可欠と考え、コロナ禍以前は積極的に参加していました。骨粗しょう症など整形外科領域だけでなく、血圧など内科系の講演会にもよく足を運びました。糖尿病治療など昔と大きく変わっているものもあり、そこで得た知識や治療方法も診療に取り入れています。少しでも日常診療に役立て、患者さんに還元できればと考えています。興味があることを突き詰めるのが好きなので、学ぶことに苦労は感じません。学生時代は勉強嫌いだったはずなのに、意外に好きだったのかもと(笑)。

健康のために実践されていることはありますか?

患者さんに「運動しましょう」と言うからには自分も……と思っていますがコロナ禍を言い訳に最近はあまり動いていない気がします(笑)。日頃から早起きなので、以前はゴルフの打ちっぱなしに行くことから一日が始まり、仕事から帰宅し、夕食後に1時間ほど自転車に乗る生活だったのですが。ウォーキングは4~5年くらい続けていましたが、家の周辺だけでは物足りなくなり欲が出てくるんです。同じ公園ではつまらない、もっと遠くへ行こうと。花の開花や自然の移ろいに触れ、ポジティブな気持ちになれます。患者さんには「初めは5分からでもいい、まず一歩踏み出しましょう」と話しています。

お忙しい毎日と思いますが、オフの時間の過ごし方を教えていただけますか?

関隆夫院長 関クリニック6

ゴルフが好きで、昔は少しでも上達したいと頑張っていましたが、今は予約サイトで空きを見つけて、気ままに一人ゴルフを楽しんでいます。出張等で他県へ行った時、現地のゴルフ場に寄ることもあります。大きなトーナメントの大会をやっているような名門ゴルフ場に一度は行ってみたいですね。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

これからも地域のかかりつけ医であることを大切に、地域の人のためにも元気でいたいと思っています。読者の方へは、じっくりお話を伺った上で、より良い治療を一緒に考えていきましょうと伝えたいですね。

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