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勝井 豊 院長の独自取材記事

松波クリニック

(新潟市中央区/白山駅)

最終更新日:2024/05/10

勝井豊院長 松波クリニック main

JR越後線白山駅から徒歩15分に位置する「松波クリニック」は肛門外科・肛門内科・外科・内科・小児外科を標榜するクリニック。院長の勝井豊先生は1973年新潟大学医学部を卒業後、同大学の外科学教室に入局。14年間小児外科に従事した後、肛門疾患を学ぶため社会保険中央総合病院や新潟県内の病院で研鑽を積み、1990年に開業した。現在は肛門の症状を主訴に訪れる患者が80%ほどを占めるというが、風邪や小児の鼠径ヘルニアなどにも対応するなど、幅広い診療を行う。今回は勝井院長にクリニック開業に至った経緯や診療にかける思い、今後の展望について聞いた。

(取材日2024年1月4日)

肛門疾患の専門家として医療を提供

クリニック開業に至るまでの経緯をお聞かせください。

勝井豊院長 松波クリニック1

もともと生まれは新潟県なのですが、中学生・高校生時代は父親の仕事の都合で大阪府で過ごしました。新潟大学への進学を機に再び新潟県へと戻り、そのまま同大学の外科学教室に入局。14年間、小児外科を中心とした外科医療に携わってきました。その後肛門疾患に興味を持ち、当時「痔の治療といえばここ」といわれるほど診療が盛んであった山手メディカルセンターで研鑽を積んだほか、新潟県内の肛門外科・肛門内科専門病院でも経験を積みました。長らく新潟県で過ごしてきましたし、特にこの地域は住み心地も良く気に入っていました。「新潟に骨を埋めたい」という思いから、私自身が42歳の時にこの地で開業しました。

現在はどのような患者さんが受診されるのでしょうか。

現在は主にお尻の痛み、出血、腫れ、かゆみなど、肛門疾患が疑われるようなお悩みで受診される方が多いですね。また便秘や排便時の違和感などを訴えて受診される方もいます。年齢層は子どもから高齢者まで幅広いのですが、どちらかといえば中高年の方が多いですね。男女比はやや男性の方が多い傾向にあります。開業当初は、どちらかというと風邪などの一般的な内科疾患でいらっしゃる方がほとんどで、お尻のお悩みや外科的なお悩みで受診する方は少なかったのですが、今ではお尻のお悩みで受診する方が80%ほどを占めます。私としても、肛門疾患を広く診ていきたいという思いがあるため、徐々に「お尻の専門家」として認知が浸透してきてうれしく思います。

先生が肛門疾患に興味を持ったきっかけをお聞かせください。

勝井豊院長 松波クリニック2

医師になってからお尻の悩みを持つ方は案外多いことを知り、その悩みを解決する手助けをしたいと考え、肛門疾患について学んでみようと思いました。特に社会保険中央総合病院では、当時の肛門疾患治療を網羅的に、懇切丁寧に指導していただけました。その経験が、そこで学んだ知識を生かして新潟県の方々に適切な医療を提供したいと思うきっかけになりました。肛門疾患治療の魅力としては、疾患範囲が狭く集中した治療ができることや、治療にあたって肛門の機能温存を重視した治療のやりがいなどが挙げられます。特に、肛門の機能を低下させない治療ができると患者さんの生活の質が維持も見込まれるので、手応えを感じますね。

患者のプライバシーに配慮した診療を実施

クリニックの診療内容についてお聞かせください。

勝井豊院長 松波クリニック3

当クリニックでは幅広い診療を行っていますが、現在は診療のほとんどが肛門疾患に関するものですね。肛門は非常にデリケートな部分であり、悩みを抱えていてもクリニック受診に高いハードルを感じてしまう方も少なくありません。そこで当クリニックではできる限り患者さんが悩みを話しやすいよう、さまざまな工夫をしています。特に女性の患者さんは悩みを相談しにくい傾向があるため、私が診察する前に女性スタッフが話を伺うようにするなど、相談に対する抵抗が軽減されるように努めています。多くの場合のその後の診療の流れとしては、私が問診をした後に肛門内視鏡を用いて実際に肛門を拝見します。この時も肛門以外の部分が見えないようにタオルで覆い、配慮した診療を行うように心がけています。ほとんどの患者さんは当クリニックの治療で完結できますが、複雑な病態や、症状の重い方は必要に応じて専門の医療機関をご紹介させていただきます。

特に力を入れて診療している肛門疾患について教えてください。

肛門疾患といいますと、多くは「痔」と呼ばれるものが挙げられます。痔には大きく分けて、肛門にイボができる「イボ痔」、肛門に切り傷が生じる「切れ痔」、肛門の近くにトンネル状の穴が生じる「痔瘻」があります。前述のとおり、肛門疾患はなんらかの症状が生じていても、恥ずかしさなどからなかなかクリニックを受診できず、放置してしまうことが少なくありません。しかし放置していると、イボが大きくなったり、切り傷が深くなってしまったり、痔瘻が複雑化してしまったりして、治りにくくなってしまうこともあります。そのため、気になる症状があれば一度クリニックを受診し、診断を受けてほしいと思っています。当院は、患者さんを何十年もの長い期間悩ませてきた痔の症状も、なるべく早い改善につながる治療を提供できるように努力しています。当クリニックは週1回夜間診療も行っていますので、お忙しい方もまずは受診していただきたいと思います。

一般の方へ向けた啓発運動にも力を入れているのですね。

勝井豊院長 松波クリニック4

はい。できることなら気になることがあればクリニックを受診してほしいと思いますが、なかなか受診できない方も少なくないでしょう。そこで一般の方にも肛門疾患について知っていただけるようにコラムを作成し、ウェブサイト上で情報発信を行っています。肛門疾患の多くは生活習慣が関係して発症するといわれています。ですから予防・治療の側面から見て、肛門にとって良い生活習慣とはどんなものかといった内容の記事を数多く掲載しています。具体的には、便秘にならないことがとにかく大切なので、食生活やトイレに行く際の注意点などの情報発信が多いですね。情報発信のプロである業者さんとも協力し、新潟県外の方にもご活用いただければと思っています。

健康のことで困ったら医師を頼ってほしい

そもそも先生が医師になったきっかけはなんでしょうか。

勝井豊院長 松波クリニック5

医学部受験を決心したのは、大学入試の1年ほど前です。「命と健康はお金よりも大切」と感じ、命や健康に携わる仕事がしたいと希望し、医師をめざしました。生まれが新潟県で、新潟県が大好きだったので、大学で再び新潟の地に戻って来られたのもうれしかったです。

今後の展望についてお聞かせください。

医師になって長らくの時間が経過しますが、私にとってこの仕事は天職だと思っています。ですから、健康の許す限りできるだけ長くこの仕事を続けたいですね。加えて医師会関連の仕事にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。新潟県は勤務医の先生も開業医の先生も協力し合って、チームワークを発揮して地域医療を行っていると思います。私もその一助になれば幸いです。また、長く医師の仕事を続けるために、健康維持の目的でなるべく体を動かすことを心がけています。例えば、往診の移動の際もなるべく車を使用せず自転車で行くようにしてみたり、エレベーターを使わずに階段を使用するようにしてみたりしているんです。

最後に患者へのメッセージをお願いいたします。

勝井豊院長 松波クリニック6

健康に対して何かお悩みがある方は、ぜひ一人で悩まず、まずは医師に相談していただきたいと思います。私は肛門疾患の専門家なので、お尻のことで悩んだらいつでも力になりたいと思っています。肛門は自分で観察することができず、思い違いや思い込みも起こりやすい部位。人に見せるのは恥ずかしいと思う方も多いと思いますが、最大限の配慮を行いますので安心してお越しください。いきなり当クリニックを受診するのが怖い方は、かかりつけの医師に相談するのでも構いません。まず身近な医師を頼っていただけたら何よりです。

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