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土居 真太郎 院長の独自取材記事

浜町どいクリニック

(中央区/馬喰横山駅)

最終更新日:2022/04/01

土居真太郎院長 浜町どいクリニック main

馬喰横山駅から徒歩2分の場所にある「浜町どいクリニック」。浜町・東日本橋・人形町・馬喰町の各駅からも徒歩数分というアクセスの良い立地だ。ペインクリニック内科を標榜し、身体に起こるさまざまな痛みの診断治療を専門としている。姿勢の改善や心理的なカウンセリングなど、痛みの原因解消にも積極的に関わっていることが特徴だ。同院の開業は2021年の秋。土居真太郎院長いわく、この場所にはビルの竣工した翌年の1988年からクリニックがあり、30年以上この場所に通う地域住民も多いという。スタッフも長年地域を見守ってきたベテランぞろい。「痛みの治療で欠かせないのは、コミュニケーションと信頼関係」と語る土居院長に、同院開業前にこの場所で診療していた先生との関係や、痛みとコミュニケーションの関連性について話を聞いた。

(取材日2022年3月11日)

地域医療を引き継いで3代目

この場所にはもともと他のペインクリニックがあったそうですね。

土居真太郎院長 浜町どいクリニック1

当院が開業したのは2021年11月ですが、それまではこの場所に「日本橋むらやまクリニック」がありました。それ以前もこの場所は「宮田医院」が診療されていたそうです。ビルの竣工した翌年の1988年より、まさに昭和・平成・令和と、地域の皆さんに「ビルの1階はクリニック」として知られているのがこの場所ということですね。当時の「日本橋むらやまクリニック」のスタッフは、そのまま当院で活躍しています。看護師長にいたっては「宮田医院」からずっとこの場所で患者さんをお迎えしている大ベテラン。患者さんからの信頼も厚く、私も地域や患者さんについていろいろと教えてもらっているんですよ。

村山先生とはどのようなご関係なのですか?

私の出身は大阪で、大学は奈良県立医科大学を卒業しました。同窓の先輩からのお誘いがきっかけで上京して東京警察病院で働くことになったのですが、そこで出会ったのが順天堂大学から非常勤でいらしていた村山清之先生です。ちょうど「日本橋むらやまクリニック」が開業した頃、今から20年ほど前の話ですね。それから村山先生との関係が始まり、時には一緒に食事を楽しんだり、私の結婚式にはスピーチをしてくださいました。それから月日がたち、村山先生から「クリニックを継承しないか」と話があったのです。継ぐ医師がいなければ、クリニックを閉めようと思うとのこと。もともと私も開業を考えていましたので、この話を受けることに決めました。それなりの経験があるとはいえ、継承するからにはクリニックのやり方やこの土地に慣れなくてはいけません。開業までの約2年間は村山先生のもとで診療にあたり、2021年の秋に当院を開業しました。

診療範囲は痛みの緩和だけではないのだとか。

土居真太郎院長 浜町どいクリニック2

開業医の良さは患者さんをトータルでサポートできること。ペインクリニックだからといって、痛みを取って終わりにはしたくありません。その原因にアプローチし、治療やアドバイスも含めて対応するのが私の診療スタイルです。例えば薬で一時的に痛みが緩和されたとしても、原因を取り除かなければ同じことの繰り返し。痛むからといって動かさずにいるのも良くありません。正しく動かしていかなければ、いつまでも痛みは取れないのです。痛くて動きたくないとおっしゃる患者さんを動くように動機づけしていくことが大切です。患者さんに納得して治療を受けていただくために、わかりやすく説明して不安を取り除いてゆくことは医師の役目だと思っています。痛みの緩和だけに目を向けるのではなく、患者さんに寄り添って総合的な治療ができるのは、開業医ならではといえるでしょう。

正しい姿勢は子どもたちを参考に

痛みを感じても動かしたほうが良いのでしょうか?

土居真太郎院長 浜町どいクリニック3

そのとおりです。ひと昔前は痛みを感じたら安静にすることが推奨され、実際にそのようにする患者さんがほとんどでした。しかしそれだけで症状が緩和することはまれな上、ご高齢の方ですと寝たきりにつながりかねません。現代では、ある程度動かしながら治療していく方法が国際的なスタンダードになりつつあります。ただし、やみくもに動かしてはいけません。その症状に合ったストレッチ方法、その方に合った程度というものがあります。私は患者さんに「どのような内容を、どのくらいやるのか」の宿題を具体的に示すようにしています。

働き世代に向けて、生活上の注意点を教えてください。

在宅勤務が増えたこともあり、デスクワークの方を中心に首・肩・腰のお悩みが増えています。「ぎっくり腰」などいわゆる筋肉痛ですね。座る時間が長いと、それも体に負担がかかります。やはり適度な運動とストレッチが有用ですが、姿勢の悪い方は姿勢を直さないと根本的な解決になりません。日々の癖が蓄積して痛みにつながるからです。椅子に座る姿勢の指導や座ってできるストレッチの方法を指導することが多いです。また意外な原因が「靴」です。大きすぎる靴を履いていると靴の中で足がずれます。それを止めようとして膝に負担がかかります。足首が着地の際に内側に過度に曲がってしまっている方もいらっしゃいますね。靴ひもをきちんと結んだり中敷きを工夫したりするで解決することもありますので、痛みを感じたらすぐにいらしてください。

体のバランスを保つためには姿勢が重要なのですね。

土居真太郎院長 浜町どいクリニック4

そのとおりです。私にそれを実感させたのは、子どもたちの姿勢と、12年間続けているバイオリンの音色でした。バイオリンで音を出すには弓に自分の腕の重さ、ひいては体重をかけなければならないのですが、腰が後ろに引けた姿勢でバイオリンを弾くと、弓がしっかり押せず弱い音しか出せません。自分の姿勢の悪さを実感していた頃、ふと子どもたちを見て気づいたことがありました。なぜ小さな子どもでもちゃんと立てるのか? 子どもの体は大きくS字のカーブを描く形で、体の力が程よく抜け、骨盤はしっかり立っています。小さな体で大きな頭を支えていられるのは、頭の重さをS字の脊椎で上手に骨盤から膝、足へと逃がしているからなんですね。子どもたちの姿勢を参考に自分の姿勢を改めてみたところ、バイオリンの音色が変わったんです。骨盤が正しい位置にあると体はきれいにS字のカーブを描き、手先まで正しく力が行きわたることを実感しました。

大切なのはコミュニケーションと信頼関係

麻酔科の先生が「痛み」を診るメリットを教えてください。

土居真太郎院長 浜町どいクリニック5

痛みを感じる原因は内科や外科的な要因、メンタルの不調などさまざまです。麻酔科医は手術に必要な麻酔や術後の鎮痛処置に携わる経験から、痛みを取り除くために末梢神経・脊髄・脳に対してバランス良くアプローチする方法を熟知しています。手術中で起こるさまざまな危機的な状況に対処しているため、神経ブロックでまれに起こる危険な副作用や合併症が出た場合の緊急処置に強いのも麻酔科医です。

診療の際に心がけていることはありますか?

コミュニケーションと信頼関係です。患者さんのお悩みによって治療方法は変わりますし、メンタルの不調から感じる痛みならばなおさらです。大切なのは患者さんの話をしっかり聞くこと。話しやすい雰囲気づくりを心がけ、信頼関係を築くことで、その方に合った治療方法が見えてきます。無理な治療を進めることもいたしません。ペインクリニックというと「神経ブロック注射」のイメージが強いせいか、受診したら痛い注射をされるのではないかと受診をためらう方もいらっしゃるようです。ですが神経ブロック注射は治療方法の一つにすぎません。当院は、痛みの緩和を含めて患者さんをトータルでサポートするペインクリニック内科。患者さん一人ひとりに合った治療方法を提案していますので、安心してご来院ください。本当に必要な際は薬や注射を使用しますが、日常生活を見直すことや心理的なカウンセリングで改善につながるケースもあるんですよ。

最後に読者へメッセージをお願いします。

土居真太郎院長 浜町どいクリニック6

首・肩・腰などの痛みは生活習慣病だといっても過言ではないと思っています。生活習慣の見直しで改善につながることも多々ありますが、その方法がわからない方も多いでしょう。痛みが続くと気持ちにも影響を及ぼします。私自身、足が小さくてサイズの合う靴がなくて膝や腰の痛みにずいぶんと悩まされました。指や鼻の骨折も経験しましたし帯状疱疹も経験しています。骨折がどのくらい痛いのか、治るのにどれだけ時間がかかるのか、患者さんの気持ちもよくわかります。些細なことでも構いません。「体が痛いな」と思ったらお気軽にご相談ください。

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