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廣瀬 理恵子 院長の独自取材記事

赤沢耳鼻咽喉科医院

(前橋市/城東駅)

最終更新日:2022/04/21

廣瀬理恵子院長 赤沢耳鼻咽喉科医院 main

1972年の開院以来、地域医療に貢献している「赤沢耳鼻咽喉科医院」。開院時から変わらない外装・内装で診療を続けてきた同院には、前院長の時代から通う高齢の患者を中心に地元で親しまれている医院だ。医院前に数台止められる駐車スペース、数十メートル離れた場所に駐車場があり、入り口はスロープになっていて高齢者にとっても通いやすい設計だ。2021年4月より前院長の父から引き継ぎ院長に就任した廣瀬理恵子先生は、めまい治療のスペシャリスト。さまざまな原因から生じるめまいを慎重に識別し、必要に応じて地域の病院と連携を取りながら診療を行っている。「動物が大好きすぎて獣医になれなかった」と話す廣瀬先生に、専門のめまいのことや医師をめざしたきっかけ、飼っている猫とのエピソードなどたっぷり話を聞いた。

(取材日2021年12月6日)

1972年の開院以来、地域に貢献し続ける耳鼻咽喉科

こちらの医院についてお聞かせいただけますか?

廣瀬理恵子院長 赤沢耳鼻咽喉科医院1

当院は1972年に、前院長である私の父が開院しました。開院してからずっと変わらない外装、内装で診療を続けています。当院にいらっしゃる患者さんは、父の代からの患者さんも含め、高齢の方が多いですね。私は東京女子医科大学を卒業後、同大学病院の耳鼻咽喉科に勤務し、2018年頃から少しずつ当院での診療を手伝いはじめ、2021年4月より父に代わって私が院長に就任しました。東京に夫と子ども2人がいますので、今は東京の自宅とこちらを行き来しています。

耳鼻咽喉科の中でご専門分野などありますか?

めまいの診療が専門なのですが、耳鼻咽喉科の中でめまいを専門に選んだのは、東京女子医科大学の耳鼻咽喉科に入局して教授からの指示でめまいの外来を担当することになったのがきっかけです。以来、めまいの臨床についての専門的知識と診療技術を培ってきました。めまいの原因はさまざまですが、耳の奥に三半規管という平衡感覚をつかさどる部分があり、そこから生じるものが頻度としては一番多いですね。めまいに関しては年齢は関係なく、若い方も高齢の方も来院されます。耳からくるめまいは命に関わることはほとんどないのですが、頭のほうから来る、脳梗塞や脳出血からくるめまいは命に関わる危険な症状ですので、十分に注意を払う必要があります。

耳からくるめまいと頭からくるめまいは、どのように見分けるのですか?

廣瀬理恵子院長 赤沢耳鼻咽喉科医院2

めまいの検査や症状の出方などである程度の判断がつきます。めまいがするときは我慢せずに、早めに耳鼻咽喉科を受診してほしいですね。重度のめまいでは、立っていられなかったり、少し動くと気持ち悪くなって吐いてしまったりします。頭からくるめまいと識別するためにも、症状があったら早く受診するのが一番です。当院では、めまいで受診された方で他の科の診察が必要な場合は、迅速に該当する医療機関へ紹介します。例えば、頭からくるめまいの場合は、近隣の脳神経内科クリニックへ紹介するなど地域で連携を取っています。

つながっているために関連性をもつ「耳」「鼻」「喉」

季節による主訴の変化などはありますか?

廣瀬理恵子院長 赤沢耳鼻咽喉科医院3

昔から季節的な変化はあります。季節の変わり目や梅雨時にはめまいの人が多かったり、夏場は外耳炎や中耳炎が多いですね。外耳炎は汗をかいたりして耳の雑菌が増えることから生じます。冬場は風邪が原因の中耳炎、特に子どもさんは冬場の風邪からの中耳炎が多いですね。耳・鼻・喉はつながっていますので、1つの症状が悪化して他へつながってしまうことがあります。昨年から、新型コロナウイルス感染症のために受診をためらって症状が悪くなってから来院する人が多いですね。以前だったら鼻の症状だけで済んでいたのに、耳まで悪くなっているケースなどがありますので、やはり早めに受診することが大切です。

その他、どのような症状の患者さんが多いですか?

副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などの患者さんも多いですね。アレルギー性鼻炎は花粉症に代表されるものですが、最近は春のスギ花粉だけでなく、夏の花粉や秋の花粉など季節ごとの花に対して症状が出る人が増えています。治療は、薬を服用したり、点鼻薬を使ったりなどが主体になります。中耳炎などの治療は、今は良い抗生物質がたくさんありますので、主に薬の服用による治療になりますが、中耳炎を繰り返す慢性中耳炎の場合は耳を洗浄したり、薬を入れたりする治療もしています。慢性中耳炎は子どもの頃から繰り返すケース、大人になってから繰り返すケースの両方があります。

力を入れている分野がありましたら教えてください。

廣瀬理恵子院長 赤沢耳鼻咽喉科医院4

やはりめまいですね。もともと内耳には耳石と呼ばれる物があるのですが、その耳石が外れて三半規管に入り込んでしまったために起こるめまいが意外と多いのです。その外れた耳石を三半規管から出さないといつまでもめまいが続くことになりますので、それを出すための運動指導を行います。ちょっと時間はかかりますが、外来で対応が可能です。昔は、「めまいの時は動かないで」と医師からアドバイスされることもありましたが、めまいの種類によっては、例えば三半規管に関わるめまいなどは、動いたほうが改善につながりやすいですね。

めまいに悩んでいたら、まずは耳鼻咽喉科の受診を

医師をめざされたのは、やはりお父さまの影響ですか?

廣瀬理恵子院長 赤沢耳鼻咽喉科医院5

そうですね、父の影響が大きいと思います。でも、医学部に入ろうと決めたのはかなり遅く、高校3年生の夏でした。将来の仕事についてあまり考えていなかったので、面談では毎年違うことを言っていました。1年生の時は「理工学部に入ってコンピューターに関わる仕事をしたい」、2年生の時は「獣医になりたい」と。獣医に関しては、動物が好きすぎるために病気になったりするとかわいそうと思う気持ちが先に立って、治療ができないと思ったこともあり獣医には向かないと諦めました。人間の治療なら、「かわいそう」だけで終わることはなく、話せばコミュニケーションも取れますので、人間のほうがいいかもしれないと思って高校3年生の時に「医学部に行く」と決めました。

なぜ耳鼻咽喉科に進まれたのですか?

大学に入学するときは何も決めていなかったのですが、卒業2年前くらいからいろいろな科を回って勉強していた中で、「長く診療を続けられる科を専門にしたい」と考えるようになりました。そんな時、知り合いの大先輩の内科の女性の先生が「耳鼻咽喉科がいいんじゃない? 内科系のことも、外科系のこともできるでしょう」と言ってくださったのが、耳鼻咽喉科に進もうと思ったきっかけです。ですから、専門については父の影響はあまりありません。

休日はどのように過ごされていますか? ご趣味などありましたら教えてください。

廣瀬理恵子院長 赤沢耳鼻咽喉科医院6

両親が高齢なので買い物係などをしていますが、趣味は猫をかわいがることです。今年の6月から黒い猫を飼い始めました。生後6週間くらいの子猫が、休みの日に診察室に迷い込んできたことが始まりです。その迷い猫を外に出したら、駐車している私の車のエンジンルームに入ってしまって、車の故障などに対応してくれる業者さんを呼んで出してもらったら、今度はボイラー室に入ってしまったのです。人間の匂いがついて親猫が面倒を見てくれないだろうということで、飼い始めました。それまでは、東京の家で去年まで10年間、白黒の猫を飼っていたのですが、死別の悲しみが大きくて、「もうしばらくは動物を飼えない」と思っていました。でも、迷い猫を放り出すことができず飼い始めましたが、やはりとても癒やしになっています。

診療の際に心がけていること、読者の皆さんへのメッセージをお聞かせください。

診療の際に心がけていることは、「おはようございます」「こんにちは」と最初にちゃんとあいさつをして、コミュニケーションを取ることです。患者さんが悩みや不安を話したり、疑問に思ったことを質問したりしやすい医師でありたいですね。読者の方へのメッセージとしては、めまいで悩んでいる方は我慢せずに、早めに相談に来ていただければと思います。

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