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浦屋 制 院長の独自取材記事

浦屋医院

(松山市/上一万駅)

最終更新日:2022/01/20

浦屋制院長 浦屋医院 main

伊予鉄市内電車上一万電停より徒歩3分、アクセスの良い松山市中心部に位置する「浦屋医院」。創業から66年、変わらず地域医療に密接に関わり続けてきた有床診療所だ。浦屋制(うらやつとむ)先生が2代目院長を務め、専門とする整形外科から外科、生活習慣病などの内科的な疾患、予防接種まで、住民たちの健康的な生活を総合的にサポートするかかりつけ医として地域医療を支えている。高齢化に伴う老老介護や高齢者の独居などの問題に対応すべく、介護医療院の運営も行う同診療所。地域のニーズをくみ取り、丁寧にケアしていきたいという浦屋院長の思いが表れている。「1番目のドクターとして相談してもらいたい」と話す浦屋院長。地域医療を支え続けてきた静かな使命感を胸に、診療に向かう日々の心がけなど話を聞いた。

(取材日2021年12月13日)

かかりつけ医として生涯にわたる健康維持を支えたい

院長先生が医師を志されたきっかけ、こちらの診療所の現在までのご経緯をお聞かせください。

浦屋制院長 浦屋医院1

どこが開業かと言うと少し難しいところはあるんですが、まず1955年に父が「うらや外科」として創業しました。その後1970年に入院病床のある「浦屋病院」となり、2020年に病床の一部を介護医療院として別施設にしたため、現在の有床診療所「浦屋医院」 となりました。私が医師を志したのは外科医の父の影響が大きかったのはないでしょうか。働く父親の背中を見て自然と医師になることをめざしたのだと思います。帝京大学医学部卒業後に大学院へと進み、その後、愛媛大学医学部附属病院や愛媛県立今治病院にて整形外科の医師として勤務しました。1990年に浦屋病院に戻ってまいりまして、先代とともに診療にあたり、2008年に院長職を引き継ぎました。

診療方針についてお聞かせください。

当院は「かかりつけ医」として、地域の皆さまの生涯にわたる健康維持をお手伝いしています。患者さんに寄り添い、患者さんのQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)の向上を第一に考えた治療とケアをめざしております。痛みを和らげるのはもちろんですが、自立した生活を送ることができるよう、全力でサポートいたします。一人ひとりの健康上の悩みや不安に向き合い、納得の上で治療を受けていただけるよう、わかりやすい、丁寧な説明を心がけております。

院長が患者さんと接する時に、大切にされていることは何でしょうか?

浦屋制院長 浦屋医院2

そうですね、大切に思っていることは患者さんのご希望ですね。心の中で思っていることを医師の前では全部は言わない、内緒にしているようなことがあっては治療方法にも影響してきます。ですので患者さんの思いであったり、困っていること、また他の疾患についてもお話ししていただけるようにしています。患者さんにとっては「隠すな」ではなくて、何げなくお話しいただけるように心がけ、患者さんと信頼関係を築くことが大切ではないでしょうか。

地域医療の役割を果たすため地域のニーズに応えていく

受診される患者さんに多い訴えはどのようなものでしょう?

浦屋制院長 浦屋医院3

当院は地域のかかりつけ医ですので、専門の整形外科をはじめ外科や糖尿病などの内科的な疾患も幅広く診療しています。医師も院長の私だけではなく、松山赤十字病院などからも各専門領域の先生に来てもらい、多くの診療科の診療が可能になっていますので、地域のかかりつけとしての役割を担えているのではないでしょうか。また、人と人のつながり、手と手のぬくもりを感じる治療を大切にしたリハビリテーションにも力を入れております。ここ最近危惧していることは、新型コロナウイルス感染症の影響もあり内科的な疾患の通院が少し控えめになっていること。そして「できるだけ先まで薬を出してほしい」というご要望も多く、診察と診察の間隔が以前よりも開くようになっていることが少し心配ですね。糖尿病などを代表に自覚症状がなくても悪化している疾患はありますので、自己判断なさらずに、必要な定期検査や経過の診察はきちんと受けていただきたいですね。

一般病床もございますが、どのような方が入院されているのでしょう?

骨折や事故など、救急で運ばれて来た方や手術後のいわゆる「急性期」の患者さんですね。ただし、整形外科がメインといいながら、当院はご高齢の患者さんも多いため、内科的な疾患も必ずと言ってもいいくらいついてきます。そのため、主訴の整形外科だけを診るのではなく、内科的な疾患のお悩みなどもしっかりとお話しいただいて、それに伴う治療をすることが必要です。また、歩いて行ける距離に松山赤十字病院がありますので、病診連携にも力を入れています。必要であれば、入院患者さんを当院のスタッフが松山赤十字病院の診察に車いすでお連れすることも可能です。当院には、入院期間が長くなる方も多くいらっしゃいますので、整形外科を専門としながらも他の内科的な疾患も含めて、他院とも連携しつつ総合的に患者さんを診させていただいております。

介護医療院の運営もしているとか。

浦屋制院長 浦屋医院4

当院の3階にあった病床を、2020年に療養床30床の介護医療院の施設へと変えました。地域医療機関からの紹介の受付調整などを行う地域医療連携室も設けております。介護医療院は、介護と医療的支援が必要な、長期にわたった療養が必要な方が生活をしていくための場所です。当施設に入られている方は、当院2階の一般病床にて治療が終わったものの退院するにしても、ご家族による介護が難しい方や、お一人暮らしの方が多いです。介護医療院については医療保険ではなく介護保険が適用されますので、入所期間は特に定めはなく看取りを行うこともあります。高齢化も進み独居の方も増えてきていますので「退院しても一人で身の回りのことはできないし、どうしようかと思っていた」という方に安心していただけるような存在の施設になっていければ、うれしいですね。

地域住民にとって1番目に相談する医療機関でありたい

先生は整形外科がご専門だとお聞きしました。

浦屋制院長 浦屋医院5

当院は救急指定病院でもあり、交通事故などで運ばれてくる患者さんの外傷処置などの治療も多く扱っております。私の専門である整形外科領域は手術も当院で執刀しています。膝などの関節の痛みを訴える患者さんもいらっしゃるので、必要に応じて人工関節の手術などもしていますよ。ただし、第三次医療機関ではないと対応が不可能な開放性骨折などの場合は即座に判断し、病診連携をとっております。これまで培ってきた経験や知識を生かして、スタッフとも協力しながら患者さんの生活やお気持ちに寄り添った診察ができればと思っています。

患者さんのご自宅を訪問して栄養指導を行うサービスもあるとか。

管理栄養士による糖尿病患者さんのための栄養指導ですね。糖尿病患者さんの多くは、適切な食事を召し上がっていく、栄養のコントロールがとても大切。そのため、患者さんの生活の場での栄養指導をしていきたいと考えて導入しました。また、整形外科疾患で入院されている患者さんの中で糖尿病もお持ちの方に関しては、専任スタッフにより専用の食事をお出ししています。

最後に、今後の目標と読者へのメッセージをお願いします。

浦屋制院長 浦屋医院6

これからも地域の皆さんのニーズにお応えしていきたいと考えています。さまざまなお悩みや不調がありますが、当院はその「1番目の医療機関」としてご相談に乗っていきたいです。1番目のご相談をいただくことで、そこからいろいろな道筋をご提案してくことも可能になります。ご高齢の方によくある「ちょっと足が痛い」とか「最近体の調子がおかしい」など、どこに行けばいいのかわからないような不調もお気軽にご相談いただけたらと思います。仮に、大がかりな手術が必要な疾患でしたら松山赤十字病院などへご紹介可能ですし、当院で対応できるものでしたら、誠意をもって対応させていただきます。これからも地域の皆さまに頼りにされる「かかりつけの医療機関」として、急性期からお年寄りの介護まで生涯にわたってサポートしていきたいと考えております。

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