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栗田 知之 院長の独自取材記事

栗田歯科医院

(練馬区/練馬春日町駅)

最終更新日:2023/03/14

栗田知之院長 栗田歯科医院 main

都営大江戸線練馬春日町駅より徒歩2分の「栗田歯科医院」。30年以上の診療経験を持つ栗田知之院長は、「なるべく歯を多く削らない、神経を取らない、根管治療を成功させる」治療をめざし、方法論から改良を重ねて現在も進歩の努力をやめていない。治療の話になると身を乗り出して熱心に説明する姿は、生涯を自らのテーマに注ぐ熟練の研究者のようだが、堅苦しさはまるでなく、いたって親しみやすい。そんな明るい探求の人である栗田院長に、治療で大切にしていることや、近年気になっているという「軽い力が歯に及ぼす害」の話、今後に向けた抱負などを語ってもらった。

(取材日2023年2月9日)

神経を残す、根管治療を成功させるためのもうひと手間

先生が診療で心がけていることを教えてください。

栗田知之院長 栗田歯科医院1

できるだけ天然の歯の部分を残すこと。つまり、なるべく神経を取らない、根管治療を成功させる、ことです。私は長年、虫歯の治療方法や消毒の方法、詰め物に使う接着剤やセメントの種類と使い方を研究してきた結果、虫歯のあった部分だけに、歯型を採らず直接詰めるという方法を多く採用するようになりました。歯型を採る方法だと、どうしても虫歯の範囲より広めに削る必要があります。詰め物が外れて、穴が露出してしまったときも、その詰め物を再利用してしっかりつけ直します。そのほうが、新しく詰め物を作り直すよりも削る量が少なくて済むし、長く使うことにつながる場合が多いです。自由診療でセラミックを使う場合などはそれも仕方がありませんが、保険適用であっても、天然の歯を最大限に残すための治療が可能です。

どんな治療を行うことが多いですか?

このあたりは、お年寄りの患者さんがたくさんいらっしゃいますので、入れ歯の治療をすることも多いです。長年の経験から治療のコツがわかってきました。その一つに、入れ歯の「『噛み合わせ』合わせ」があります。どういうことかというと、特に総入れ歯は上下の噛み合わせが極めて大事になってくるので、一度完成した入れ歯をいったんお預かりして、咬合器という機械で2度目の「『噛み合わせ』合わせ」をするのです。患者さんに入れ歯をお使いいただきながら調整していく方法が一般的かと思いますが、咬合器でもうひと手間をかけることにより、患者さんの通院回数を減らすことをめざしています。正直、この作業で診療後や休診日の時間が大幅に削られてしまうのでひと手間どころではないのですが(笑)、入れ歯が痛いと言ってやってくる患者さんの苦労を思えば、これも外せない仕事のうちですね。

お年寄りの受診が多い一方で、子どもの診療についてはどのようなお考えをお持ちですか?

栗田知之院長 栗田歯科医院2

お子さんを診るのも好きですし、内心で密かに得意だと思っているぐらいです。心がけているのは、小さな子どもが相手であってもまずはきちんと説明すること。そうした上で、その日の診療で使う道具を全部見せ、歯に詰めるものを手に持たせるなどしてから、治療を始めるようにしています。治療中は手鏡を持ってもらい、治療しているところを一緒に見ていてもらうと、あまり怖がらず、安心した様子で座っていてくれますね。乳歯の虫歯もなるべく多くは削らずに、消毒やフッ素の使用、溝にセメントを詰めるなどの方法で、永久歯に生え替わるまでの数年間を持たせることをめざすという考え方で臨んでいます。

「軽い力」など歯のトラブルの隠れた原因を慎重に診断

2014年3月の前回の取材から9年たちました。この間の診療で新たに取り組んでいることはありますか?

栗田知之院長 栗田歯科医院3

「歯にかかる軽い力」が歯を悪くする大きな要因になっていることに注目しています。患者さんを診ていると本当に多いんですよ。歯にかかる力というと、おせんべいのような硬い物を噛む時、寝ている時に歯ぎしり、重いものを持つ時や運動する時に食いしばるなどの場面を連想すると思います。これらも頻度や時間が多ければ歯に悪さをしますが、実はそれより悪いのは、もっと軽い僅かな力で、特に緊張を要する作業中に上下の歯が触れ続けている、くっつけ続けていることなんです。実感では、仕事でパソコンやスマホを長時間使う人の3人に1人かそれ以上に、この「軽い力」の影響が出ています。ほかには、車のドライバーさん、楽器を弾いたり絵を描いたり、料理をするなど、手先の細かい作業で緊張し、集中力を求められることの多い人たちです。

該当すると思われる患者さんにどんなアドバイスをしていますか?

「軽い力」で上下の歯をくっつけているのが癖になって、無意識に何時間もくっつけ続けてしまうため、軽い力でも蓄積して大きなダメージにつながるのです。歯がすり減る、欠ける、割れる、揺れてくる原因になります。虫歯が見つからなかった患者さんで、「軽い力」が原因で歯の痛みを引き起こしているケースもみられます。中には、口を閉じている時は上下の歯をくっつけているのが普通だと思われている方もいらっしゃいますが、本来は食べるときや唾を飲むときなどを除いて、上下の唇は閉じていても口中の歯は少し離れているのが脱力した自然な状態なんです。こんな口元が緊張する癖を直せるでしょうかと聞かれることも多いですが、心理学の知見を応用して、何かに集中している間もときどき緊張を緩め自然に戻すためのコツをお教えしています。

歯が痛くても虫歯が原因とは限らないのですね。

栗田知之院長 栗田歯科医院4

そうですね。痛みもそうですし、虫歯でないのに冷水がしみる知覚過敏や、口が開きにくくなる顎関節症も「軽い力」が原因となることが多いです。症状の原因は一つではないということですね。だからこそ私は、診断を大事にしています。歯がしみたり、痛かったりするメカニズムは単純ではないので、その痛みの根本に何があるのかを注意深く診るようにしています。原因次第では、虫歯治療や、詰め物やかぶせ物を外してやり直さなくてもよいかもしれませんから、診断を大事にすることは、患者さんにとって大きなメリットになるのではないでしょうか。

治療を中断してしまった歯、重症な歯の治療も歓迎

保険診療がメインと伺っていますが、保険か自費かを選ぶときのヒントや、保険診療の利点を教えてください。

栗田知之院長 栗田歯科医院5

私が保険適用内の治療をすることが多いのは、さっきお話しした口内で直接詰め物をする方法など、私の行っている治療法がほとんど保険診療の範囲でできるからなんです。個人の意見ですが、自費を選ぶ一番のメリットは、セラミックのような審美面にこだわった材料を使えるところだと思います。天然の歯に近い白さで、色落ちもしにくいです。しかし、保険診療であっても良い治療は可能です。自前の歯に勝るものはないですからね。保険と自費のどちらが優れていると一概に言うことはできませんが、保険診療が安かろう悪かろうではないとお考えください。

根管治療や虫歯治療を途中で中断してしまった人や、重症な歯の人の治療も歓迎だそうですね。

はい、もちろんです。歯科医師という仕事の良いところは、年齢を重ねるにつれて身につく技術や経験値が増え、進歩していけるところだと思っているんです。若い歯科医師のほうが優れているとは限らないし、自分が負けているともまったく思いません。長年やってきて、自分が技術を磨いてきた治療の中には自分にしかできない部分があると思っています。特に、根管治療は大好きで得意ですし、なるべく神経を取らないことにもこだわっています。今後も、そこを伸ばしていきたいですし、お役に立てると思います。

読者へのメッセージをお願いします。

栗田知之院長 栗田歯科医院6

歯科医師はいくつになっても進歩できると言いましたが、ここ最近は、歯が痛い、しみるといった症状も、虫歯や歯周病以外にいろいろな原因が考えられることを、以前にも増して意識するようになりました。歯が痛い、虫歯だ、でも歯科医院に行ったらガリガリ削られるから嫌だな。そんな不快な連想も働きやすいでしょうが、注意深く診断することで、最初にご紹介した「歯にかかる軽い力」など意外な原因が見つかって、そんなに歯をいじらなくて済む場合も少なくありません。また、根管治療などを途中で中断してしまった、重症な歯で抜かれてしまうのではと心配、などの場合でも、私は根管治療は大好きで得意ですし、しっかりとご説明します。決して治療を強要することもありませんので、お気軽に安心してご来院ください。お待ちしております。

自由診療費用の目安

自由診療とは

セラミック治療/4万4000円~

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